69 / 136
龍士の失踪(充彦)
しおりを挟む
ボクシングジムからの帰り、本部に帰る道すが龍士に似た人を見かけた。
だけどここは、龍士が居るはずのない場所。
この間の襲撃の件もあって俺は不審に思い、バレないように後を着けてみると龍士はとあるビルの前で足を止めた。
中に入ってしまう前に事情だけでも聞き出さなきゃ、そう思って慌てて龍士を呼び止めた。
「龍士っ!」
「…っ、充彦」
「何してんだよ、こんなとこでっ」
「…もう、俺に関わるな…わかったな」
「は?何言って…っ」
「俺がいるとあいつに迷惑かける、あいつだけは守りたいから!だから頼む…っ!」
「急に意味わかんねぇよ!どういう事!?」
「敦史には後で連絡するから…ごめん」
「龍士っ!!」
俺の制止も振り切って、龍士はビルの奥へと入って行ってしまった。
関わるなってどういう事だよ…
大体あの連中の島に勝手に出入りしてたら、また何されるかわかんねぇのに…
直ぐに敦史さんに連絡しなきゃ。
そう思って改めてビルを見上げてみれば、見た事のあるマークがでかでかと窓ガラスに書いてあった。
あのマークどっかで…そうか…っ!
アイツの首の…
急いで敦史さんに連絡を取るも電話は繋がらず、帰った方が早いと無我夢中で本部へと走り出した。
「はぁっ、はぁ…敦史さんっ!!」
「充彦っ、ちょうど良かった。今、龍士から連絡があって…」
「俺も、俺もさっき龍士に会って…っ」
「直接会ったのか!?」
「あぁ、それで?龍士はなんて…!?」
「…組を、抜けるって。斗亜を頼むって…」
「組を抜ける!?あいつだけは守りたいって…斗亜の事か」
俺はさっきあった事を敦史さんに逐一話した。
なんの警戒もなく向こうの島を歩くなんて有り得ないから、恐らく向こうの組と関わっているとしか思えない。
「敦史さん、これからどうします?まさかこっちに何か仕掛けてくるつもりじゃ…」
「今の所動きは無いが。…あ、斗亜…斗亜はどこだ!?」
「敦史さんっ!!」
ノックもせずに敦史さんの部屋に入ってきた奏、は興奮した状態で大輝の制止を振り切って敦史さんに掴みかかった。
「龍くんがいなくなったってほんまなん?」
「また…誰から聞いたんだ?」
「斗亜くんから大輝に連絡来てん。俺のせいや…俺が斗亜くんにあんな事さえ言わなければっ…」
「斗亜は!?大輝、斗亜は今どこにいる!?」
「それは…わかりません…っ、もう一度連絡してみますっ!」
奏のした事が全く関係ないかと言ったらそれもまだ分からないけど、とにかく今分かってるのは龍士は斗亜の為に組を抜ける決断をしたって事だ。
自分で決めた事なのかそれとも向こうの差し金なのか、それもまだ分からないけれど…
龍士の事も心配だが、今はとにかく斗亜の安否が心配だ。
「全部…俺のせいや…っ」
「落ち着け…奏、まだ何もわかってねぇから」
「せやけどっ…」
自分のせいだと思っているのか、しゃがみこんで俯く奏。
大輝が斗亜に電話を繋げ無事を確認すると、俺は敦史さんと視線を合わせ出ていく準備をした。
龍士が居ない今、敦史さん以外、斗亜を守れるのは俺しかいない。
理由はどうあれ組を抜けたいなんて言うって事は、帰ってくるつもりなんてないんだろう。
そうなると斗亜は本部に置くのが一番安全だけど、何て言い訳すればいいんだか…
暫く本当の事は黙っておいた方がいいよな。
奏は大輝に任せておけば大丈夫みたいだし、俺はとりあえず車を回し斗亜を迎えに行った。
だけどここは、龍士が居るはずのない場所。
この間の襲撃の件もあって俺は不審に思い、バレないように後を着けてみると龍士はとあるビルの前で足を止めた。
中に入ってしまう前に事情だけでも聞き出さなきゃ、そう思って慌てて龍士を呼び止めた。
「龍士っ!」
「…っ、充彦」
「何してんだよ、こんなとこでっ」
「…もう、俺に関わるな…わかったな」
「は?何言って…っ」
「俺がいるとあいつに迷惑かける、あいつだけは守りたいから!だから頼む…っ!」
「急に意味わかんねぇよ!どういう事!?」
「敦史には後で連絡するから…ごめん」
「龍士っ!!」
俺の制止も振り切って、龍士はビルの奥へと入って行ってしまった。
関わるなってどういう事だよ…
大体あの連中の島に勝手に出入りしてたら、また何されるかわかんねぇのに…
直ぐに敦史さんに連絡しなきゃ。
そう思って改めてビルを見上げてみれば、見た事のあるマークがでかでかと窓ガラスに書いてあった。
あのマークどっかで…そうか…っ!
アイツの首の…
急いで敦史さんに連絡を取るも電話は繋がらず、帰った方が早いと無我夢中で本部へと走り出した。
「はぁっ、はぁ…敦史さんっ!!」
「充彦っ、ちょうど良かった。今、龍士から連絡があって…」
「俺も、俺もさっき龍士に会って…っ」
「直接会ったのか!?」
「あぁ、それで?龍士はなんて…!?」
「…組を、抜けるって。斗亜を頼むって…」
「組を抜ける!?あいつだけは守りたいって…斗亜の事か」
俺はさっきあった事を敦史さんに逐一話した。
なんの警戒もなく向こうの島を歩くなんて有り得ないから、恐らく向こうの組と関わっているとしか思えない。
「敦史さん、これからどうします?まさかこっちに何か仕掛けてくるつもりじゃ…」
「今の所動きは無いが。…あ、斗亜…斗亜はどこだ!?」
「敦史さんっ!!」
ノックもせずに敦史さんの部屋に入ってきた奏、は興奮した状態で大輝の制止を振り切って敦史さんに掴みかかった。
「龍くんがいなくなったってほんまなん?」
「また…誰から聞いたんだ?」
「斗亜くんから大輝に連絡来てん。俺のせいや…俺が斗亜くんにあんな事さえ言わなければっ…」
「斗亜は!?大輝、斗亜は今どこにいる!?」
「それは…わかりません…っ、もう一度連絡してみますっ!」
奏のした事が全く関係ないかと言ったらそれもまだ分からないけど、とにかく今分かってるのは龍士は斗亜の為に組を抜ける決断をしたって事だ。
自分で決めた事なのかそれとも向こうの差し金なのか、それもまだ分からないけれど…
龍士の事も心配だが、今はとにかく斗亜の安否が心配だ。
「全部…俺のせいや…っ」
「落ち着け…奏、まだ何もわかってねぇから」
「せやけどっ…」
自分のせいだと思っているのか、しゃがみこんで俯く奏。
大輝が斗亜に電話を繋げ無事を確認すると、俺は敦史さんと視線を合わせ出ていく準備をした。
龍士が居ない今、敦史さん以外、斗亜を守れるのは俺しかいない。
理由はどうあれ組を抜けたいなんて言うって事は、帰ってくるつもりなんてないんだろう。
そうなると斗亜は本部に置くのが一番安全だけど、何て言い訳すればいいんだか…
暫く本当の事は黙っておいた方がいいよな。
奏は大輝に任せておけば大丈夫みたいだし、俺はとりあえず車を回し斗亜を迎えに行った。
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)
藤吉めぐみ
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。
そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。
けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。
始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる