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最終話 ずっとふたりで
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あれから暫く経って仕事も板に付いてきた俺は、簡単な料理くらいならレシピなんか見なくても作れるようになってきた。
「おっ、今日の夕飯はなぁに?」
「今日は、カレイの煮付けと炊き込みご飯。あとは適当にサラダと漬け物」
「超豪華じゃんっ」
「そう?普通じゃない?」
「普通じゃないよ、どっかの料亭みたい!いただきまぁす!」
龍士は、毎日俺のご飯を褒めてくれる。
俺は素っ気ない態度を取りながらも、本当は嬉しくて仕方ない。
「あ、そういやさ…お前フロアー出るなって言ったよな?」
「え?出てないよ。俺、中でしか仕事しないし…」
でた、必殺!過保護龍士!
にしても何で急にそんなこと…
「じゃあこれ、何?」
龍士は気だるそうに携帯をいじりながら、向かいにいる俺に画面を向けてきた。
「あ…」
「女の子2人と?コイツは?フロアーの奴だよな?」
「う…何か写真撮ろうって言われて呼ばれて…」
「撮られたら今の時代さ、SNSに上げられるのくらい分かるだろ?何で断らないかなぁ」
「別に、コイツとは友達だしいいじゃんっ」
「良くないよ。見て?このイイネの数。普段のコイツの投稿のイイネの数の倍以上あるよ?しかもコメントも『右の男の子イケメン♡』てさぁ…俺はね?心配なの。わかってよ…」
「はいはい…」
「はいはいじゃなくてぇ……」
俺の周りの人達の情報は全て龍士に筒抜けか…
まぁ内緒にすることも何もないけどさ?
でも友達のSNSチェックするとか、ちょっとしたストーカーと同じくらいヤバいじゃん。
まぁ、それだけ愛されてるって思えば全然嫌じゃないんだけど。
その後も龍士にうんちゃらかんちゃらと指摘されて、俺はその話を右から左に聞き流す。
正直俺だってあの事があってから女の人は苦手だ。
ただでさえ一番身近にいた母親から裏切られ、女なんて信用出来ないんだから。
けど、友達の友達なら…別に良くない?
ここで働き始めて同じ歳くらいの奴ってコイツしか居ないし、俺の友達って颯太と真琴くらいだし。
「あ、そういや真琴…あいつ今、龍士がいたホスクラで働いてるんだって」
「あぁ、そうらしいな。大輝と仲良いんだろ?…にしても、あんな事があって良く女相手に商売する気になるよな…」
「うん…友達だけどそういう所はマジで理解出来ない…」
鋼のメンタルっていうんだろうか…
真琴は俺に「あんな子はそうそういないよ~」とか言いながら笑ってたけど、マジで俺は笑えない。
だから、真琴とはなるべく外では合わないようにしようと思ってる。
だっていつ何時、また逆上されて巻き込まれて襲われるかわかんないもん。
「敦史から聞いたんだけどさ、真琴のやつ、護身術教えてくれって頼み込んできたらしいよ?」
「えっ?そうなの!?そこまでして…」
「モテる男は大変だなぁ…」
「龍士だってモテてたんでしょ?No.1だったんじゃないの?」
「うん…まぁ、俺の事は良いじゃん…それよりさ?」
この話になるとすぐ話を変えようとする龍士。
龍士がホストで嫌な思いしたことなんか無かったから別に良いんだけど、でもそれってただ何してたのか知らなかったからってだけなんだよね。
まぁ今更知ったところで嫉妬しか湧かないと思うから、あえて深堀しようとは思わないけれど…
あれから龍士はホストから不動産屋さんへ、大輝くんは現役引退して主任へ、奏はAV男優を辞めて風俗店の経営を任されてるらしい。
あっくんと真壁さんは相変わらずで、颯太とみっくんも仲良くやってるみたい。
颯太には練習台になってとか言われたけど、多分龍士が許さないだろうし、俺はこの羽以外は何もいらないから断ってる。
みんなそれぞれ、自分の道を歩んでるんだ。
「ねぇ斗亜、聞いてる?」
「…え?聞いてなかった」
「もう限界だって言ってんの…」
「えっ…!?」
