こじらせ男子は一生恋煩い

むらさきおいも

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スピンオフ(心の物語り)

心の歪

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困ってる人を見るとほっとけない…なんて言えば聞こえはいいけど、俺のこの感情は恐らくそんなお人好しで出来ている訳ではなく大分ひねくれている。

将吾の事は本当に好きだった。

だけど俺はそれと同時に、将吾が俺なしでは生きて行けなくて、危なっかしくて可哀想だから守ってあげてる優しい自分に酔ってただけなんだ。

俺は向こうに行った後も自分より可哀想で弱くて、自分を頼ってくれる子をそばに置いて満足していたら、ある時それをハッキリと指摘されて気がついたのだ。
俺はただの偽善者なのかもしれないって…

でもどうしたってそういう人間に惹かれてしまうのだ。

そして自分の欲求を満たすように世話を焼き、俺から離れられないようにしたくなる。

彼はきっと…
俺の欲求を満たしてくれる…
そう思ってしまったのだ。


「ねぇ、名前…まだ聞いてない」

「…雅」

「それ本名?」

「あぁ…そうだけど…」

「へぇ、かっこいいじゃん…」


背中を撫でながらよくよく見れば、古い傷や新しい痣が身体中に散らばっている…
彼は今まで、どんな世界でどんな風に生きてきたんだろう。

俺の興味はどんどん膨らんでいく…
その痣一つ一つにキスを落とし舌を這わせていけば、綺麗な高い声で喘ぎ体をくねらせる。

あの店で働いてたって事は、当然こういう事にも慣れてるって事だろうし、さっきの惨事を見れば少なくとも今でもそうやって生活してるってことだよな?


「あのさ、将吾と同じバイトってさ?ウリの店?」

「ん…っ、そう…だけど…」

「今もやってるの?」

「いや…今は…っ、凜さんがいた店で…」

「りん…?」

「あ、将くんの彼氏の…」

「あぁ、りつさんがいたところか。じゃあさっきもそのお客さん?」

「ん、そう…」


なるほどね、じゃあそこに行けば雅くんに会えるってことだよね?
将吾とも知り合いだし、これっきりってことは無さそうでちょっと安心した。


さて、彼は一体どっちなんだろう…

きっとこの女の子のような綺麗な容姿から、受ける方なんだろうと勝手に想像しながら前に手を伸ばし彼のモノに触れる。


「あっ…ぅ…」

「俺が入れる?それとも…」

「はっ…!?あんた入れられた事あんのかよっ…」

「うん…まぁね」

「じゃあ…買ってくれるんだったら選ばせてやるよ…っ」

「あーそうだなぁ…じゃあ雅が気持ちいい方でいいよ?」

「…っ、なんだよそれ…」


俺の手を掴み動きを止めると、意味がわからないとでも言いたげに大きな瞳でこちらを見上げる。


「だってさ、いつもは選んでもらうんでしょ?だったら今日は雅が選んでみてよ…」

「お、俺が…選ぶ…の…?」

「うん、どっちがいい?」


少し頬を赤らめ目を逸らし返答に悩む雅の手を握ると、ビクッと身体を震わせ小さな声で話し始めた。


「あの…」

「うん」

「…キスして…抱きしめて欲しい…」

「うん…わかった。じゃあこっち向いて?」


少し潤んだキラキラの瞳で、初めてかのような言動に俺の心臓はドクンっと脈を早めた。

散々男を相手にしてきた雅にとって、行為そのものにあまり意味は無いのかもしれないけど、俺の時だけは雅の思うようにしてあげたい。

恥ずかしそうこっちを向いた雅の唇に軽くキスを落とすと、ギュっと抱きしめ耳元で呟いた。


「これでいい?」

「うん…もっと強く…抱きしめて…っ」

「わかった」


さっきよりも強く抱え込むように抱き締めれば、雅もギュっと抱き締め返してくれる。
将吾も可愛かったけど、雅も負けないくらい可愛いかも…


「暖かい…」

「うん、暖かいね」

「こんな風に抱き合ったの久しぶり…」

「そうなの?」

「うん…だっていつもヤるだけだし…」

「そっか…」

「はぁ…何か無駄に癒されたな」

「無駄って…」

「こういうの本当は嫌なんだよ…ずっと続かないものは一瞬でもいらない…また欲しくなると辛くなるだろ…?」


いらないと言ったはずの雅は、離れるどころか俺にしがみついたまま…

そういや昔、将吾も同じようなこと言ってた気がする…

そんな事を思い出したら、本当に愛おしくてたまらなくなってしまった。


「じゃあ続ければいいんじゃない?」

「どうせ無理だよ…続くわけない…っ」


大きな瞳がゆらゆらと揺れて、俺をじっと見つめてくる…
あぁ…守ってあげたい。
いや、違う…ただ俺から離れないで欲しいだけかな?

雅の髪をかきあげもう一度キスを落とせば、自然と舌が絡み合い雅の腕が俺の首に巻き付き密着して、お互いのモノの硬さを感じると堪らずに擦り付けながら動かした。


「ん…っ、ん…あ…っ」

「ん、はぁっ…どうする…っ?コレ…」

「…っ、出したい…っ」

「じゃあ…」

「あっ…ダメ…っ、離れないで…っ、このままがいい…っ」

「ん…っ、わかった」


雅に引き寄せられ何度も舌を絡ませると、俺は二人のモノを握りすり合わせながら腰を振れば、気持ちよすぎてあっという間に
絶頂を迎えてしまった。

そして真っ赤な顔で息を整える雅に再びキスを落とし抱きしめると、安心したのか雅ばそのまま眠ってしまった…
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