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第3章 エスペルト王国の動乱
15 後始末と伯爵の末路
この場を近衛騎士団に任せて、私は子供達の方へ向かう。
「私のこと、黙っててごめんね。それからルナは大丈夫そう?」
「ルナちゃんは大丈夫そう…です。」
「別に畏まらなくていいわよ?公の場ならともかくこういう時なら誰も見てないし。むしろ今までと同じ感じに、接してくれると助かるわ。」
「ええ…わかったわ。それから助けてくれてありがとう。」
「僕も…あそこから逃げることはできないと思ってたから、本当にありがとう。」
比較的よく話していた、シーラとギルに話しかけると最初は気まずそうにしていたけど、今までと同じように接してくれた。他の子たちとも少し話をして、ルナの様子も確認する。医者に診てもらい薬を飲んだことで大分落ち着いたようだった。顔色も良くなってきていた。今はぐっすりと眠っている。
子供たちは正式に近衛騎士団の預かりとして、しばらくは宿のほうで生活してもらうことになった。その後については、今回の件の補償として領地に償わせることになるだろう。
翌日私は、牢に捕らえられている元伯爵のところにいた。また国軍をアドリアスに任せて、シクスタス司令官も同席している。
「それで、あなたの目的はなにかしら?帝国と繋がっているのか、あるいは別の目的か。」
「…さて、なんでしょうな。」
「正直に言ったほうがいいと思いますけどね。隠していても記憶を覗けばわかりますし…自分から言ったほうが貴族としての誇りくらいは守れると思いますけど?」
「っ!?精神干渉系の魔術は、この国の魔術具にはない!行使できる魔術士も王宮の筆頭魔術士くらいでここには来ないはずです。」
「ええ、そうですね。筆頭魔術士を尋問のためにこちらへ呼ぶことはできません。でも…わたくしが見ればいいだけです。王族の魔術適正は、全属性に対して高いのですから。」
「あなた様が、精神干渉系の魔術を扱えると!?」
精神干渉は闇属性に属する魔術になる。他の属性よりも高度で、制御が難しく消費魔力も桁違いとなっている。少ない魔力を効率的に使うことと、足りない分を他の魔力で代用することを繰り返してきた私の魔力制御は、常に暴走と命の危険を天秤にかけながら身につけたもので、他に追随を許さない。消費魔力も私のほぼ全ての魔力を使えばぎりぎり足りるだろうし、足りなかったとしても他から補えばいいだけである。
ようやく観念したようで、元伯爵は今回の件について話してくれた。
3年ほど前からグランバルド帝国の使者がこちらにきて取引を持ちかけてきたそうだ。
内容は、帝国に情報を流して協力すれば帝国領になった後でもそのまま領主として扱うというものらしい。帝国としても侵略して得た土地を新しく管理するのは面倒なため、もともとの領主が従順な姿勢を見せればそのままにするというのが基本方針のようだ。
最初は撥ねていたが、帝国軍が大規模な動きを見せたことで王国が負けると思い帝国についたらしい。薬物に関しても、帝国から国軍の弱体化のために支持されていたそうだ。
「あなたは、代々この領地を治めてきた貴族でこの領地…特にこの都市の重要性を知っているはずです。この都市が健在であれば、王国が易々と敗れることはないと知っていますよね?」
「…この先、この王国では、いずれどこかに敗れますよ…その時帝国についていた方がいいと思った。それだけです。」
それ以上は、なにも話さなかったため、聴取はここまでにしてお父様へ報告を入れる。
お父様に、通信で1通りの報告を行なった。
「事情はわかった。取調べが終わり次第、王都に護送してくれれば後はこちらで対処する。このまま領主不在となると問題があると思うが、何か案はあるか?」
「そうですね。モーリッド元伯爵の長子は、王都で文官をしていたはずです。彼ならば次期伯爵として、役目を全うできると思います。」
「…セプテンリオ家を潰さずにそのまま残すと?」
「ええ正直な話、連座というものはあまり意味はないと思ってますので。それに、この辺りで例を作っておいた方が後々、自身のためになると思いますけど?」
この国では当主が罪を犯した場合は連座になることが多い。今回の場合だと家の取り潰しとなって、残りの家族全員が平民に落ちることになる。
個人的には犯した罪は当人が償えばいいと思っていた。今回のように、当主が罪を犯しても子息には関係ないことだ。それにお父様には私の皮肉が伝わったようだった。
「っ!?了解した。この件はお前に任せる。それから…帝国との戦況はどうだ?」
「そう遠くないうちに帝国の本隊が攻めて来ると思われますが…この都市は護りますので、ご安心を。全力で迎撃し、帝国軍を撤退ないしは殲滅します。」
