147 / 277
第十七話
4
しおりを挟む
ハープネットの王宮で話し合いが行われている日の午後、昼過ぎなのに突如暗くなった。
暇潰しで旅道具の整備と掃除をしていたカレンが光量の減りに気付いて窓の露を拭いた。
「雪だ」
「本当ですか?」
テルラも窓の前に来て外を見た。
熱が逃げない様にと二重窓になっているので見難いが、確かに雲が分厚くなっており、白い物が降っている。
「これは問題の魔物が復活した……と言う事でしょうか」
レイとプリシゥアも窓の前に集合する。
「急に天気が悪くなったので、きっとそうだと思いますわ」
「前の雪がまだ全然融けていないっスのにねぇ。このペースだと遠くない未来、街が雪に沈むっス」
「気温が下がる前に食料の買い足しを済ませましょうか。異常な降雪量で頭や肩に積もったりするので、雪用の雨具も買い足しましょう」
テルラの指示で街に出る一行。簡単な買い物は宿の周辺で事が足りるが、その短い時間でみるみる雪が強くなって行く。
「うーん。これは凄いですね。来た時もこんなでしたっけ?」
肩に積もった雪を叩き落してから宿の玄関を潜るテルラ。
レイも濡れた銀髪を払っている。
「来た時は周りを見る余裕が有りませんでしたから、良く覚えていませんわ。でも、魔物退治で街の外に出た時はこんな感じでしたわよ。ほら」
レイがロビーの方を見る。
プリシゥアとカレンがすでにストーブに当たっている。
「気温も同じくらい低かったと思いますわ」
「魔物が出る時は、いっつもこんな感じだよ」
突然現れたポツリに驚くテルラ。
「うわ、ポツリさん! 居たんですか」
「ずっとロビーに居たよ。まぁ、防寒具のせいで耳とかが鈍くなるから、消さなくても気配が消えるからね。それはともかく、みんなが外に出ている間に話し合いの結果が出たから伝えに来たよ」
「それはご苦労様です。では部屋に行きましょう。プリシゥア、カレン、部屋に戻りますよ」
「はーい」
勧められる前にテーブルに着いたポツリは、魔物復活の可能性が発生したから予定より早く話し合いが終わったと切り出した。
「まぁ、降雪自体が季節外れだから復活は間違いないんだけどね。これから情報収集と確認作業に入るんで、出た案をそれぞれが持ち帰って検討するって事で、結論は先延ばしだってさ」
上座に座ったレイが小さく頷く。
「先延ばしは予定通りですので問題無しですわね。で?」
「話し合いの再開は退治した後になるので、もう二、三日待って欲しいってさ」
プリシゥアが淹れてくれた緑茶を熱そうに飲んでから訊くテルラ。
「話し合いが済んでいないのに、神かも知れない存在を退治するんですか?」
「雪を止めないと経済が止まる前に人間も家畜も全滅するからね。次の退治は明日の朝一だと思うよ。時間が経つほど雪の処理が大変になるから」
「なるほど。王子側は退治を反対したでしょうが、この雪では反対し切れないでしょうね。――色々調べていて気が付いたのですが、僕は元気な状態の魔物を見ていません。もしかしたら潜在能力を見逃しているかも知れませんので、お邪魔でなければ僕達も参加させてください」
「自分から行きたいって言うなんて、テルラ君は仕事熱心だねぇ。断られないと思うから準備して待っててよ」
「はい」
一旦帰ったポツリは、すぐに宿に戻って来て参加オッケーを伝えた。
殺人級の寒さの中往復させられた事を愚痴ったが、誰もそれに反応しなかった。
そして翌朝、宿の前に三台の犬ゾリが来た。前回と同じく、コクリとポツリが出迎えてくれた。
「今日はククラ王子も参加されるので、いったん街を守る門の前で集合待ちをします」
前と同じ組分けで犬ゾリに乗り、門前に行く。
魔法使い部隊も待機していたので、結構な大所帯だった。
野性味溢れる毛皮のコートを着た一団も居て、その中から見覚えの有る男性がこちらにやって来た。
