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第三章 裏に潜みし美少女は……?
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「……僕は……」
「ヒリテスキステイ・テイス・キハテ」
鎧はクリーティアを叩き潰さんと、渾身の力を込めてその巨大な拳を振り下ろした。が、
「……僕は……ぼくは……ぼ・く・は……」
鎧の拳は、クリーティアには当たらずに止まった。いや、止められたのだ。
ブツブツ言っているクリーティアの右手が、鎧の拳を受け止めている。
「ぼ・く……く……ク……クククク……!」
クリーティアが鎧の拳を握り締めた。その細い指が、軋む音と共に鎧の拳にめり込んでいく。
「スイキテ・テイスキハテ・イキハッ!」
鎧が暴れる。が、クリーティアに握られたその拳はビクともしない。動くのは手首から上、じたばたしている腕と体だけだ。そうこうしている間に、クリーティアの様子が変わってきた。
「クククク……やっと、あの目障りな軟弱者めを叩き落とせた……この体は他の誰でもない、此方のもの。もう絶対に渡しはせぬぞ!」
クリーティアの髪が変わった。朝の木漏れ日のようだった金色の髪が、月光を覆い隠す闇夜の漆黒になっている。
クリーティアの目が変わった。宝石のように澄んでいた碧の瞳が、血のように生々しい真紅に染まっている。
クリーティアの声が変わった。少し高く、どこか甘く、そして冷たくなっている。
だが何より顕著なのは、その体だ。もともと小柄で華奢ではあったが、更にか細く、丸みを帯びている。胸と腰の辺りには少し肉がついて、僅かだが膨らんでいる。
これは明らかに、女の子の体だ。
「む。何じゃこれは? どういうことじゃ」
変貌を遂げた当の本人、クリーティアはあまり動じていないようだ。ささやかに膨らんだ胸を軽く撫でて、呟くように言った。
「まあ、どちらでも構わぬがの。男であれ女であれ、此方の美しさは変わらぬ……と」
クリーティアは鎧の拳を掴んだまま立ち上がり、そのまま片手で振り回した。クリーティアの倍以上ある鎧が、クリーティアの頭上で、まるで鎖鎌か何かのようにブンブン唸りを上げて回されている。
そしてクリーティアが、ぱっと手を放すと、鎧は遠心力のままに吹っ飛んでいった。自分が殴り飛ばしたエイユンやクリーティアと同じように、猛烈な勢いで壁に叩きつけられる。
「ふん。かようなオモチャで此方を倒そうとは愚かな。此方を誰じゃと思うて……む?」
クリーティアは眉間に皺を寄せた。
「そういえば此方は、誰じゃ? 地上で最も美しく最も強き美少年、としか思いだせん」
クリーティアは部屋の中を見回す。目に入るのは分厚い扉と、倒れている尼僧が一人。
「っ……ク、クリー……ティア……」
「クリーティア? ああ、そう言えばそのような名で呼ばれていたような気もするのう。確か、この肉体の製作者が何度も何度も」
クリーティアは、小首を傾げて少し考えて。
「……ふむ、良かろう。此方を蘇らせた功績を称え、その【クリーティア】を認めてやるとしよう。此方の名として、の」
「イキハスキ・ヤノユヤ・オノオチハ!」
鎧が叫びながら立ち上がった。地響きを立てて大股でクリーティアに襲いかかる。
だがクリーティアは動じず、
「まだ動くのか。丈夫なオモチャよの」
と言って、一歩左に踏み出してから右足を振り上げた。鎧の足を、蹴った。
その一蹴りに足を取られ、鎧が躓く。泳ぐように両手をじたばたさせるが勢いは止まらず、ぐるんと縦に半回転。頭を床に、背中を壁……いや、扉に叩きつけられた。
「どれ。最強美少年転じて最強美少女となった此方の強さ、この新しい体での強さを、試してやるとしようかの」
クリーティアは、その小さな両の拳を握り締めた。そしてその形の良い眉を、くわっと吊り上げて悪鬼のような形相になり、
「ハァウウウウウウウウゥゥゥゥッ!」
