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生きて
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俺が敦史から話を聞いた後、ノブさんも話を聞いてた。
斗亜にとっての父親はノブさんだ。
斗亜もそう思ってくれてたら良いなんて甘い考えがよぎるけど、斗亜の本当の父親を殺したのは間違いなく俺だ…
それは逃れようのない事実だ。
斗亜の手術にはかなりの時間がかかっている。
出血量も多く、いま病院にある血液だけじゃ足りないかもしれないと、バタバタと人が走っていく。
俺のを使ってくれと言ったけど、同じ血液型でも俺のは使えないらしい。
斗亜に借りてる分、返せなかった。
無力な俺は俯いたまま、ただ祈ることしか出来なかった。
そして日が昇る頃、手術室の灯りが消えてみんなが一斉に立ち上がると、俺は誰よりも先に先生に駆け寄った。
「先生、斗亜はっ…」
「一命は取り留めました。ただまだ予断を許さない状況ですので…」
「そうですか…ありがとうございます」
みんなが先生に一礼すると、斗亜が手術室から出てきて俺は久しぶりに斗亜の顔を見た。
「ごめんな…っ、ごめん…斗亜…っ」
俺が弱いばっかりに…
斗亜は意識がきちんと戻り、自力で呼吸が出来るようになるまではICUに入ることになった。
ICUでは付き添いが出来ないため、俺らは一旦帰宅を余儀なくされてそれぞれの家に戻った。
だけど俺は、家にいても斗亜に何かあったらと思うと不安で心配でいてもたってもいられなくて、フラフラと歩きながら充彦の家に向かっていた。
充彦の家に着いた頃にはもうお日様も高く上っていて、インターフォンを押して出てきた充彦はもう既に出かける準備をしていた。
「龍士、今日も遅かったな。酔っ払ってんのか?」
「充彦…っ、斗亜が…」
「斗亜?斗亜がどうした?」
俺は充彦の腕にしがみつき膝から崩れ落ちた。
もう仕事に行かなきゃいけないだろう充彦は、そんな事はどうでも良いと、俺の話を聞いてくれた。
「俺がちゃんとしてればこんな事にはならなかったのにっ…俺がちゃんと迎えに行ってれば…っ」
「この事件とお前達の件は全く関係ないだろう。そんなに自分を責めるな」
「でも俺は逃げたんだ…斗亜はちゃんと向き合ってたのに…っ」
「そうだな。龍士より斗亜のがしっかりしてるな。だから大丈夫だよ。斗亜はそんなに弱くない。龍士が全部抱えることないんじゃない?それに兄弟じゃないってわかったんだろ?」
「そうだけど、でも…っ、俺は斗亜の父親を殺した…」
「龍士、もしあの男が生きてたとして斗亜が幸せになれたと思うか?」
「それは…」
そうだ、莉緒にとってもあの男は本当の父親だったし、俺だって父親だと思ってた。
もしあいつに斗亜が何かされたら…
結局俺は同じことをしていたに違いない。
けど…
「でも、斗亜はアイツの事知らないし、斗亜にとってはたった一人の父親だったんだ…」
「考えすぎだよ。斗亜にとっては龍士を困らせた嫌な奴くらいにしか思ってないって。知らないなら尚更さ。斗亜にとっての父親はノブさんだろ?ノブさんがいるんだから斗亜は大丈夫だよ。それにさ、斗亜がそんなに必死だったのは龍士、全部お前の為だろ?」
そうだ、斗亜はいつも俺のことを考えてくれてた。
兄弟で恋愛がダメならただの兄弟でもいいから一緒にいたいって、それでもダメなら諦めるって…
それなのに俺は自分の保身ばっかりで、斗亜の気持ちを全然考えてやれなかった。
一緒にいたい…ただそれだけの事をずっと伝えてくれてたのに。
もし、結果が兄弟認定されてたら…
きっと斗亜は離れて行ってしまってたに違いない。
俺がハッキリしないまま離れ離れになって、それで俺は一生モヤモヤしながら後悔する、そんな情けない未来になってたかもしれないんだ。
一緒にいたい、その気持ちは同じなのに…
「龍士、斗亜の事好きか?」
「あぁ、好きだよ」
「なら大事にしてやれ。あいつは龍士と兄弟だろうが父親がどうだろうが、お前に対する想いは変わらないし変えるつもりもないと思うから、細かいこと気にしないで斗亜の事だけ見てやれ。な?」
本当にそうだ。
失ってしまってからじゃもう遅いんだ。
大事なら、大切にしたいならどんな状況でも受け入れて乗り越えなきゃ…
「何かマジで俺…だっせぇよな…」
「いや、俺は龍士のそういう繊細な所も好きだよ?」
「何か…ありがとう…///」
充彦は子供扱いするように俺の頭を撫で回すと、そのまま仕事に向かった。
思えば、充彦って昔から俺が困ったり病んだりした時はいつもそばに居てくれた。
多分俺、充彦がいなかったら今頃この世にはいなかったかもしれないな…
斗亜に出会う前に、とっくに人生諦めてたと思う。
