彼氏いない暦22年の私、出会って2ヶ月、異世界で結婚する 

ボンボンP

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私の侍女

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「平民の間ではどうでしょうか?誉れ高い我国の英雄様は国一番の強さを持ちながらとてもとても慈悲深い方で、行く宛のない移民の娘を娶ったと言われるのです。騎士爵様の名声は益々上がるでしょう!でも、ココア様は拾われた憐れな移民の娘です。」

「そうですわね。平民と言ってもココア様を見たら異国の方とすぐに気が付きますから…。」ミランダさんが呟いた。

「騎士爵様に縁談を持ってきた裕福な平民は移民を拾うぐらいなら、自分の娘でも押せばいけると益々躍起になるでしょう。重婚は重罪ですから騎士爵様が離婚されたらすぐにでも釣書が大量に届くでしょうし、ココア様に危害を与えようと狙う者もいるやもしれません。」

「まて、どうして離婚等そんな不穏な事を言うのだ!これから結婚をしようという時に。」

「騎士爵様はご存知ですわよね。離婚の条件を?」
「勿論。子を成したら妻が望めば離婚が叶うということだろう?お前はココアがそうすると思っているのか?」

ランブランさんが立ち上がって声を荒げた。
「お前は私と結婚したらココアが周りの目に耐えられず離婚を選ぶだろうと言いたいんだな?」

私はランブランさんの不安を取り除きたいと思った。
「ベリゼさん。あなたがおっしゃりたいことはよくわかりました。確かに…私の考えが足りませんでした。ランブランさんとの結婚は私が思っていた結婚とは違う気がします。」

ランブランさんは私の方を振り向くととても悲しそうな顔をした。

「この国に来てからまだ、一月程です。外にも出ていませんから世間の事がわかりません。私の知るランブランさんが一体どれほど凄い人なのか正直想像できません。思いが一緒ならそれでいいと思っていました。なので結婚に対する心構え…というか覚悟が足りていませんでした。だからこれからはランブランさんが連れて歩いて恥ずかしくないように、ヒベルニカ夫妻と認めてもらえるように努力しようと思います。」

ランブランさんは私を包むように抱き寄せると耳元で小さくありがとう、と言った。

「それはそれは…気が付いていただけてよかったです。つかぬことをお伺いいたしますが、ココア様のご年齢は?お若く見えますが…。」
「22歳です。」

「あの、初婚でいらっしゃいますか?」
「えっ、勿論です!」

「そうですか。いえ、この国では18歳で結婚する女性が殆どですから。ですと…3年以内にお子ができるように頑張って下さい。それでないと次の結婚が28歳になってしまいます。子どもを産む適齢期は30歳頃迄となりますからね。もしも、次の結婚でも子どもが出来ないとなると孕めない女として縁談が無くなります。その後の身の振り方を…」

「あの、子どもを産まないと離婚なんですか?」
「そうですよ。男性は女性の為に資産を使いますからね、三年たっても子ができないと男性から一方的に離婚できる権利があるのです。特に初婚の男性はそうされますね。次の結婚で子どもを得るために。」

「えっ、酷くないですか?男性の方が種無しとか問題があるかもしれないのに。」

私はいまだランブランさんの腕の中だった。
「ココア、そんなことは考えなくてもいいぞ。私は言っただろう?妻が欲しいと。子どもはその次だと。」
「でも、私に子どもが産めなかったらどうするんですか?」

「私はそれでもいい。ふふふ、ココアが言ったように私が種無しかもしれないだろう?君が種無しなんて言葉を使うとは。それでも、ココアが子どもが欲しいと言ったらば離婚はしないが誰かに頼んで種を…。」

私はランブランさんを押しやって言った。
「私のいた所は、望んで子どもを作らない夫婦もいましたし、子どもが欲しくて出来なかった人達でもお互いを大切にして一生添い遂げる人も多かったです。だから、ランブランさんは私に他の男性に種を貰う何て、金輪際言わないで下さい!私に誰かとそういう事をしろってことですよね?」

「いや、申し訳ない。今の言葉は過ちだ。冗談…にしても酷い言葉だった。ココア、勿論私は誰にも君に触れさせるつもりは無いんだ。ただ、私は君の望みを叶えるために全力を尽くす、そう言いたかった。」

そんな私達を呆れたような目でベリゼさんが見つめていた。
私達がイチャイチャしているのを見かねたエドリにランブランさんが剥がされた。

「余計な心配だったようですね。では。ココア様をお借りして宜しいですか?」


私はベリゼさんとミランダさんに私室に連れて行かれヘアメイクをされた。
確かに…先程のほぼスッピンではドレスが浮いていたけどこの綺麗なブルーのドレスにはちゃんとメイクした方が着てる感が出る。

緩くアップにされた髪にブルーのリボンを入れて編み込んでもらえば断然お嬢様感が出た。
デコルテや見えている肘より下に良い香りのクリームを塗って貰えば隙がなくきちんとした育ちの良い女性に見えた。

「私が言いたかったことは分かりますか?ココア様。」
「はい。よく分かりました。私、元々お化粧が好きではなくてですね…おっしゃる通り美容をさぼっていました。思い出しました。姉がよく言ってたんですよ。化粧は女の気合を入れるため…戦闘服のような物だって。もう一人の姉は化粧がうまくて詐欺メイクでした!」

「詐欺メイク…」
ミランダさんとベリゼさんが笑ったので和やかな良いムードに包まれた。


応接室に戻った私を見てランブランさんもエドリさんも嬉しそうにニコニコしていた。
今まで何も言われなかったけどやっぱり少しでも綺麗な方がいいよね。
自分でも気分が上がるし…


そして…ベリゼさんは私の侍女に決定した。
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