龍士に手を引かれ立ち上がり、口元に付いたタレをペロリと舐められると、そのまま口内に舌がねじ込まれる。
立ってるのがやっとで壁に追いやられると、一層激しく口内を犯され息ができない。
「ん…っ、ふ、りゅ…っ」
「久々だから興奮するな…っ」
「あ…っ、ま…っ」
「待たないよ…?限界だって言ってんじゃん…」
龍士はそう言うと俺をひょいっとお姫様抱っこして、寝室のベットへ運んだ。
急なことにびっくりして慌てる俺の手首を束縛して再び唇が重なると、逃げ場のない俺は龍士の誘惑に身を委ねた。
でも何か、いつもより龍士の力が強く感じて思わず言葉に出してしまった。
「ん…っ、はぁ…っ、龍士…痛い…っ」
「あ…ごめん…っ」
そう言いながらおでこに優しくキスを落とされた後、俺の上で上裸になった龍士の体に俺は釘付けになった。
「龍士…っ、いつの間にそんな…」
「短期集中型ってやつ?負けてらんねぇなって思ってさ…」
確かに、この1ヶ月くらいお互い忙しくてご無沙汰だったけど、それにしたって…
分厚い胸板にシックスパックの腹筋と逞しくなった二の腕…
何これ、ヤバいじゃん…っ///
「凄…っ///」
「…っ、加減出来なかったらごめん…っ」
それから俺たちは、何度も何度も求めあった。
龍士が言うように加減なんてして貰えなくて、意識が飛びそうになるくらい強い振動が奥まで響いて何度イったのか分からないくらい絶頂に達してる。
「あっ、あっ…奥ダメ…っ―――」
「何回でもイケって…っ」
「ぅあ…っ、あっ、イク―――ッ」
何度目かの絶頂で龍士が中に出したのを感じ取ると、俺は一瞬意識を飛ばした。
そのうちに意識がはっきりしてきて、でも体はまだビクビクと快楽の中にいて震えが止まらない。
「はぁっ、あっ…龍士…っ」
「はぁ…斗亜…大丈夫…っ?」
「だめ…っ、止まんらい…っ、ぎゅってして…っ」
「斗亜…俺さ、半端者で頼りないかもしんねぇけど、お前の事…一生守るからな…」
「うんっ、一生守って…」
「愛してる…斗亜…」
「俺も…愛してる…龍士…っ」
龍士だけじゃない、俺も…誰も完璧な人なんていない。
俺らは足りないものを補いながら支え合って生きていくんだ。
例え龍士が何者であっても龍士は龍士だし、俺は俺でしかなくて、俺には龍士が必要で、龍士には俺が必要って思って欲しい。
これからも、ずっと2人で―――
「おっ、今日の夕飯はなぁに?」
「今日は、カレイの煮付けと炊き込みご飯。あとは適当にサラダと漬け物」
「超豪華じゃんっ」
「そう?普通じゃない?」
「普通じゃないよ、どっかの料亭みたい!いただきまぁす!」
龍士は、毎日俺のご飯を褒めてくれる。
俺は素っ気ない態度を取りながらも、本当は嬉しくて仕方ない。
「あ、そういやさ…お前フロアー出るなって言ったよな?」
「え?出てないよ。俺、中でしか仕事しないし…」
でた、必殺!過保護龍士!
にしても何で急にそんなこと…
「じゃあこれ、何?」
龍士は気だるそうに携帯をいじりながら、向かいにいる俺に画面を向けてきた。
「あ…」
「女の子2人と?コイツは?フロアーの奴だよな?」
「う…何か写真撮ろうって言われて呼ばれて…」
「撮られたら今の時代さ、SNSに上げられるのくらい分かるだろ?何で断らないかなぁ」
「別に、コイツとは友達だしいいじゃんっ」
「良くないよ。見て?このイイネの数。普段のコイツの投稿のイイネの数の倍以上あるよ?しかもコメントも『右の男の子イケメン♡』てさぁ…俺はね?心配なの。わかってよ…」
「はいはい…」
「はいはいじゃなくてぇ……」
俺の周りの人達の情報は全て龍士に筒抜けか…
まぁ内緒にすることも何もないけどさ?
でも友達のSNSチェックするとか、ちょっとしたストーカーと同じくらいヤバいじゃん。
まぁ、それだけ愛されてるって思えば全然嫌じゃないんだけど。
その後も龍士にうんちゃらかんちゃらと指摘されて、俺はその話を右から左に聞き流す。
正直俺だってあの事があってから女の人は苦手だ。
ただでさえ一番身近にいた母親から裏切られ、女なんて信用出来ないんだから。
けど、友達の友達なら…別に良くない?
