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モヤモヤ(斗亜)
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あれからというもの龍士は家に帰ってこなくなった。
真壁さんから暫く充彦くんの家にいるって言われたけど、俺のせいなら謝りたいのに、あんな風になってしまった原因さえ分からないまま俺は龍士の家に1人きりの夏休みを過ごしている。
携帯にかけても出てくれなくて、寂しさを紛らわすためにバイトをめいっぱい入れて、それでも寂しくて仕方なくて颯太の家に泊まりに行ったりもした。
でももう龍士がいないなんて耐えられなくて、夜こっそり仕事場の近くに行ってみると、女子とイチャイチャしながらお店に入っていく龍士の姿が見えた。
あまり考えたくはなかったが、龍士だって大人の男だし今更ながらホストなんだ。
女の子と関係があったっておかしくない。
龍士のことは好きだけど、多分付き合ってる訳でもないし、仕事の事にとやかく口は出せない。
モヤモヤする気持ちを抱えながら店の前で動けずにいると、たまたま出てきた大輝くんに見つかってしまった。
「えっ、斗亜くん!?何してんの?こんなとこで…」
「しぃーっ。俺がここに居たって龍士には言わないでっ。お願い…っ」
「でも…どうして…?」
「ちょっと色々あって…もう暫く家に帰ってきてないの。龍士…」
「えっ!?そうなの!?」
「うん、だから気になって…」
大輝くんが言うにはずっといつもと変わらないって。
だけどそう言われてみればお酒の量が増えてる気もするし、早く来て遅くに帰ってるって言われた。
もう、俺の事なんてどうでもいいんだ…きっと。
溢れそうになる涙をグッと堪えながら俯いてると、大輝くんの手が俺の肩に触れた。
「俺、今日早く上がるからさ、家来る?」
「…いいの?」
颯太は家族と旅行に行っちゃったし、誰かと一緒にいられるのが嬉しくて、ついつい甘えてしまった。
「ただ今すぐは無理だから…そうだ、ちょっと待ってて」
大輝くんは俺に数枚の万券を握らせ、タクシーを呼んで住所を告げた。
俺は何が何だか良く分からないまま車に揺られ、そんなに遠くない場所に辿り着くと、タクシーを降りたところに俺と余り変わらない背丈の男の人を見つけた。
「よぉ…」
「本条…?」
「だからぁ、その苗字呼びやめれん?」
「あぁ、奏…くん…?」
「奏でえぇよ。なんで急にくん呼びやねん…気持ち悪っ」
「ごめん」
なんだか最初からこの人には敵意を抱いてたもんだから、きっと…いや絶対年上なんだろうけどつい口が悪くなってしまう。
「いや、こっちこそ色々…ごめん…」
「色々?」
色々ってなんだろう?
龍士との色々の事…?
でも、そんな二人の関係なんて別に俺に謝るようなことじゃないし…と首を傾げる。
「あ、いや。とにかく中入り、大輝の家やけど。帰ってくるまで一緒におってって言われてんねん」
「あ、うん。お邪魔します」
奏が部屋の鍵を開けて一緒に中に入ると、男の一人暮らしと言ったようなシンプルな間取り。
龍士の家(元あっくんの家)はやたら部屋数あるし広いし、これが普通の一人暮らしだよな…なんて思いながら奏に着いてリビングに入る。
奏は自分の家のように慣れた感じで冷蔵庫から飲み物を取り出し、ソファーに座る俺に手渡してきた。
「ほい」
「ありがとう」
「てか、何でこんな夜遅くに店の前になんかおったん?」
「それは…その…」
「龍くんとなんかあったんか?」
「うん…ずっと帰ってきてなくて…」
「ほぉん。喧嘩でもしたん?」
「喧嘩って言うか…その…」
俺は奏にその日、龍士に話した事と同じ話をした。
途中までは大変やったなぁとか言いながら話を聞いていた奏も、山崎の名前を出した途端、龍士と同じような反応をしたんだ。
「奏…?」
「あ、えっと…山崎って言うんか?斗亜くんの本当の…」
「多分、なんだけど…。ねぇ山崎って何なの?奏も知ってるの!?」
「あ、いや…」
「龍士も山崎って言ったら何も話してくれなくなった。何なの!?山崎って…」
「斗亜くん、知らんの…?龍くんの妹の…」
「え?妹の…何?」
「あ、いや…これ言っていいんかなぁ」
