三年間片思いしていた同級生に振られたら、年上の綺麗なお姉さんにロックオンされた話

羽瀬川ルフレ

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5話 行く

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 ――ピコン!

 メッセージの着信に気づいた俺は、すぐにスマホを操作し始めた。最近の俺はいつもスマホを見えるところにおいていて、何か通知が来ないかを常に気にしている。理由は言うまでもなく、大鳥居さんからのメッセージを待っているから。

『今日いる?』

 届いたメッセージが待っていた相手からのものだったことを確認した俺は、自分の顔がデレっとした締まりのない表情になっていくのを感じた。

『はい、いますよ』

 俺のメッセージに対する大鳥居さんの返信は『行けたら行く!』という文字が入っている可愛らしいスタンプだった。すかさず『OK』の文字が入っているスタンプで返信する。

 やった! 今日も大鳥居さんに会える。最近の彼女は今のように、俺がシフトを入れているかどうかを事前に確認してからお店に来てくれるようになっていた。

 ……言っとくけど別に「ご指名」とかじゃないよ。ただのイタリアンレストランだからな、うちの店は。

 でも大鳥居さんができるだけ俺がバイトに入っている日を選んで来店してくれるようになったのは素直に嬉しい。

 そしてこうやって彼女とメッセージのやりとりができるようになったのもめちゃくちゃ嬉しい。

 あの夜、勇気を出してLINE交換しませんかと言えた俺、よくやった。えらい。マジでえらい。

 連絡先を交換してから「本当にメッセージを送って良いのか」とか「送るとしてもどんな内容のものを送れば良いか」とか「迷惑なんじゃないか」とか「ウザいと思われるんじゃないか」といった数々の不安や迷いに打ち勝って、大胆にメッセージを送り続けたものよかったと思う。

 大鳥居さん、既読になるのも早ければ返信も早かったし、「もしかしたら連絡先を交換しただけで実際にメッセージは送ってもらえないかもって思ってた。毎日のようにLINEしてもらえてすごく嬉しい」とまで言ってくれたし。

 やっぱり勇気を出して行動することが大事だと改めて思った。いいなって思ったらとりあえず押してみるべきなんだよ。

 ……まあ、勇気を出して行動しても、押して押して押しまくっても必ずしもうまくいく訳ではないということは高校三年間の片思いでもう学んだけどね。

 でも過去は過去。前回うまくいかなかったからといって今回もそうなるとは限らない。「えっ、こいつの自己肯定感、高すぎ!?」と思われるかもしれないけど、前回は相手と縁がなかっただけ、今度こそは大丈夫と信じたい。

 だから俺は、さらに勇気を出して次の行動に出ることにした。

『そういえば来週火曜日って祝日じゃないですか』

 ――ピコン!

『えっ? そうだっけ? 完全に忘れてました。やった! お休み~』
『俺、その日はバイト入れてないんですよ』

 ――ピコン!

『えー、残念。じゃあその日は会えないのか…』

 その瞬間、某有名軍師の「今です」というセクシーな声が脳内に直接聞こえてきたような気がした。

『よかったらその日、どこか遊びに行きませんか』

 俺のメッセージはすぐに既読になったものの、そのメッセージに対する返信はそれまでの返信より数秒だけ遅れて届いた。

 ――ピコン!

『行く!!』

 でもその内容は今までの人生で見てきたあらゆる二文字の中でトップ3に入るくらい嬉しい二文字だった。
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