雨霰のような乱撃で鎧を殴りつけた。瞬く間に鎧の体は、ボコボコに凹まされていく。
鎧が動こうとすると、脚であれ腕であれ、そこに拳を集中連打されて止められてしまう。さながら無数の針で止められた昆虫標本の如く鎧は全く身動きがとれず抵抗などできず、そうこうしている間に全身が拳の跡で覆い尽くされていき、
「トドメじゃああああぁぁッ!」
もはや原型を留めていない鎧に、クリーティアの蹴り込みが入った。その脚は鎧に突き刺さり突き破り、貫通して扉を打つ。鎧は逆さまのまま串刺し状態、そしてデコボコのズタボロだ。
「さて。どうなったかの」
クリーティアは涼しい顔で、鎧を刺したままの蹴り脚を、膝を額に着けんばかりに高く振り上げた。その勢いで鎧は引き抜かれ、クリーティアの頭越しに後ろへ投げ飛ばされる。
ズシン、と音を立てて鎧は落下した。壊れきり、完全に機能停止したオモチャには興味を示さず、クリーティアは正面の扉を見る。
扉は、全体的にボコボコ凹んではいるものの、依然として固く閉ざされていた。
「ぬぅ。まだ力が蘇りきっておらぬようじゃ……ん?」
クリーティアは、声と視線を感じて横を向いた。
倒れていたエイユンが、少しだけ体を捻って微かに目を開けて、こちらを見ている。
「クリー……ティ……ア……なのか?」。
クリーティアはその美しい顔に冷たい微笑を浮かべ、ゆっくりとエイユンに近づいていった。
「尼僧よ。其方の知る、クリーティアという名の少年はもうどこにもおらぬ。そのこと、とくと思い知らせてやろう」
クリーティアが右手を伸ばした。その手でエイユンの襟首を掴む。
そして軽々とエイユンを引き起こし、吊り上げた。クリーティアに掴まれて捻られた僧衣が、エイユンの喉を締め上げる。
「……ぐ、……ぅっ……」
「苦しいか? なかなか美しいぞ、今の其方は。青白うなった肌に、苦悶の表情。ほほほほ」
「かはっ……ク……クリ、ティ……」
エイユンは首を締められ吊り上げられ、変な絞首刑のようになっている。
それでもエイユンはクリーティアに呼びかけ続ける。だが返ってくるのは、相変わらず美しい、だがひんやりと冷たい、少女の声。
「ほほほほ。そう、此方の名はクリーティアじゃ。ここにおるのは地上最強の美少年、いや美少女であるクリーティ……うっ?」
クリーティアが突然、エイユンから手を離して片膝をついた。落下し、倒れたエイユンの目の前で、苦しそうに胸に手を当て、額に脂汗を浮かべている。
「な、何じゃ、これ、は……あ、あの少年……か? ぐぬぬぅ、お、おのれ! こ、こ、このままでは済まさぬぞぇ! 必ず、必ず此方はこの体を……」
額に脂汗を浮かべて息を乱し、クリーティアは宙を仰いだ。その姿が少しずつ変わっていく。
闇夜の黒髪が、朝日の金髪に。
血の色をした紅い瞳が、宝石のような碧の瞳に。
冷たい子悪魔のような声が、愛らしい天使の声に。
身長と肩幅が僅かに増し、代わりに胸と腰の膨らみが失せていく。
これは明らかに、男の子の体だ。クリーティアの、元の体である。
「ぅ……あっ……」
「ク、クリーティア……? クリーティア、だな? しっかりしろ!」
エイユンは痛む体を何とか起こし、クリーティアの両肩に手をかけて呼びかけた。
「私を見ろ。私が判るか、クリーティア?」
「ぁ……エイユン……さん?」
「お主、今、何があったのだ? 自分がしたこと、覚えているか?」
「え……あ、そういえば、あの鎧は……?」
「……覚えていないようだな」
エイユンはクリーティアの変貌を説明した。エイユンも半ば気絶していたので、全てはっきりと見聞きできたわけではない。が、クリーティアが易々とあの鎧を破壊したのは確かである。
クリーティアはエイユンの話を聞き、無残に破壊された鎧を見て、悲鳴混じりの息を飲んだ。
「っっ! ゆ、夢じゃなかったんだ……」
「夢?」
「はい。さっき、急に意識が遠くなったというか、意識を押し潰されたみたいになって……」
クリーティアは、身震いしながら言った。
「僕の中にいる、暗い霧みたいなのが大きく膨らんで僕を飲み込んで……その後はもう……」
