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第3章 エスペルト王国の動乱
17 3千VS.3万
帝国兵がこちらに気づき武器を向けて迫ってくるのに対して、銀月を抜いて斬り伏せる。どれくらい長い戦いになるか読めないため、基本的には最低限の身体強化しか使わない。
帝国軍の前列を私たち近接部隊が抑える。司令官率いる後方支援隊は、軍団魔術による大規模の殲滅魔術の準備中だ、鐘2つ分準備に時間がかかるが、帝国兵に大打撃を与える攻撃を成功させるためにも、ここを通すわけには行かなかった。
(消耗は最低限に抑えないといけないけど、帝国兵の士気は一旦下げないと後に響く。1回だけ私の全力を見せてあげるわ!)
私は、一瞬だけ身体強化の出力を上げて跳躍し、敵軍の中に割り込んだ。そして宝石を5つ取り出して魔力を込めて砕く。宝石5つ分の魔力を込めたそれは、最上級を超える魔力を持って炎熱属性の術式を構築した。
超高温まで高めた白く輝く煌炎を柱状にして、私の周囲に3つほど展開し、込めた魔力が尽きるまで自在に移動させることが可能だ。私の周囲を一回転させたあと、煌炎の柱を横にして前方をなぎ払い、炎柱に残っている魔力を使って爆発させた。
帝国兵が慌てて逃げようとするが、爆炎が消えた頃には辺り一帯は焦土と化し、帝国兵はもろとも消え去った…
一方でアドリアスは、少しだけ帝国軍の内側に入り込んで敵を屠り続けていた。家から持ってきた、魔槍アルカナストは持ち主の身体能力を大幅に向上させて、攻撃した瞬間に衝撃を増幅させる力を併せ持つ上級クラスの武器だ。
魔剣や魔槍というのは、上級までは武器に魔術が込められているものを指し、最上級となると魔物の力を込めるなどしたものを指す。アルカナストは昔の高名な魔術士が作り上げた一品で、人の手で作られたものの中では、最も優れている上級に分類される。シクスタス司令官の魔弓やルークス兄妹のもつ武器も同格だ。帝国の将軍が持つ魔剣は、人よりも更に強い存在が作ったとされていて最上級ともいわれている。ラティアーナが持つ夜月も、元々は上級だが進化したことで最上級に匹敵するものなっているだろう。
魔槍アルカナストの1振りで数人の兵が吹き飛ぶが、いくら倒してもキリがなく感じる。
(1人当たり10人とはいえ、一般兵の練度は帝国の方が上だ。何かしら手を打たないとまずいかもしれないな…)
その時、少し離れた位置から白い炎が立ち上がり、続けて爆発が起きる。
(ラティアーナの魔術か!相変わらず、器用な真似をするものだな。…こちらも士気を下げるために、派手な一撃を入れておくか!)
ラティアーナの考えを察して、合わせるために動く。
アルカナストに流す最大魔力をもって増加させ、空気を殴りつけるようにして衝撃を生み出し増幅させる。発生した衝撃波は、大地を削りながらまるで津波のように帝国兵を飲み込んでいく。
(俺は、あまり広範囲の魔術は得意でないからな。これくらいが妥当だろう。)
土埃が止んだ頃には帝国兵は、あらかた吹き飛ばされていた。
そして、ルシウスとアルキオネは2人1組となって戦っていた。
「姫様もアドリアス様もすごいですね。」
「ええ、わたくしたちも負けていられませんね!」
シリウスが魔槍で近づいてきた兵を吹き飛ばし、アルキオネの魔術によって発生したかまいたちによって、戦闘不能になるまで追い込まれていく。
ルークス子爵家は、代々風属性を得意としていて家宝でもあり当主が持つ魔槍ハスフラートは持ち主に風を纏わせることで、戦闘能力の向上と飛行を支援する能力を持つ。風を放出した攻撃は威力はそこまで高くないものの、範囲が広いためこういった、1対多の戦いではかなり有利となる。
また近衛騎士団は2人の近くで3人1組で敵の対処に当たっていた。
近衛騎士団が、通常の国軍と違う点は、騎士の全員が貴族または騎士爵を授かっているもののみで構成されているところだ。そのため所属している騎士は、魔力を扱えるもしくは、それに準ずる強さを持っていることになる。そのため、帝国兵相手にも善戦していた。
更に王国軍の兵士たちは、前衛に剣士や槍を後衛に弓を当てるという、標準的な布陣を敷いていて防衛線上から動かずに、攻めてきた相手を迎え撃つ戦法を取っていた。こちらから攻めると消耗が多く隙が増えるが、防衛戦というこちらが動く必要がない利点を前面に出した形だ。
それにより、練度の高い帝国兵相手でも崩されることなく戦うことができていた。
その状態で戦場の複数の場所で大規模な魔力や熱、衝撃がほどばしる。それによって被害を受けていない帝国兵たちも浮き足立ち、王国軍が優勢にたった。帝国軍が王国軍を消耗させるために物量による殲滅栓を仕掛けており、将軍をはじめとする実力者は後方で待機している。大して王国軍には、余裕がないため最初から総力戦を行っていた。それが今回の戦況を生み出すことになっていた。
とはいっても、帝国軍の総数はまだ1割削った程度のため、まだまだ9倍の戦力差がある。
戦闘開始から鐘2つ分が経過した頃、王国軍の後方から信号弾が撃ち上がった。
「全軍反転!即時離脱!」
信号弾を契機に、王国軍の近接部隊の指揮官から号令がかかる。王国軍は全軍を反転し後退して行く。帝国軍が追いかけようとするが、ラティアーナの放つ魔力の斬撃が、アドリアスの衝撃波が、シリウスの暴風の槍が、アルキオネの竜巻が帝国軍を阻み吹き飛ばしていく。
王国軍がある程度撤退したその時、戦場は霧に包まれた。
帝国軍の前列を私たち近接部隊が抑える。司令官率いる後方支援隊は、軍団魔術による大規模の殲滅魔術の準備中だ、鐘2つ分準備に時間がかかるが、帝国兵に大打撃を与える攻撃を成功させるためにも、ここを通すわけには行かなかった。
(消耗は最低限に抑えないといけないけど、帝国兵の士気は一旦下げないと後に響く。1回だけ私の全力を見せてあげるわ!)