「おはようございます、レインボー姫。テルラ君」
「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
朝の挨拶を交わすククラ王子とレイ、そしてテルラ。
「今回は村の長老や識者も参加します。例の魔物が川の神かどうかを見て貰います」
ククラが数人の男性を示す。毛皮の防寒具を着込んでいるので年齢や体格は分からないが、背中が曲がっているのが長老らしい。
それ以外は、雪が降って見難い事も有って、パッと見の区別は付かない。
コクリも王子に挨拶をし、一息付いてからこれからの予定をテルラ達に説明する。
「酸と瓶は鍜治場の方が運んでくださる手筈になっていますので、私達はここから真っ直ぐ魔物退治に行きます。出発の際は陣太鼓を鳴らしますので、それまでソリで待機してください」
「はい」
寒さを堪えながら出発を待っていると、動物から剥いだまま未加工の毛皮を着た男性が門の外からやって来てククラに耳打ちした。
「なんだと!? 俺は何も聞かされていないぞ。爺はどうだ?」
「儂にも何が何だか」
「ううむ……。巫女様、コチラに来てください」
驚きの声を上げたククラは、コクリと共にソリの群れから離れ、小声で何らかの指示をした。
コクリも驚きの表情になり、手招きでポツリを呼んだ。
巫女同士で話し合った後、コクリは魔法使い部隊の方に行き、ポツリはテルラ達の方に来た。
「異常事態みたい。これは他言無用だけど、鍜治場がテロで壊されたってさ。今確認報告待ち。もしかすると今日の退治は中止になるっぽい」
それを聞いたテルラ一行に衝撃が走る。
ポツリもオロオロしている。
「これって、私が鍜治場を何とかしたら良いって言ったせい? だって、今更テロだなんて、タイミング良過ぎだし」
「もしそうなら、その話を聞いていた誰かがテロの一員になります。滅多な事を言わない様に」
レイに怒られて小さくなるポツリ。
「テロなら犯行声明が出ているはず。そこはどうなっていますの?」
「まだ分かんないと思う。でも、王都の人間が鍜治場を襲う訳が無いから、多分……」
「ククラ様の慌て様を見る限りでは、ポツリの想像通りでしょうね。よそ者のわたくしでさえそう思うのですから、冤罪だったとしても、原住民側の立場はかなり悪くなりますわ。王子の心労を思うと、わたくしも胃が痛くなりますわ」
王子の方を見ると、無言で大きく手を振っていた。
その所作を受け、長老や識者の護衛をしていた数人の戦士が街の外に走って行った。腕の動きが規則正しかったので、彼等だけに伝わる手話の様な物で指示を飛ばしたのだろう。
そのククラがテルラ一行の許に来て頭を下げた。
「状況は伝わっておりますでしょうか。折角参加頂いたのに、こんな事になって申し訳ありません」
「王子が謝罪する必要は有りませんわ。それで、これからどうなりますの?」
「こちら側の強権派の仕業の可能性が有るが、まだ真偽は分かりません。調査したいので、出撃は一日待って頂く事になります。調査団を走らせたから、すぐに分かるでしょう」
コクリもテルラ一行の許に来てククラ王子と向き合う。
「ハープネット王の許可が下り次第、こちら側でも調査をします。レイ様、テルラ様、申し訳ありませんが明日まで待機をお願いします」
頷くテルラ達。
大雪の中でバタバタと連絡役が行き交う中、その場はそれで解散となった。
暇潰しで旅道具の整備と掃除をしていたカレンが光量の減りに気付いて窓の露を拭いた。
「雪だ」
「本当ですか?」
テルラも窓の前に来て外を見た。
熱が逃げない様にと二重窓になっているので見難いが、確かに雲が分厚くなっており、白い物が降っている。
「これは問題の魔物が復活した……と言う事でしょうか」
