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邸には早い時間に戻って来たのに、気が付けば夜半といっていい時間帯になっていた。
汗と香水と互いの匂いの混じり合った、熱の残る寝台の上に並び、
ソラとマリアンヌはひそひそと話し合っていた。
「ねーねー……おねえちゃん、あしたはおでかけー?」
「ううん。どこにも行かないよ。どうしたの?」
「えっとね、僕も明日はお勉強以外ないんだよっ。
だからね、いっしょにいよっ」
きゃー、と子ども特有の甲高い声を上げたあと、ソラはマリアンヌに飛び込んでくる。
マリアンヌは優しくそれを受け止めて、胸元に埋まった小さな頭をそっと撫でる。
裸体のままではあるが二人の間に淫靡なものはない。
「お昼は暇なんだよーっ、でも朝はね、先生たちが順に来るからっ。
あんまり会えないんだよ……」
しゅん、と眉尻を下げる彼を哀れむよう、マリアンヌが頭を抱く腕に力を込める。
するとソラは鼻にかかったような声を漏らしながら頭を擦り付けてくる。
さらさらとした髪で肌をくすぐられる感触に自然と頬を緩め、
自分のものよりはやや温度の高いぬくもりによって、マリアンヌが眠りに誘われそうになった刹那のことだった。
「だからねー、おねえちゃん、またあれつけてつけてっ」
ほんの少し、湿ったような調べが鼓膜を揺らした。
マリアンヌの肌が粟立ち、下腹部は熱を思い出す。
「いっぱい香油つけてー、痛くないようにするねぇ、
そのかわりー、おねえちゃんは絶対にあれ外しちゃ駄目だよっ」
ころころとした瞳を動かし、唇を尖らせ、少年らしく表情をしきりに変えながらソラは続ける。
傍らに手を伸ばし彼が掴んだのは、ぷにぷにとした指には異質な偽の男根だ。
ハーネスのような構造をしたベルトには、頑丈で決して壊すことはできない錠が付いている。
それを解くためのこの世でたった一つの鍵はもちろん――ソラが所有している。
「わかった?」
まるで幼い子どもに言い聞かせるかのようにソラは問う。
「はい……」
マリアンヌはもう、先程までの穏やかな顔ではなくなっていた。
少年に愛され、されるがままとなり、弄され、愛でられ――剥きだしの独占欲をぶつけられ続ける悦びを覚えた顔へと堕していた。
「おねえちゃんは僕のおよめさんだもん、
僕がいないときもなかよししたときのこと思い出してねっ」
その惚けた顔を側に引き寄せるようにソラが彼女の頭を抱く。
そして、幼い顔立ちには釣り合わない淫靡さを纏いながら、
耳朶に唇が触れそうなほどに近づき囁いた。
「……お昼になったらまたいっぱいしようね、おねえちゃん♥」
汗と香水と互いの匂いの混じり合った、熱の残る寝台の上に並び、
ソラとマリアンヌはひそひそと話し合っていた。
「ねーねー……おねえちゃん、あしたはおでかけー?」
「ううん。どこにも行かないよ。どうしたの?」
「えっとね、僕も明日はお勉強以外ないんだよっ。
だからね、いっしょにいよっ」
きゃー、と子ども特有の甲高い声を上げたあと、ソラはマリアンヌに飛び込んでくる。
マリアンヌは優しくそれを受け止めて、胸元に埋まった小さな頭をそっと撫でる。
裸体のままではあるが二人の間に淫靡なものはない。
「お昼は暇なんだよーっ、でも朝はね、先生たちが順に来るからっ。
あんまり会えないんだよ……」
しゅん、と眉尻を下げる彼を哀れむよう、マリアンヌが頭を抱く腕に力を込める。
するとソラは鼻にかかったような声を漏らしながら頭を擦り付けてくる。
さらさらとした髪で肌をくすぐられる感触に自然と頬を緩め、
自分のものよりはやや温度の高いぬくもりによって、マリアンヌが眠りに誘われそうになった刹那のことだった。
「だからねー、おねえちゃん、またあれつけてつけてっ」
ほんの少し、湿ったような調べが鼓膜を揺らした。
マリアンヌの肌が粟立ち、下腹部は熱を思い出す。
「いっぱい香油つけてー、痛くないようにするねぇ、
そのかわりー、おねえちゃんは絶対にあれ外しちゃ駄目だよっ」
ころころとした瞳を動かし、唇を尖らせ、少年らしく表情をしきりに変えながらソラは続ける。
傍らに手を伸ばし彼が掴んだのは、ぷにぷにとした指には異質な偽の男根だ。
ハーネスのような構造をしたベルトには、頑丈で決して壊すことはできない錠が付いている。
それを解くためのこの世でたった一つの鍵はもちろん――ソラが所有している。
「わかった?」
まるで幼い子どもに言い聞かせるかのようにソラは問う。
「はい……」
マリアンヌはもう、先程までの穏やかな顔ではなくなっていた。
少年に愛され、されるがままとなり、弄され、愛でられ――剥きだしの独占欲をぶつけられ続ける悦びを覚えた顔へと堕していた。
「おねえちゃんは僕のおよめさんだもん、
僕がいないときもなかよししたときのこと思い出してねっ」
その惚けた顔を側に引き寄せるようにソラが彼女の頭を抱く。
そして、幼い顔立ちには釣り合わない淫靡さを纏いながら、
耳朶に唇が触れそうなほどに近づき囁いた。
「……お昼になったらまたいっぱいしようね、おねえちゃん♥」
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