こうして報告が終わった。後は、帝国が攻めてきたときに勝利するだけである。
「私のこと、黙っててごめんね。それからルナは大丈夫そう?」
「ルナちゃんは大丈夫そう…です。」
「別に畏まらなくていいわよ?公の場ならともかくこういう時なら誰も見てないし。むしろ今までと同じ感じに、接してくれると助かるわ。」
「ええ…わかったわ。それから助けてくれてありがとう。」
「僕も…あそこから逃げることはできないと思ってたから、本当にありがとう。」
比較的よく話していた、シーラとギルに話しかけると最初は気まずそうにしていたけど、今までと同じように接してくれた。他の子たちとも少し話をして、ルナの様子も確認する。医者に診てもらい薬を飲んだことで大分落ち着いたようだった。顔色も良くなってきていた。今はぐっすりと眠っている。
子供たちは正式に近衛騎士団の預かりとして、しばらくは宿のほうで生活してもらうことになった。その後については、今回の件の補償として領地に償わせることになるだろう。
翌日私は、牢に捕らえられている元伯爵のところにいた。また国軍をアドリアスに任せて、シクスタス司令官も同席している。
「それで、あなたの目的はなにかしら?帝国と繋がっているのか、あるいは別の目的か。」
「…さて、なんでしょうな。」
「正直に言ったほうがいいと思いますけどね。隠していても記憶を覗けばわかりますし…自分から言ったほうが貴族としての誇りくらいは守れると思いますけど?」
「っ!?精神干渉系の魔術は、この国の魔術具にはない!行使できる魔術士も王宮の筆頭魔術士くらいでここには来ないはずです。」
「ええ、そうですね。筆頭魔術士を尋問のためにこちらへ呼ぶことはできません。でも…わたくしが見ればいいだけです。王族の魔術適正は、全属性に対して高いのですから。」
「あなた様が、精神干渉系の魔術を扱えると!?」
精神干渉は闇属性に属する魔術になる。他の属性よりも高度で、制御が難しく消費魔力も桁違いとなっている。少ない魔力を効率的に使うことと、足りない分を他の魔力で代用することを繰り返してきた私の魔力制御は、常に暴走と命の危険を天秤にかけながら身につけたもので、他に追随を許さない。消費魔力も私のほぼ全ての魔力を使えばぎりぎり足りるだろうし、足りなかったとしても他から補えばいいだけである。
ようやく観念したようで、元伯爵は今回の件について話してくれた。
3年ほど前からグランバルド帝国の使者がこちらにきて取引を持ちかけてきたそうだ。
内容は、帝国に情報を流して協力すれば帝国領になった後でもそのまま領主として扱うというものらしい。帝国としても侵略して得た土地を新しく管理するのは面倒なため、もともとの領主が従順な姿勢を見せればそのままにするというのが基本方針のようだ。
最初は撥ねていたが、帝国軍が大規模な動きを見せたことで王国が負けると思い帝国についたらしい。薬物に関しても、帝国から国軍の弱体化のために支持されていたそうだ。
「あなたは、代々この領地を治めてきた貴族でこの領地…特にこの都市の重要性を知っているはずです。この都市が健在であれば、王国が易々と敗れることはないと知っていますよね?」
「…この先、この王国では、いずれどこかに敗れますよ…その時帝国についていた方がいいと思った。それだけです。」
それ以上は、なにも話さなかったため、聴取はここまでにしてお父様へ報告を入れる。
お父様に、通信で1通りの報告を行なった。
「事情はわかった。取調べが終わり次第、王都に護送してくれれば後はこちらで対処する。このまま領主不在となると問題があると思うが、何か案はあるか?」
「そうですね。モーリッド元伯爵の長子は、王都で文官をしていたはずです。彼ならば次期伯爵として、役目を全うできると思います。」
「…セプテンリオ家を潰さずにそのまま残すと?」
「ええ正直な話、連座というものはあまり意味はないと思ってますので。それに、この辺りで例を作っておいた方が後々、自身のためになると思いますけど?」
この国では当主が罪を犯した場合は連座になることが多い。今回の場合だと家の取り潰しとなって、残りの家族全員が平民に落ちることになる。
個人的には犯した罪は当人が償えばいいと思っていた。今回のように、当主が罪を犯しても子息には関係ないことだ。それにお父様には私の皮肉が伝わったようだった。
「っ!?了解した。この件はお前に任せる。それから…帝国との戦況はどうだ?」
「そう遠くないうちに帝国の本隊が攻めて来ると思われますが…この都市は護りますので、ご安心を。全力で迎撃し、帝国軍を撤退ないしは殲滅します。」
こうして報告が終わった。後は、帝国が攻めてきたときに勝利するだけである。
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