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18話目
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「うん、しっかり変わっているわね。」
「本当だ、これなら安心だね。」
シャルロットが満足そうに頷いた。隣のルディも同じように頷いている。それを見たシャルロットが疑問を覚えてルディに尋ねた。
「あれ、どうして変わったってわかるのよ?」
「あ、えっと……さっきの女の人、アオバ、だったっけ? あの人につかまっている間に聞かされたんだ。だって、赤ずきんを被っている女の子なんてシャルルぐらいだからね。あぁ、これはマズいなって考えたこと位は覚えているんだ。」
「ふーん、そうなの。でも、変わったこの話は物語としてはダメね。ご都合主義すぎるわ。」
シャルロットが物語を一瞥してそう語った。自身がモチーフの物語なのにこうも酷評することはあまりないだろう。そのあまりな、しかし彼女らしい言葉にルディもクレハも苦笑している。
「む……何よ、何がおかしいの?」
「いや、シャルルらしいなって思ってさ。」
「ああ、自分の物語に難癖付けるなんてそうそう出来ないさ。」
「事実だもの。私が読者なら暖炉に投げ捨てるわね。」
シャルロットのむくれ顔にルディとクレハの二人は顔を合わせて笑った。お互い同じ人物に苦労させられた同士で分かる何かがあったのだろう。森の中の花畑は、先ほどまでの喧騒が嘘のように穏やかな時間が流れていた。
しかし、その時間も長くは続かない。クレハの言葉が物語の幕を下ろすブザーとなる。
「さて、ここまで付き合わせて悪かったな。これでアンタらは安心だろう。アタシはこれで帰るよ……もうじき、夜も明けるから。」
クレハの言葉に二人は空を見上げた。見ると森に囲まれた空の端、そこが薄紫の色を覗かせているではないか。クレハの言葉通りもうじき夜が明けるだろう。
「アタシみたいな夜のバケモノは、これで消えた方が良いだろう。これ以上アンタらの日常をかき乱すのも忍びないしな。」
「――あ、あの! クレハさん!」
振り返り、去ろうとするクレハをルディが意を決したように声をかけ立ち止まらせた。驚いたと言うような顔で振り返ったクレハに、ルディはさらに驚愕な言葉をかけるのだった。
「お願いします! 僕も連れて行ってください!」
「「……え?」」
ルディの言葉にクレハはもちろんの事、隣にいたシャルロットですら呆気にとられたような声を上げた。信じられないような顔を二人はルディに向ける。しかし、ルディの目はその気持ちの固さを示すかのように力強い眼差しをしていた。
その意思を汲みとったのだろうか、クレハはその表情を真剣なものに変えるとその真意を尋ね始めた。
「えっと……ルディ、で間違いないよな? 何でアタシと一緒に行きたいんだ?」
クレハがその表情にあった真剣な口調で問う。その声色に少し押されかけるも、ルディはしっかりとした言葉で言葉を返すのだった。
「今回の事で、僕は自分の力不足を感じました。このままでは、シャルルを守れません。クレハさんの強さは身をもって知っています。それに、人狼である僕はあの街にとどまる資格がありません。」
ルディの最後の言葉にシャルロットがその顔を曇らせた。思い出すのは十年前の事件である。かの事件でルディの父親は暴走していたとはいえ街の多くの人の命を奪った。さらにはルディの母親、自らの妻の命までをも。そのことを思えば街に戻りづらいと思うルディの気持ちが、シャルロットには痛いほどわかるのだ。
ルディは腰を折り、頭を下げて言葉を続けた。
「だから、どうか、僕を弟子にしてください! クレハさんについていって、あの『センサー』と戦う事でシャルルを守りたいんです! お願いします!!」
ルディの言葉が響いたのちに、花畑を静寂が包む。クレハは下げられたルディの頭を見ながら顎に手を添えた。どうやら悩んでいる様子である。そして少しの沈黙の後、おもむろに顎に手を添えたまま口を開いた。
「……まずは頭を上げてくれよ、ルディ。そのまんまじゃ話が出来ねぇ。」
「はい。」
頭を上げてまっすぐにクレハを見つめるルディ。その様子からはたとえ断られても無理についていくと言いたげなほどの覚悟が見て取れた。その真剣さに、やりにくそうにクレハが頭をかく。
「ん~……正直、アタシとしちゃあ付いて来てくれるのは有難いんだよ。正直アタシみたいに物語を変えていこうとしている奴は少ないし、その中で戦える奴なんてアタシぐらいだからな。」
「じゃ、じゃあ……!」
ルディが期待を込めて目を輝かせた。しかし、クレハは顎に添えていた手を前に出すと、ルディの言葉を遮る。
「だけど! アタシの進む道はいわゆる普通の世界じゃない。確かにアンタは人狼って言うバケモノかもしれないが、それでもそれを受け入れてくれる奴がいるだろう? それを捨ててまで、アタシ達の世界に来るって言うのか?」