クリーティアは恐ろしそうに自分の手を見る。
「その霧に操られるまま、僕はあの鎧を壊して、エイユンさんまで……」
「ヒリテスキステイ・テイス・キハテ」
鎧はクリーティアを叩き潰さんと、渾身の力を込めてその巨大な拳を振り下ろした。が、
「……僕は……ぼくは……ぼ・く・は……」
鎧の拳は、クリーティアには当たらずに止まった。いや、止められたのだ。
ブツブツ言っているクリーティアの右手が、鎧の拳を受け止めている。
「ぼ・く……く……ク……クククク……!」
クリーティアが鎧の拳を握り締めた。その細い指が、軋む音と共に鎧の拳にめり込んでいく。
「スイキテ・テイスキハテ・イキハッ!」
鎧が暴れる。が、クリーティアに握られたその拳はビクともしない。動くのは手首から上、じたばたしている腕と体だけだ。そうこうしている間に、クリーティアの様子が変わってきた。
「クククク……やっと、あの目障りな軟弱者めを叩き落とせた……この体は他の誰でもない、此方のもの。もう絶対に渡しはせぬぞ!」
クリーティアの髪が変わった。朝の木漏れ日のようだった金色の髪が、月光を覆い隠す闇夜の漆黒になっている。
クリーティアの目が変わった。宝石のように澄んでいた碧の瞳が、血のように生々しい真紅に染まっている。
クリーティアの声が変わった。少し高く、どこか甘く、そして冷たくなっている。
だが何より顕著なのは、その体だ。もともと小柄で華奢ではあったが、更にか細く、丸みを帯びている。胸と腰の辺りには少し肉がついて、僅かだが膨らんでいる。
これは明らかに、女の子の体だ。
「む。何じゃこれは? どういうことじゃ」
変貌を遂げた当の本人、クリーティアはあまり動じていないようだ。ささやかに膨らんだ胸を軽く撫でて、呟くように言った。
「まあ、どちらでも構わぬがの。男であれ女であれ、此方の美しさは変わらぬ……と」
クリーティアは鎧の拳を掴んだまま立ち上がり、そのまま片手で振り回した。クリーティアの倍以上ある鎧が、クリーティアの頭上で、まるで鎖鎌か何かのようにブンブン唸りを上げて回されている。
そしてクリーティアが、ぱっと手を放すと、鎧は遠心力のままに吹っ飛んでいった。自分が殴り飛ばしたエイユンやクリーティアと同じように、猛烈な勢いで壁に叩きつけられる。
「ふん。かようなオモチャで此方を倒そうとは愚かな。此方を誰じゃと思うて……む?」
クリーティアは眉間に皺を寄せた。
「そういえば此方は、誰じゃ? 地上で最も美しく最も強き美少年、としか思いだせん」
クリーティアは部屋の中を見回す。目に入るのは分厚い扉と、倒れている尼僧が一人。
「っ……ク、クリー……ティア……」
「クリーティア? ああ、そう言えばそのような名で呼ばれていたような気もするのう。確か、この肉体の製作者が何度も何度も」
クリーティアは、小首を傾げて少し考えて。
「……ふむ、良かろう。此方を蘇らせた功績を称え、その【クリーティア】を認めてやるとしよう。此方の名として、の」
「イキハスキ・ヤノユヤ・オノオチハ!」
鎧が叫びながら立ち上がった。地響きを立てて大股でクリーティアに襲いかかる。
だがクリーティアは動じず、
「まだ動くのか。丈夫なオモチャよの」
と言って、一歩左に踏み出してから右足を振り上げた。鎧の足を、蹴った。
その一蹴りに足を取られ、鎧が躓く。泳ぐように両手をじたばたさせるが勢いは止まらず、ぐるんと縦に半回転。頭を床に、背中を壁……いや、扉に叩きつけられた。
「どれ。最強美少年転じて最強美少女となった此方の強さ、この新しい体での強さを、試してやるとしようかの」
クリーティアは、その小さな両の拳を握り締めた。そしてその形の良い眉を、くわっと吊り上げて悪鬼のような形相になり、
「ハァウウウウウウウウゥゥゥゥッ!」
雨霰のような乱撃で鎧を殴りつけた。瞬く間に鎧の体は、ボコボコに凹まされていく。