私は、一瞬だけ身体強化の出力を上げて跳躍し、敵軍の中に割り込んだ。そして宝石を5つ取り出して魔力を込めて砕く。宝石5つ分の魔力を込めたそれは、最上級を超える魔力を持って炎熱属性の術式を構築した。
超高温まで高めた白く輝く煌炎を柱状にして、私の周囲に3つほど展開し、込めた魔力が尽きるまで自在に移動させることが可能だ。私の周囲を一回転させたあと、煌炎の柱を横にして前方をなぎ払い、炎柱に残っている魔力を使って爆発させた。
帝国兵が慌てて逃げようとするが、爆炎が消えた頃には辺り一帯は焦土と化し、帝国兵はもろとも消え去った…
一方でアドリアスは、少しだけ帝国軍の内側に入り込んで敵を屠り続けていた。家から持ってきた、魔槍アルカナストは持ち主の身体能力を大幅に向上させて、攻撃した瞬間に衝撃を増幅させる力を併せ持つ上級クラスの武器だ。
魔剣や魔槍というのは、上級までは武器に魔術が込められているものを指し、最上級となると魔物の力を込めるなどしたものを指す。アルカナストは昔の高名な魔術士が作り上げた一品で、人の手で作られたものの中では、最も優れている上級に分類される。シクスタス司令官の魔弓やルークス兄妹のもつ武器も同格だ。帝国の将軍が持つ魔剣は、人よりも更に強い存在が作ったとされていて最上級ともいわれている。ラティアーナが持つ夜月も、元々は上級だが進化したことで最上級に匹敵するものなっているだろう。
魔槍アルカナストの1振りで数人の兵が吹き飛ぶが、いくら倒してもキリがなく感じる。
(1人当たり10人とはいえ、一般兵の練度は帝国の方が上だ。何かしら手を打たないとまずいかもしれないな…)
その時、少し離れた位置から白い炎が立ち上がり、続けて爆発が起きる。
(ラティアーナの魔術か!相変わらず、器用な真似をするものだな。…こちらも士気を下げるために、派手な一撃を入れておくか!)
ラティアーナの考えを察して、合わせるために動く。
アルカナストに流す最大魔力をもって増加させ、空気を殴りつけるようにして衝撃を生み出し増幅させる。発生した衝撃波は、大地を削りながらまるで津波のように帝国兵を飲み込んでいく。
(俺は、あまり広範囲の魔術は得意でないからな。これくらいが妥当だろう。)
土埃が止んだ頃には帝国兵は、あらかた吹き飛ばされていた。
そして、ルシウスとアルキオネは2人1組となって戦っていた。
「姫様もアドリアス様もすごいですね。」
「ええ、わたくしたちも負けていられませんね!」
シリウスが魔槍で近づいてきた兵を吹き飛ばし、アルキオネの魔術によって発生したかまいたちによって、戦闘不能になるまで追い込まれていく。
ルークス子爵家は、代々風属性を得意としていて家宝でもあり当主が持つ魔槍ハスフラートは持ち主に風を纏わせることで、戦闘能力の向上と飛行を支援する能力を持つ。風を放出した攻撃は威力はそこまで高くないものの、範囲が広いためこういった、1対多の戦いではかなり有利となる。
また近衛騎士団は2人の近くで3人1組で敵の対処に当たっていた。
近衛騎士団が、通常の国軍と違う点は、騎士の全員が貴族または騎士爵を授かっているもののみで構成されているところだ。そのため所属している騎士は、魔力を扱えるもしくは、それに準ずる強さを持っていることになる。そのため、帝国兵相手にも善戦していた。
更に王国軍の兵士たちは、前衛に剣士や槍を後衛に弓を当てるという、標準的な布陣を敷いていて防衛線上から動かずに、攻めてきた相手を迎え撃つ戦法を取っていた。こちらから攻めると消耗が多く隙が増えるが、防衛戦というこちらが動く必要がない利点を前面に出した形だ。
それにより、練度の高い帝国兵相手でも崩されることなく戦うことができていた。
その状態で戦場の複数の場所で大規模な魔力や熱、衝撃がほどばしる。それによって被害を受けていない帝国兵たちも浮き足立ち、王国軍が優勢にたった。帝国軍が王国軍を消耗させるために物量による殲滅栓を仕掛けており、将軍をはじめとする実力者は後方で待機している。大して王国軍には、余裕がないため最初から総力戦を行っていた。それが今回の戦況を生み出すことになっていた。
とはいっても、帝国軍の総数はまだ1割削った程度のため、まだまだ9倍の戦力差がある。
戦闘開始から鐘2つ分が経過した頃、王国軍の後方から信号弾が撃ち上がった。
「全軍反転!即時離脱!」
信号弾を契機に、王国軍の近接部隊の指揮官から号令がかかる。王国軍は全軍を反転し後退して行く。帝国軍が追いかけようとするが、ラティアーナの放つ魔力の斬撃が、アドリアスの衝撃波が、シリウスの暴風の槍が、アルキオネの竜巻が帝国軍を阻み吹き飛ばしていく。
王国軍がある程度撤退したその時、戦場は霧に包まれた。
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