クレハの言葉にクレハとルディがシャルロットへ視線を向けた。シャルロットは顔を俯かせている。
クレハの言葉通り、シャルロットはルディの正体を知りながらもそれを忌避せず、むしろ彼女をその身をもって守った。今現在ルディの正体を知るのは、クレハや「センサー」を除けばシャルロットだけである。彼女が黙ってさえいれば、ルディは今までと変わらない日常を続けていけるのだ。
クレハはそれを心配していた。日常へ戻る道がありながら、本当にそれを拒否するのか。残されるシャルロットの事はどうするのか。クレハは無言ながらもその目で多くの事をルディに問いかけていた。
すると、おもむろにシャルロットが顔を上げた。ルディと目を合わせ、不安げな声でルディに問いかける。
「ねぇ、ルディ……さっきの言葉、本気なの?」
「……本気だよ。僕は、強くなりたい。泣いていたあの日、君とした約束を守りたいんだ。」
ルディの言葉にシャルロットがハッとした顔になる。思い出すのは幼き頃の約束。確かに彼女はルディと約束したのだ。自分を守るほど強くなって、と。
「で、でも……! だからって街を出ていくことはないでしょ!? どうして……どうして日常に戻れるのに……!」
シャルロットが涙をこらえるようにルディに詰め寄る。しかし、ルディは唇をかみしめながらその言葉を否定するのだった。
「……ごめん、シャルル。僕はやっぱり、日常に戻ることは出来ない。あの街にも戻れないよ。だから、この街ではない場所で君を守る。頼む、お願いだよ。」
「……そう。分かったわ……」
ルディの言葉にシャルロットが納得したかのように小さく一言答えた。完全な納得は得られなかったものの、ルディの言い分を認めた形となる。
ルディはシャルロットの答えを聞くと、迷いを振り切るように彼女へ背を向けた。そしてクレハの下へ歩みを進めようとする。クレハもシャルロットのその応答を聞いて、ルディへ声をかけた。
――いや、かけようとした。
クレハがルディへ声をかけようとしたその時、クレハの下へ行こうとするルディの腕を引き留める者がいた。それは他の誰でもない、シャルロット・デュヴァラであった。
「シャ、シャルル……?」
「……ルディ。あなたの気持ち、よく分かったわ。それなら、私にだって考えがあるのよ。」
するとシャルロットは俯かせていた顔をバッと上げると、力強い瞳で驚くべき言葉を口にするのだった。シャルロットとルディ、二人の運命を変える人生の転換点。
「――私も行くわ! ルディ、私もあなたと一緒にこの街を出る!」
「「……え?」」
静かな薄明の空の下、聞こえるものは風の音のみだった。
――続く
「本当だ、これなら安心だね。」
シャルロットが満足そうに頷いた。隣のルディも同じように頷いている。それを見たシャルロットが疑問を覚えてルディに尋ねた。
「あれ、どうして変わったってわかるのよ?」
「あ、えっと……さっきの女の人、アオバ、だったっけ? あの人につかまっている間に聞かされたんだ。だって、赤ずきんを被っている女の子なんてシャルルぐらいだからね。あぁ、これはマズいなって考えたこと位は覚えているんだ。」
「ふーん、そうなの。でも、変わったこの話は物語としてはダメね。ご都合主義すぎるわ。」
シャルロットが物語を一瞥してそう語った。自身がモチーフの物語なのにこうも酷評することはあまりないだろう。そのあまりな、しかし彼女らしい言葉にルディもクレハも苦笑している。
「む……何よ、何がおかしいの?」
「いや、シャルルらしいなって思ってさ。」
「ああ、自分の物語に難癖付けるなんてそうそう出来ないさ。」
「事実だもの。私が読者なら暖炉に投げ捨てるわね。」
シャルロットのむくれ顔にルディとクレハの二人は顔を合わせて笑った。お互い同じ人物に苦労させられた同士で分かる何かがあったのだろう。森の中の花畑は、先ほどまでの喧騒が嘘のように穏やかな時間が流れていた。
しかし、その時間も長くは続かない。クレハの言葉が物語の幕を下ろすブザーとなる。
「さて、ここまで付き合わせて悪かったな。これでアンタらは安心だろう。アタシはこれで帰るよ……もうじき、夜も明けるから。」
クレハの言葉に二人は空を見上げた。見ると森に囲まれた空の端、そこが薄紫の色を覗かせているではないか。クレハの言葉通りもうじき夜が明けるだろう。
「アタシみたいな夜のバケモノは、これで消えた方が良いだろう。これ以上アンタらの日常をかき乱すのも忍びないしな。」
「――あ、あの! クレハさん!」
振り返り、去ろうとするクレハをルディが意を決したように声をかけ立ち止まらせた。驚いたと言うような顔で振り返ったクレハに、ルディはさらに驚愕な言葉をかけるのだった。
「お願いします! 僕も連れて行ってください!」
「「……え?」」
ルディの言葉にクレハはもちろんの事、隣にいたシャルロットですら呆気にとられたような声を上げた。信じられないような顔を二人はルディに向ける。しかし、ルディの目はその気持ちの固さを示すかのように力強い眼差しをしていた。
