ある令嬢の半年間

ボンボンP

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         ❖アンナ Side 2

お嬢様の私室は荒された跡があり、ベッドの傍に背の高い男性がいた。
「お待ちしておりました。先生。私はニベルツと申します。今は私がこの屋敷の代理責任者です。」と頭を下げた。

「お嬢様はアントン様が逮捕されたことで取り乱され、将来を悲観されたのか自ら短剣で傷付けられたのです。」
「取り敢えず止血をと思い俺が傷を圧迫しました。」兵士が口を出す。

「私はマレッティー家の主治医でウイズレー・バルモア、こちらは助手のモートンです。先ずはお嬢様の容態を見せてください。」
「私はセルシアナお嬢様の専属メイドで、マレッティー家に15年勤めておりますアンナと申します。」ニベルツ様に頭を下げた。

私も先生と共にお嬢様の傍に行ったのだが、露わになった胸元の首から胸にかけての生々しく血の滲んだ大きな傷を見て悲鳴をあげてしまった。
意識が無いようで白いお顔の中、血がついた唇だけが目立った。

モートンがベッドのそばにテーブルを移動させて医療道具や薬などを並べ始める。
私も出来るだけ冷静になろうと努めた。

「診療を始めるのでお二方は退出願います。」
「いえ、俺も何かお手伝いを。」
兵士が居座ろうとするので先生の眉間に皺が。

「我々、医師が来たのです。ご家族でもないのに妙齢の御令嬢の肌をこれ以上見るつもりですか?失敬ですぞ。大体、御令嬢の私室にメイドも入れず男性お二人がおられるというのはどういうことですかな?問題があると思われないか?」医師は二人を睨んだ。

「気が回りませんでした。申し訳ございません。私どもは別室に移動致します。何かあれば申し付けください。部屋の前に誰か付けておきますので。」
ニベルツがそう言ってやっと2人は出ていった。

お医者様は傷口を丹念に診ていたが「ほぼ血は止まっているようですが、動いたら直ぐに出血するでしょう。」と難しい顔をされた。
洗浄する為に私も手伝って血で汚れたドレスをハサミで切ってお脱がせした。

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