鎧が動こうとすると、脚であれ腕であれ、そこに拳を集中連打されて止められてしまう。さながら無数の針で止められた昆虫標本の如く鎧は全く身動きがとれず抵抗などできず、そうこうしている間に全身が拳の跡で覆い尽くされていき、
「トドメじゃああああぁぁッ!」
もはや原型を留めていない鎧に、クリーティアの蹴り込みが入った。その脚は鎧に突き刺さり突き破り、貫通して扉を打つ。鎧は逆さまのまま串刺し状態、そしてデコボコのズタボロだ。
「さて。どうなったかの」
クリーティアは涼しい顔で、鎧を刺したままの蹴り脚を、膝を額に着けんばかりに高く振り上げた。その勢いで鎧は引き抜かれ、クリーティアの頭越しに後ろへ投げ飛ばされる。
ズシン、と音を立てて鎧は落下した。壊れきり、完全に機能停止したオモチャには興味を示さず、クリーティアは正面の扉を見る。
扉は、全体的にボコボコ凹んではいるものの、依然として固く閉ざされていた。
「ぬぅ。まだ力が蘇りきっておらぬようじゃ……ん?」
クリーティアは、声と視線を感じて横を向いた。
倒れていたエイユンが、少しだけ体を捻って微かに目を開けて、こちらを見ている。
「クリー……ティ……ア……なのか?」。
クリーティアはその美しい顔に冷たい微笑を浮かべ、ゆっくりとエイユンに近づいていった。
「尼僧よ。其方の知る、クリーティアという名の少年はもうどこにもおらぬ。そのこと、とくと思い知らせてやろう」
クリーティアが右手を伸ばした。その手でエイユンの襟首を掴む。
そして軽々とエイユンを引き起こし、吊り上げた。クリーティアに掴まれて捻られた僧衣が、エイユンの喉を締め上げる。
「……ぐ、……ぅっ……」
「苦しいか? なかなか美しいぞ、今の其方は。青白うなった肌に、苦悶の表情。ほほほほ」
「かはっ……ク……クリ、ティ……」
エイユンは首を締められ吊り上げられ、変な絞首刑のようになっている。
それでもエイユンはクリーティアに呼びかけ続ける。だが返ってくるのは、相変わらず美しい、だがひんやりと冷たい、少女の声。
「ほほほほ。そう、此方の名はクリーティアじゃ。ここにおるのは地上最強の美少年、いや美少女であるクリーティ……うっ?」
クリーティアが突然、エイユンから手を離して片膝をついた。落下し、倒れたエイユンの目の前で、苦しそうに胸に手を当て、額に脂汗を浮かべている。
「な、何じゃ、これ、は……あ、あの少年……か? ぐぬぬぅ、お、おのれ! こ、こ、このままでは済まさぬぞぇ! 必ず、必ず此方はこの体を……」
額に脂汗を浮かべて息を乱し、クリーティアは宙を仰いだ。その姿が少しずつ変わっていく。
闇夜の黒髪が、朝日の金髪に。
血の色をした紅い瞳が、宝石のような碧の瞳に。
冷たい子悪魔のような声が、愛らしい天使の声に。
身長と肩幅が僅かに増し、代わりに胸と腰の膨らみが失せていく。
これは明らかに、男の子の体だ。クリーティアの、元の体である。
「ぅ……あっ……」
「ク、クリーティア……? クリーティア、だな? しっかりしろ!」
エイユンは痛む体を何とか起こし、クリーティアの両肩に手をかけて呼びかけた。
「私を見ろ。私が判るか、クリーティア?」
「ぁ……エイユン……さん?」
「お主、今、何があったのだ? 自分がしたこと、覚えているか?」
「え……あ、そういえば、あの鎧は……?」
「……覚えていないようだな」
エイユンはクリーティアの変貌を説明した。エイユンも半ば気絶していたので、全てはっきりと見聞きできたわけではない。が、クリーティアが易々とあの鎧を破壊したのは確かである。
クリーティアはエイユンの話を聞き、無残に破壊された鎧を見て、悲鳴混じりの息を飲んだ。
「っっ! ゆ、夢じゃなかったんだ……」
「夢?」
「はい。さっき、急に意識が遠くなったというか、意識を押し潰されたみたいになって……」
クリーティアは、身震いしながら言った。
「僕の中にいる、暗い霧みたいなのが大きく膨らんで僕を飲み込んで……その後はもう……」
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