自然魔力とアルモニーア

セツ

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2人の魔法

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 レオシオンは、狙いを付けることが出来ないようになるべく細かく動き回り続けた。

「逃げているだけでは私に勝つことは出来ませんよ。」

 アドルフは防戦一方のレオシオンの姿に嘲笑う。

 しかし、レオシオンは余裕の表情を見せ続けた。

「そんなこと、言われなくたってわかっているさ…」

 レオシオンは走り続けながら声を張り上げた。

「おい、ハゲオカマ!!いつまで休んでるいるつもりだ!?」

 そんな言葉に体がピクッと反応した人が1人…

「誰がハゲオカマですって!?」

 今まで痺れる腕をおさえていたダイアンは素早く両手で地面に触れる。

「我に応えよ、、天に向かい連なる壁となれ!」

 ダイアンの発せられた言葉に反応するように、レオシオンとアドルフを囲む高い壁が瞬時にできあがった。

「ダイアン、魔力が使えたなんて…」

 壁の外で驚くスズリナとニケにダイアンは笑ってみせる。

「フフ、実は使えるのは私だけじゃなかったりするのよ」

 華麗なウインクをキメてくるダイアンに何も返せず驚きを隠せないままスズリナは見えない壁の内側に思いを馳せた。


 一方その頃、壁の内側でもアドルフがスズリナと同じ反応をしていた。

「驚きました。まさか、先程の彼が魔力使いだとは…」

「だったら、まだまだ驚かせてやるよ。フィールドは整ったからな。」

 意味深な言い方をするレオシオンにアドルフは怪訝そうな顔をする。

 突然魔力を使い壁を作ったことによりアドルフは驚き、攻撃の手を止めていた。

 1度鬼刀をさやに戻すと、素早くレオシオンは髪の毛を結び直した。

 そしてレオシオンは悠々と右手をアドルフのいる方向に向かって伸ばすと静かに言葉を紡ぐ。

「我に応えよ、、真の力を内にし空中に浮かぶ泡となれ」

 その瞬間アドルフとレオシオンの周りには火で出来た泡の様なものがいくつも空中を漂っていた。

 壁の上から差し込む陽の光に反射し、火の泡は幻想的に煌めいていた。

「そんな泡で私が倒せるとでも?」

 嘲笑うアドルフだがレオシオンは余裕を崩さない。

「試してみるといい。」

 イラついたアドルフは立ち止まっているレオシオンに向けて雷を放った。

  雷はレオシオンに向かい一直線に進んでいたがその途中、空中に浮いていた泡の1つにぶつかった。

 その瞬間雷は泡にぶつかった瞬間消え、泡はいきよいよくはじけた。

 割れた時に飛び散った火の粒は他の泡にあたり、その粒はまたはじけた。

 最初は割れる数も少なく、その際に飛び散る火の粒も威力も小さかったが割れては他のにあたり、そして再び割れるのを繰り返す内に、数も威力もどんどんと上がっていっていた。

 初めのうちは避けたり、雷を上手く使い弾いたりしていたアドルフだったが割れる数が多くなるにつれさばききれずに少しずつ怪我をおうようになっていた。

 ダイアンの作った壁のおかげで壁の外の木々やスズリナやダイアン、ニケには何の被害もなかった。

 アドルフが怪我を負う一方、共に壁の中にいるレオシオンに怪我はなかった。

 火の粒が体に触れる瞬間に火の粒が消えていたのだ。

 しばらく泡が割れる連鎖は続き、泡が全て割れた時には2人の勝負はついていた。

 地面に膝をつくアドルフに、もう大丈夫だろうとレオシオンは判断すると壁の外に向かって声を上げた。

「ハゲ!もういいぞ!」

 ハゲって何よ!!という怒声と共に土の壁はみるみる地面に沈んでいった。

 スズリナは沈んだ壁の内側の様子に驚く。

「凄い…ほんとに勝ったの…?」

 しばらく膝をついていたアドルフだったがフラフラと立ち上がる。

 スズリナはとっさに戦闘態勢をとる。

 しかしアドルフはゆっくりとスズリナ達に背中を向けると歩き出した。

「今回は我々が引きましょう。しかし諦めたつもりはありません。いずれまた貴方を迎えに参ります。」

 ダイアンとレオシオンはスズリナの前に庇うようにたつ。

 アドルフは少しだけ振り返り少ない言葉だけ残すとまた体を引きずりながら姿を消した。

 途中目を覚ましていた騎士たちも何も言わずアドルフの後をおい姿を消して行ったのだった。



第9話      fin
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