レイとプリシゥアも窓の前に集合する。
「急に天気が悪くなったので、きっとそうだと思いますわ」
「前の雪がまだ全然融けていないっスのにねぇ。このペースだと遠くない未来、街が雪に沈むっス」
「気温が下がる前に食料の買い足しを済ませましょうか。異常な降雪量で頭や肩に積もったりするので、雪用の雨具も買い足しましょう」
テルラの指示で街に出る一行。簡単な買い物は宿の周辺で事が足りるが、その短い時間でみるみる雪が強くなって行く。
「うーん。これは凄いですね。来た時もこんなでしたっけ?」
肩に積もった雪を叩き落してから宿の玄関を潜るテルラ。
レイも濡れた銀髪を払っている。
「来た時は周りを見る余裕が有りませんでしたから、良く覚えていませんわ。でも、魔物退治で街の外に出た時はこんな感じでしたわよ。ほら」
レイがロビーの方を見る。
プリシゥアとカレンがすでにストーブに当たっている。
「気温も同じくらい低かったと思いますわ」
「魔物が出る時は、いっつもこんな感じだよ」
突然現れたポツリに驚くテルラ。
「うわ、ポツリさん! 居たんですか」
「ずっとロビーに居たよ。まぁ、防寒具のせいで耳とかが鈍くなるから、消さなくても気配が消えるからね。それはともかく、みんなが外に出ている間に話し合いの結果が出たから伝えに来たよ」
「それはご苦労様です。では部屋に行きましょう。プリシゥア、カレン、部屋に戻りますよ」
「はーい」
勧められる前にテーブルに着いたポツリは、魔物復活の可能性が発生したから予定より早く話し合いが終わったと切り出した。
「まぁ、降雪自体が季節外れだから復活は間違いないんだけどね。これから情報収集と確認作業に入るんで、出た案をそれぞれが持ち帰って検討するって事で、結論は先延ばしだってさ」
上座に座ったレイが小さく頷く。
「先延ばしは予定通りですので問題無しですわね。で?」
「話し合いの再開は退治した後になるので、もう二、三日待って欲しいってさ」
プリシゥアが淹れてくれた緑茶を熱そうに飲んでから訊くテルラ。
「話し合いが済んでいないのに、神かも知れない存在を退治するんですか?」
「雪を止めないと経済が止まる前に人間も家畜も全滅するからね。次の退治は明日の朝一だと思うよ。時間が経つほど雪の処理が大変になるから」
「なるほど。王子側は退治を反対したでしょうが、この雪では反対し切れないでしょうね。――色々調べていて気が付いたのですが、僕は元気な状態の魔物を見ていません。もしかしたら潜在能力を見逃しているかも知れませんので、お邪魔でなければ僕達も参加させてください」
「自分から行きたいって言うなんて、テルラ君は仕事熱心だねぇ。断られないと思うから準備して待っててよ」
「はい」
一旦帰ったポツリは、すぐに宿に戻って来て参加オッケーを伝えた。
殺人級の寒さの中往復させられた事を愚痴ったが、誰もそれに反応しなかった。
そして翌朝、宿の前に三台の犬ゾリが来た。前回と同じく、コクリとポツリが出迎えてくれた。
「今日はククラ王子も参加されるので、いったん街を守る門の前で集合待ちをします」
前と同じ組分けで犬ゾリに乗り、門前に行く。
魔法使い部隊も待機していたので、結構な大所帯だった。
野性味溢れる毛皮のコートを着た一団も居て、その中から見覚えの有る男性がこちらにやって来た。
「おはようございます、レインボー姫。テルラ君」
「おはようございます。今日もよろしくお願いします」
朝の挨拶を交わすククラ王子とレイ、そしてテルラ。
「今回は村の長老や識者も参加します。例の魔物が川の神かどうかを見て貰います」
ククラが数人の男性を示す。毛皮の防寒具を着込んでいるので年齢や体格は分からないが、背中が曲がっているのが長老らしい。
