自然魔力とアルモニーア

セツ

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2人の正体

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「スズリナ!」

 置いていかれたニケの驚きと悲しみの声のあと、スズリナは足を止めていた。

  否、止められていた。

 レオシオンが静かにスズリナの腕を掴んでいたのだ。

「なんで!?、さっきは巻き込んでしまったけど、出会ったばっかで元々何の関係もないじゃん!殺されるかもしれないんだよ!?」

「さっきも言っただろ。女の子を守るのが俺たちの役目だって。」

「役目って…、いったい、何の役目なのよ!?」

「俺たちは冒険者だ。困っている人達を助けるためにいる。勅命書を持っていないやつらのこの行動は明らかに度を超えている。だからスズリナを守るんだ。」

「な…でも……」


 まだ納得のいかないスズリナは下を向く。

 そんなスズリナの頭にレオシオンは優しく手を置く。

「心配すんな。死なないから。それに革命者(レポリタン )ほどではないが俺たちにも力はある。」

 スズリナに優しく話しかけると、レオシオンはスズリナの顔を覗き込んだ。

「な?」

 そう言ってレオシオンは笑みを浮かべた。

 近づいた顔にスズリナは一瞬ドキッとし、そこで初めてレオシオンの瞳を見ることができた。

 長い前髪から除く黒い瞳はまっすぐにスズリナを見つめていた。

 レオシオンの目付きはいいものではなかったがまっすぐに見つめてくる綺麗な瞳と、小さく上がっていた目じりに、スズリナに笑いかけてくれていることがわかった。

 そんなレオシオンの優しさにスズリナは浮かんできた涙を必死に堪え、赤くなった顔を隠すように下を向いた。

「うん。」

 スズリナは、レオシオンを信じ小さく頷いたのだった。


 そんな様子を見ていたアドルフは少し眉間に皺を寄せていたが、少し下を向き顔を上げた時には最初に見せた完璧な笑顔に戻っていた。

「はぁ、残念です。せっかく彼女が自らこちらに来てくれそうだったのですが…。」

 そう言うと先程の雷雲より大きな物を自信の上に作り出すと、そこからスズリナ達のいる所まで広く雷雲を広げていった。

 辺りの空一面が黒い雲に囲まれ、周りは暗く包まれる。

「彼女を諭したみたいですが関係ありません。どちらにせよ、連れていかせてもらいます。」

 言葉と同時に放った雷はレオシオンたちに襲いかかった。

 とっさにニケはスズリナの胴体にツルを巻くと自身のところに引き戻す。

 レオシオンは素早く避けるとスズリナ達とは違う方向へ走りまわる。

 走り避けるレオシオンになかなか雷をあてる事が出来ないアドルフは小さく舌打ちをする。

「スズリナは渡さない!絶対だ!!」

 レオシオンの叫びにアドルフさらに苦い顔をするのだった。



8話  fin
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