その意思を汲みとったのだろうか、クレハはその表情を真剣なものに変えるとその真意を尋ね始めた。
「えっと……ルディ、で間違いないよな? 何でアタシと一緒に行きたいんだ?」
クレハがその表情にあった真剣な口調で問う。その声色に少し押されかけるも、ルディはしっかりとした言葉で言葉を返すのだった。
「今回の事で、僕は自分の力不足を感じました。このままでは、シャルルを守れません。クレハさんの強さは身をもって知っています。それに、人狼である僕はあの街にとどまる資格がありません。」
ルディの最後の言葉にシャルロットがその顔を曇らせた。思い出すのは十年前の事件である。かの事件でルディの父親は暴走していたとはいえ街の多くの人の命を奪った。さらにはルディの母親、自らの妻の命までをも。そのことを思えば街に戻りづらいと思うルディの気持ちが、シャルロットには痛いほどわかるのだ。
ルディは腰を折り、頭を下げて言葉を続けた。
「だから、どうか、僕を弟子にしてください! クレハさんについていって、あの『センサー』と戦う事でシャルルを守りたいんです! お願いします!!」
ルディの言葉が響いたのちに、花畑を静寂が包む。クレハは下げられたルディの頭を見ながら顎に手を添えた。どうやら悩んでいる様子である。そして少しの沈黙の後、おもむろに顎に手を添えたまま口を開いた。
「……まずは頭を上げてくれよ、ルディ。そのまんまじゃ話が出来ねぇ。」
「はい。」
頭を上げてまっすぐにクレハを見つめるルディ。その様子からはたとえ断られても無理についていくと言いたげなほどの覚悟が見て取れた。その真剣さに、やりにくそうにクレハが頭をかく。
「ん~……正直、アタシとしちゃあ付いて来てくれるのは有難いんだよ。正直アタシみたいに物語を変えていこうとしている奴は少ないし、その中で戦える奴なんてアタシぐらいだからな。」
「じゃ、じゃあ……!」
ルディが期待を込めて目を輝かせた。しかし、クレハは顎に添えていた手を前に出すと、ルディの言葉を遮る。
「だけど! アタシの進む道はいわゆる普通の世界じゃない。確かにアンタは人狼って言うバケモノかもしれないが、それでもそれを受け入れてくれる奴がいるだろう? それを捨ててまで、アタシ達の世界に来るって言うのか?」
クレハの言葉にクレハとルディがシャルロットへ視線を向けた。シャルロットは顔を俯かせている。
クレハの言葉通り、シャルロットはルディの正体を知りながらもそれを忌避せず、むしろ彼女をその身をもって守った。今現在ルディの正体を知るのは、クレハや「センサー」を除けばシャルロットだけである。彼女が黙ってさえいれば、ルディは今までと変わらない日常を続けていけるのだ。
クレハはそれを心配していた。日常へ戻る道がありながら、本当にそれを拒否するのか。残されるシャルロットの事はどうするのか。クレハは無言ながらもその目で多くの事をルディに問いかけていた。
すると、おもむろにシャルロットが顔を上げた。ルディと目を合わせ、不安げな声でルディに問いかける。
「ねぇ、ルディ……さっきの言葉、本気なの?」
「……本気だよ。僕は、強くなりたい。泣いていたあの日、君とした約束を守りたいんだ。」
ルディの言葉にシャルロットがハッとした顔になる。思い出すのは幼き頃の約束。確かに彼女はルディと約束したのだ。自分を守るほど強くなって、と。
「で、でも……! だからって街を出ていくことはないでしょ!? どうして……どうして日常に戻れるのに……!」
シャルロットが涙をこらえるようにルディに詰め寄る。しかし、ルディは唇をかみしめながらその言葉を否定するのだった。
「……ごめん、シャルル。僕はやっぱり、日常に戻ることは出来ない。あの街にも戻れないよ。だから、この街ではない場所で君を守る。頼む、お願いだよ。」
「……そう。分かったわ……」
ルディの言葉にシャルロットが納得したかのように小さく一言答えた。完全な納得は得られなかったものの、ルディの言い分を認めた形となる。
ルディはシャルロットの答えを聞くと、迷いを振り切るように彼女へ背を向けた。そしてクレハの下へ歩みを進めようとする。クレハもシャルロットのその応答を聞いて、ルディへ声をかけた。
――いや、かけようとした。
クレハがルディへ声をかけようとしたその時、クレハの下へ行こうとするルディの腕を引き留める者がいた。それは他の誰でもない、シャルロット・デュヴァラであった。
「シャ、シャルル……?」
「……ルディ。あなたの気持ち、よく分かったわ。それなら、私にだって考えがあるのよ。」
するとシャルロットは俯かせていた顔をバッと上げると、力強い瞳で驚くべき言葉を口にするのだった。シャルロットとルディ、二人の運命を変える人生の転換点。
「――私も行くわ! ルディ、私もあなたと一緒にこの街を出る!」
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