それ以外は、雪が降って見難い事も有って、パッと見の区別は付かない。
コクリも王子に挨拶をし、一息付いてからこれからの予定をテルラ達に説明する。
「酸と瓶は鍜治場の方が運んでくださる手筈になっていますので、私達はここから真っ直ぐ魔物退治に行きます。出発の際は陣太鼓を鳴らしますので、それまでソリで待機してください」
「はい」
寒さを堪えながら出発を待っていると、動物から剥いだまま未加工の毛皮を着た男性が門の外からやって来てククラに耳打ちした。
「なんだと!? 俺は何も聞かされていないぞ。爺はどうだ?」
「儂にも何が何だか」
「ううむ……。巫女様、コチラに来てください」
驚きの声を上げたククラは、コクリと共にソリの群れから離れ、小声で何らかの指示をした。
コクリも驚きの表情になり、手招きでポツリを呼んだ。
巫女同士で話し合った後、コクリは魔法使い部隊の方に行き、ポツリはテルラ達の方に来た。
「異常事態みたい。これは他言無用だけど、鍜治場がテロで壊されたってさ。今確認報告待ち。もしかすると今日の退治は中止になるっぽい」
それを聞いたテルラ一行に衝撃が走る。
ポツリもオロオロしている。
「これって、私が鍜治場を何とかしたら良いって言ったせい? だって、今更テロだなんて、タイミング良過ぎだし」
「もしそうなら、その話を聞いていた誰かがテロの一員になります。滅多な事を言わない様に」
レイに怒られて小さくなるポツリ。
「テロなら犯行声明が出ているはず。そこはどうなっていますの?」
「まだ分かんないと思う。でも、王都の人間が鍜治場を襲う訳が無いから、多分……」
「ククラ様の慌て様を見る限りでは、ポツリの想像通りでしょうね。よそ者のわたくしでさえそう思うのですから、冤罪だったとしても、原住民側の立場はかなり悪くなりますわ。王子の心労を思うと、わたくしも胃が痛くなりますわ」
王子の方を見ると、無言で大きく手を振っていた。
その所作を受け、長老や識者の護衛をしていた数人の戦士が街の外に走って行った。腕の動きが規則正しかったので、彼等だけに伝わる手話の様な物で指示を飛ばしたのだろう。
そのククラがテルラ一行の許に来て頭を下げた。
「状況は伝わっておりますでしょうか。折角参加頂いたのに、こんな事になって申し訳ありません」
「王子が謝罪する必要は有りませんわ。それで、これからどうなりますの?」
「こちら側の強権派の仕業の可能性が有るが、まだ真偽は分かりません。調査したいので、出撃は一日待って頂く事になります。調査団を走らせたから、すぐに分かるでしょう」
コクリもテルラ一行の許に来てククラ王子と向き合う。
「ハープネット王の許可が下り次第、こちら側でも調査をします。レイ様、テルラ様、申し訳ありませんが明日まで待機をお願いします」
頷くテルラ達。
大雪の中でバタバタと連絡役が行き交う中、その場はそれで解散となった。
0
あなたにおすすめの小説
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
魅了の対価
しがついつか
ファンタジー
家庭事情により給金の高い職場を求めて転職したリンリーは、縁あってブラウンロード伯爵家の使用人になった。
彼女は伯爵家の第二子アッシュ・ブラウンロードの侍女を任された。
ブラウンロード伯爵家では、なぜか一家のみならず屋敷で働く使用人達のすべてがアッシュのことを嫌悪していた。
アッシュと顔を合わせてすぐにリンリーも「あ、私コイツ嫌いだわ」と感じたのだが、上級使用人を目指す彼女は私情を挟まずに職務に専念することにした。
淡々と世話をしてくれるリンリーに、アッシュは次第に心を開いていった。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる