私に恋するヴァンパイア

俺の近くに居ろよ

それから、数十分すると私の耳を塞いでいる手の力が弱まる。
それを待っていたかのように彼は私の両腕を意図も容易く、片手で拘束した。
あっ！
「もう二度と逃がさないから」
「っ！」
耳元で囁かれる言葉が、声が、愛しくて････。
でも、やっぱり怖い。
もう、何をどうすればいいの････。
涙が止まらなくなってしまった。
「っ！そんな、泣くくらい俺が嫌か････？」
「違うっ！違うの････もう、分からないの。怜のことはとても大切に思ってる。でも、貴方がヴァンパイアで、あの化け物の仲間だと思うと･･･どうしても･･････」
もう、頭のなかグチャグチャ！
もう、嫌･････こんな人生なんて要らない！
死にたいよ･････。
「･････おい」
「？」
「じゃあ、俺があいつの仲間じゃないって雪音のその頭に叩き込んでやる！だから、俺の近くに居ろよ」
そ、れは････。