十六夜の月

むらさきおいも

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監視役(充彦)

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充彦みつひこ。明日は斗亜とあの監視頼むな」

「はい、任せてください」

「向こうはいずれこっちに何か仕掛けてくるはずだ。目的は何だか分からないが…とにかく斗亜から目を離すな」

「はい」


今日のところはもう外に出る事もないし、斗亜の事は敦史あつしさんに任せて俺は斗亜の交友関係を一度整理しておくことにした。


「あ、もしもし颯太そうたか?」

「うんっ!どうしたの?みっくん!」

「明日、斗亜と約束してるか?」

「ううん、してないよ?何かバイトの子と遊ぶって…」

「バイト…あぁ、あの背の高い?」

「そうそう!なんか女の子もいるから面倒だーとか言ってた!」

「女…名前とか場所とか聞いたか?」

「さぁ…そこまでは…」


女…まぁ高校生でも合コンくらいはあるだろうけど、どこの誰だかわからない奴やが一緒って事か…


「そっか、わかった。ありがとな」

「あっ!待って…っ!」

「ん?…どうした?」

「あ、あの…みっくんは…彼女とかいるの?」

「えっ、彼女!?」

「…うん」

「いないけど…何で…?」


この展開、相手が女の子とかだったらワンチャン期待しちゃうシチュエーションなのかもしれないけれど、聞いてきたのが男子高生だからな。

斗亜も合コン行っちゃうし、颯太もそろそろ彼女でも欲しくなって恋の相談とか持ちかけられるのかなぁなんて思ってたのに…

俺の考えは颯太の考えのどこもかすっていなかった。


「そっかぁ!ふふっ、じゃあ今度俺とデートしてよっ!」

「でっ!?デート!?」


本当にぶっ飛んでる…
かすってもないどころか俺は男だぞ!?

今の高校生って、みんなこんなんなのか!?


「あ…えっと、、」

「だめ…?」


動揺を隠しきれない俺が返事に戸惑ってると、電話越しの颯太が少し落ち込んだ様子で俺の反応を確認するもんだから、何だか少し申し訳ない気持ちになって、とりあえずデートって単語は置いといて交流するくらいならと頭を切り替え返事を返した。


「あぁ…いや、そうだな…ご飯とか、食べに行くか?」

「わぁっ♡うんっ!!行く!行きたいっ!」

「ふふっ、わかった。それで良ければいいよ」

「嬉しいっ!ありがとうっ!!」

「どういたしまして」


電話を切った後、何故かどっと疲れてふぅっと深い息を吐いた。

だけど不思議と嫌な気持ちはしなくて、何なら俺もちょっとだけ颯太とのデート?が楽しみになっていた。

初めて颯太に会ったあの日から、メッセージや電話のやり取りはそれなりにしてたけど、あいつと話してるとなんか元気になるんだよな。

そっか、ご飯か…
颯太は何が好きなんだろう?

高校生はファミレスなんかでいいのかな?
それとも回らない寿司屋にでも連れてってやるか?

なんて、柄にもなくニヤニヤ考えてた自分にはっと気が付くと、そんな事してる場合じゃなかったと一旦頭を切り変えた。
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