絶対に好きって言わせてやる!

ヒマリ

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告白は突然に

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私、間宮 トモ(まみや とも)。
ごく普通の高校二年生。
「トーモ!」
あ、一葉。
彼女は花井 一葉(はない かずは)。
同じ学年でとても仲の良い最高の友達。
「おはよう、一葉」
「おはよう。ねぇねぇ、その白~いお手紙は何かな?もしかして、ラブレター!?」
ニヤニヤしながら、問いかけてくる彼女に少し苛立ちを覚える。
ニヤニヤする彼女の横で手紙の中身を取り出した。
そこにはこう書いてあった。
[ 間宮トモさんへ
突然の手紙で驚いていると思いますが、どうか最後まで読んでください。

私はあなたのことをずっと前から、好きでした。無邪気に笑うあなたも、怒って顔をしかめるあなたも、そして泣いている切なげな顔も。すべてが愛おしいです。

詳しいことは放課後屋上で直接お話しします。 
では、屋上で]
「ほうほう。これは完璧告白!ラブレター!でも、核心の付き合って下さいの文がないのと屋上で待ってるということから、屋上で直接告白するということが分かる」
まったく、なに分析してんのよ!
「てか、勝手に読むな!」
彼女のほっぺたをつねって撃退した。

<放課後、屋上にて>
うぅ~!
ついにこの時がきてしまった~。
緊張で高鳴る鼓動にトギマギしながら、屋上の扉を開けた。
もう12月ということもあり、屋上にはそこに立っている彼と私以外誰もいなかった。
くぅ~!寒いー!
冷え込んだ外の空気が一瞬で私の体を包んだ。
「あ、あの!手紙の方ですか?」
私の声に体をビクつかせる彼。
そして、ゆっくり・・・・ゆっくりと体をこちらへ向けた。
あ・・・・!?
そこにいたのは友達の君矢 瑞季(きみや みずき)だった。
彼とは席も近いことから、ものすごく仲が良い。
だけど、それはあくまで友達として・・・・一人の友人としてであり、男としてではない。
瑞季のことは友達としか思えなくて、まったくの恋愛対象外。
「よぉ、トモ」
「瑞季・・・・」
「・・・・俺、トモのこと好きなんだ。初めて会ったその日から。優しいけど怒るときは怒る、ケジメとか。勉強得意なのに鼻にかけないし、別に気にしてない感じで」
“好き”という感情が芽生えた経緯を熱く語り出した彼。
その言葉を聞かされる私はただただ照れていた。
告白でここまで褒められるとは予想外だ。
「だから、その、友達のままでいいって思ってたけど、もう我慢できないっていうか・・・・。俺の彼女になってくれないか?トモ」
顔を真っ赤にしてまで言ってくれたことには感謝する。
でも、私には全くもって、瑞季と付き合うとかそういう欲求はない。
ただ今のまま、友達のまま、これからも一緒に笑って過ごしたい、というだけ。
そう願うのは私だけだったというのか・・・・・。
私は深呼吸して、気持ちを落ち着かせると、彼の方へ一歩進み出た。
「瑞季の気持ちは嬉しい・・・・でも私は瑞季のこと友達としての好きはあるけど、恋愛としての好きはないの。だから、ごめんなさい。瑞季とは付き合えない」
こういうのは変に期待させるようなことを言って振るより、キッパリと断った方がお互いにいい。
変な期待を抱かせることほど、残酷なことはない。
きっと、悲しむんだろうな・・・・・・。
悲しむなんて甘いことを考えていたのがそもそもの間違いだった。
え・・・・・・?
怒ってる!?
そこには眉間に皺を寄せた瑞季が。
嘘でしょ?まさかの逆ギレ?
彼はツカツカと私に歩みより、距離を縮めた。
わっ!
私も焦って後ろに下がる。
すると、ついに閉ざされている屋上の出入り口の扉に背中があたった。
反射的にドアノブを掴んだ。
逃げなきゃ!
扉と向き直り、ドアノブを回して扉を引っ張ろうとするが、瑞季が後ろから扉を押した。
そのため、扉は開かず、固く閉ざされてしまった。
瑞季の方が力は強い。
私にはこの扉を開けることが出来なかった。
どうしよう?
頭は不安でいっぱい!
しかもよく考えれば、壁ドン状態!
彼の両手が私を囲うように扉についているので逃げられない。
「なんで?なんで俺じゃダメなんだよ・・・・・!?」
その声は悲痛で震えていた。
「私、瑞季のこと恋愛対象として見てなかった」
「っ!」
彼の手は震えていて、見ていられなかった。
そっと彼の手から目を反らし、俯いた。
すると、彼は私を後ろかろ強く抱き締めた。
「ちょっ!?」
「は?俺のことここまで夢中にさせといて、フルとかマジであり得ない。絶対に好きって言わせてやる!」
なっ!?何言ってんの!?
彼はスッと私を離すと、不敵な笑みを浮かべた。
はい?
「てなワケだから、覚悟しとけ」
そう言うと、一足先に彼は扉を開けて、屋上から去っていった。
な、なんだったんだろう? 
あの、俺はお前を落とす、宣言は・・・・・・?
その場にヘタリこんでしまうのを足を踏ん張って耐える。
「意味分かんない」
その言葉は風の音で打ち消され、本人以外は何を言ったのか分かっていないと思う。
彼が出ていった扉を見つめ、ため息を溢した。
明日から、一波乱ありそう・・・・・・。
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