俺にとって充彦は、斗亜と同じくらい大事な人なんだと改めて思った。
斗亜にとっての父親はノブさんだ。
斗亜もそう思ってくれてたら良いなんて甘い考えがよぎるけど、斗亜の本当の父親を殺したのは間違いなく俺だ…
それは逃れようのない事実だ。
斗亜の手術にはかなりの時間がかかっている。
出血量も多く、いま病院にある血液だけじゃ足りないかもしれないと、バタバタと人が走っていく。
俺のを使ってくれと言ったけど、同じ血液型でも俺のは使えないらしい。
斗亜に借りてる分、返せなかった。
無力な俺は俯いたまま、ただ祈ることしか出来なかった。
そして日が昇る頃、手術室の灯りが消えてみんなが一斉に立ち上がると、俺は誰よりも先に先生に駆け寄った。
「先生、斗亜はっ…」
「一命は取り留めました。ただまだ予断を許さない状況ですので…」
「そうですか…ありがとうございます」
みんなが先生に一礼すると、斗亜が手術室から出てきて俺は久しぶりに斗亜の顔を見た。
「ごめんな…っ、ごめん…斗亜…っ」
俺が弱いばっかりに…
斗亜は意識がきちんと戻り、自力で呼吸が出来るようになるまではICUに入ることになった。
ICUでは付き添いが出来ないため、俺らは一旦帰宅を余儀なくされてそれぞれの家に戻った。
だけど俺は、家にいても斗亜に何かあったらと思うと不安で心配でいてもたってもいられなくて、フラフラと歩きながら充彦の家に向かっていた。
充彦の家に着いた頃にはもうお日様も高く上っていて、インターフォンを押して出てきた充彦はもう既に出かける準備をしていた。
「龍士、今日も遅かったな。酔っ払ってんのか?」
「充彦…っ、斗亜が…」
「斗亜?斗亜がどうした?」
俺は充彦の腕にしがみつき膝から崩れ落ちた。
もう仕事に行かなきゃいけないだろう充彦は、そんな事はどうでも良いと、俺の話を聞いてくれた。
「俺がちゃんとしてればこんな事にはならなかったのにっ…俺がちゃんと迎えに行ってれば…っ」
「この事件とお前達の件は全く関係ないだろう。そんなに自分を責めるな」
「でも俺は逃げたんだ…斗亜はちゃんと向き合ってたのに…っ」
「そうだな。龍士より斗亜のがしっかりしてるな。だから大丈夫だよ。斗亜はそんなに弱くない。龍士が全部抱えることないんじゃない?それに兄弟じゃないってわかったんだろ?」
「そうだけど、でも…っ、俺は斗亜の父親を殺した…」
「龍士、もしあの男が生きてたとして斗亜が幸せになれたと思うか?」
「それは…」
そうだ、莉緒にとってもあの男は本当の父親だったし、俺だって父親だと思ってた。
もしあいつに斗亜が何かされたら…
結局俺は同じことをしていたに違いない。
けど…
「でも、斗亜はアイツの事知らないし、斗亜にとってはたった一人の父親だったんだ…」
「考えすぎだよ。斗亜にとっては龍士を困らせた嫌な奴くらいにしか思ってないって。知らないなら尚更さ。斗亜にとっての父親はノブさんだろ?ノブさんがいるんだから斗亜は大丈夫だよ。それにさ、斗亜がそんなに必死だったのは龍士、全部お前の為だろ?」
そうだ、斗亜はいつも俺のことを考えてくれてた。
兄弟で恋愛がダメならただの兄弟でもいいから一緒にいたいって、それでもダメなら諦めるって…
それなのに俺は自分の保身ばっかりで、斗亜の気持ちを全然考えてやれなかった。
一緒にいたい…ただそれだけの事をずっと伝えてくれてたのに。
もし、結果が兄弟認定されてたら…
きっと斗亜は離れて行ってしまってたに違いない。
俺がハッキリしないまま離れ離れになって、それで俺は一生モヤモヤしながら後悔する、そんな情けない未来になってたかもしれないんだ。
一緒にいたい、その気持ちは同じなのに…
「龍士、斗亜の事好きか?」
「あぁ、好きだよ」
「なら大事にしてやれ。あいつは龍士と兄弟だろうが父親がどうだろうが、お前に対する想いは変わらないし変えるつもりもないと思うから、細かいこと気にしないで斗亜の事だけ見てやれ。な?」
本当にそうだ。
失ってしまってからじゃもう遅いんだ。
大事なら、大切にしたいならどんな状況でも受け入れて乗り越えなきゃ…
「何かマジで俺…だっせぇよな…」
「いや、俺は龍士のそういう繊細な所も好きだよ?」
「何か…ありがとう…///」
充彦は子供扱いするように俺の頭を撫で回すと、そのまま仕事に向かった。
思えば、充彦って昔から俺が困ったり病んだりした時はいつもそばに居てくれた。
多分俺、充彦がいなかったら今頃この世にはいなかったかもしれないな…
斗亜に出会う前に、とっくに人生諦めてたと思う。
俺にとって充彦は、斗亜と同じくらい大事な人なんだと改めて思った。
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