奏は独り言のように「言ったらあかんやつなのか?あぁわからん!」と頭を抱えジタバタし始めた。
真壁さんから暫く充彦くんの家にいるって言われたけど、俺のせいなら謝りたいのに、あんな風になってしまった原因さえ分からないまま俺は龍士の家に1人きりの夏休みを過ごしている。
携帯にかけても出てくれなくて、寂しさを紛らわすためにバイトをめいっぱい入れて、それでも寂しくて仕方なくて颯太の家に泊まりに行ったりもした。
でももう龍士がいないなんて耐えられなくて、夜こっそり仕事場の近くに行ってみると、女子とイチャイチャしながらお店に入っていく龍士の姿が見えた。
あまり考えたくはなかったが、龍士だって大人の男だし今更ながらホストなんだ。
女の子と関係があったっておかしくない。
龍士のことは好きだけど、多分付き合ってる訳でもないし、仕事の事にとやかく口は出せない。
モヤモヤする気持ちを抱えながら店の前で動けずにいると、たまたま出てきた大輝くんに見つかってしまった。
「えっ、斗亜くん!?何してんの?こんなとこで…」
「しぃーっ。俺がここに居たって龍士には言わないでっ。お願い…っ」
「でも…どうして…?」
「ちょっと色々あって…もう暫く家に帰ってきてないの。龍士…」
「えっ!?そうなの!?」
「うん、だから気になって…」
大輝くんが言うにはずっといつもと変わらないって。
だけどそう言われてみればお酒の量が増えてる気もするし、早く来て遅くに帰ってるって言われた。
もう、俺の事なんてどうでもいいんだ…きっと。
溢れそうになる涙をグッと堪えながら俯いてると、大輝くんの手が俺の肩に触れた。
「俺、今日早く上がるからさ、家来る?」
「…いいの?」
颯太は家族と旅行に行っちゃったし、誰かと一緒にいられるのが嬉しくて、ついつい甘えてしまった。
「ただ今すぐは無理だから…そうだ、ちょっと待ってて」
大輝くんは俺に数枚の万券を握らせ、タクシーを呼んで住所を告げた。
俺は何が何だか良く分からないまま車に揺られ、そんなに遠くない場所に辿り着くと、タクシーを降りたところに俺と余り変わらない背丈の男の人を見つけた。
「よぉ…」
「本条…?」
「だからぁ、その苗字呼びやめれん?」
「あぁ、奏…くん…?」
「奏でえぇよ。なんで急にくん呼びやねん…気持ち悪っ」
「ごめん」
なんだか最初からこの人には敵意を抱いてたもんだから、きっと…いや絶対年上なんだろうけどつい口が悪くなってしまう。
「いや、こっちこそ色々…ごめん…」
「色々?」
色々ってなんだろう?
龍士との色々の事…?
でも、そんな二人の関係なんて別に俺に謝るようなことじゃないし…と首を傾げる。
「あ、いや。とにかく中入り、大輝の家やけど。帰ってくるまで一緒におってって言われてんねん」
「あ、うん。お邪魔します」
奏が部屋の鍵を開けて一緒に中に入ると、男の一人暮らしと言ったようなシンプルな間取り。
龍士の家(元あっくんの家)はやたら部屋数あるし広いし、これが普通の一人暮らしだよな…なんて思いながら奏に着いてリビングに入る。
奏は自分の家のように慣れた感じで冷蔵庫から飲み物を取り出し、ソファーに座る俺に手渡してきた。
「ほい」
「ありがとう」
「てか、何でこんな夜遅くに店の前になんかおったん?」
「それは…その…」
「龍くんとなんかあったんか?」
「うん…ずっと帰ってきてなくて…」
「ほぉん。喧嘩でもしたん?」
「喧嘩って言うか…その…」
俺は奏にその日、龍士に話した事と同じ話をした。
途中までは大変やったなぁとか言いながら話を聞いていた奏も、山崎の名前を出した途端、龍士と同じような反応をしたんだ。
「奏…?」
「あ、えっと…山崎って言うんか?斗亜くんの本当の…」
「多分、なんだけど…。ねぇ山崎って何なの?奏も知ってるの!?」
「あ、いや…」
「龍士も山崎って言ったら何も話してくれなくなった。何なの!?山崎って…」
「斗亜くん、知らんの…?龍くんの妹の…」
「え?妹の…何?」
「あ、いや…これ言っていいんかなぁ」
奏は独り言のように「言ったらあかんやつなのか?あぁわからん!」と頭を抱えジタバタし始めた。
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