ここで働き始めて同じ歳くらいの奴ってコイツしか居ないし、俺の友達って颯太と真琴くらいだし。
「あ、そういや真琴…あいつ今、龍士がいたホスクラで働いてるんだって」
「あぁ、そうらしいな。大輝と仲良いんだろ?…にしても、あんな事があって良く女相手に商売する気になるよな…」
「うん…友達だけどそういう所はマジで理解出来ない…」
鋼のメンタルっていうんだろうか…
真琴は俺に「あんな子はそうそういないよ~」とか言いながら笑ってたけど、マジで俺は笑えない。
だから、真琴とはなるべく外では合わないようにしようと思ってる。
だっていつ何時、また逆上されて巻き込まれて襲われるかわかんないもん。
「敦史から聞いたんだけどさ、真琴のやつ、護身術教えてくれって頼み込んできたらしいよ?」
「えっ?そうなの!?そこまでして…」
「モテる男は大変だなぁ…」
「龍士だってモテてたんでしょ?No.1だったんじゃないの?」
「うん…まぁ、俺の事は良いじゃん…それよりさ?」
この話になるとすぐ話を変えようとする龍士。
龍士がホストで嫌な思いしたことなんか無かったから別に良いんだけど、でもそれってただ何してたのか知らなかったからってだけなんだよね。
まぁ今更知ったところで嫉妬しか湧かないと思うから、あえて深堀しようとは思わないけれど…
あれから龍士はホストから不動産屋さんへ、大輝くんは現役引退して主任へ、奏はAV男優を辞めて風俗店の経営を任されてるらしい。
あっくんと真壁さんは相変わらずで、颯太とみっくんも仲良くやってるみたい。
颯太には練習台になってとか言われたけど、多分龍士が許さないだろうし、俺はこの羽以外は何もいらないから断ってる。
みんなそれぞれ、自分の道を歩んでるんだ。
「ねぇ斗亜、聞いてる?」
「…え?聞いてなかった」
「もう限界だって言ってんの…」
「えっ…!?」
龍士に手を引かれ立ち上がり、口元に付いたタレをペロリと舐められると、そのまま口内に舌がねじ込まれる。
立ってるのがやっとで壁に追いやられると、一層激しく口内を犯され息ができない。
「ん…っ、ふ、りゅ…っ」
「久々だから興奮するな…っ」
「あ…っ、ま…っ」
「待たないよ…?限界だって言ってんじゃん…」
龍士はそう言うと俺をひょいっとお姫様抱っこして、寝室のベットへ運んだ。
急なことにびっくりして慌てる俺の手首を束縛して再び唇が重なると、逃げ場のない俺は龍士の誘惑に身を委ねた。
でも何か、いつもより龍士の力が強く感じて思わず言葉に出してしまった。
「ん…っ、はぁ…っ、龍士…痛い…っ」
「あ…ごめん…っ」
そう言いながらおでこに優しくキスを落とされた後、俺の上で上裸になった龍士の体に俺は釘付けになった。
「龍士…っ、いつの間にそんな…」
「短期集中型ってやつ?負けてらんねぇなって思ってさ…」
確かに、この1ヶ月くらいお互い忙しくてご無沙汰だったけど、それにしたって…
分厚い胸板にシックスパックの腹筋と逞しくなった二の腕…
何これ、ヤバいじゃん…っ///
「凄…っ///」
「…っ、加減出来なかったらごめん…っ」
それから俺たちは、何度も何度も求めあった。
龍士が言うように加減なんてして貰えなくて、意識が飛びそうになるくらい強い振動が奥まで響いて何度イったのか分からないくらい絶頂に達してる。
「あっ、あっ…奥ダメ…っ―――」
「何回でもイケって…っ」
「ぅあ…っ、あっ、イク―――ッ」
何度目かの絶頂で龍士が中に出したのを感じ取ると、俺は一瞬意識を飛ばした。
そのうちに意識がはっきりしてきて、でも体はまだビクビクと快楽の中にいて震えが止まらない。
「はぁっ、あっ…龍士…っ」
「はぁ…斗亜…大丈夫…っ?」
「だめ…っ、止まんらい…っ、ぎゅってして…っ」
「斗亜…俺さ、半端者で頼りないかもしんねぇけど、お前の事…一生守るからな…」
「うんっ、一生守って…」
「愛してる…斗亜…」
「俺も…愛してる…龍士…っ」
龍士だけじゃない、俺も…誰も完璧な人なんていない。
俺らは足りないものを補いながら支え合って生きていくんだ。
例え龍士が何者であっても龍士は龍士だし、俺は俺でしかなくて、俺には龍士が必要で、龍士には俺が必要って思って欲しい。
これからも、ずっと2人で―――
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