222 / 494
第8章 女王の日常と南の国々
45 コーネリアとフィン
しおりを挟む
エデンたちが捕まっていた人たちを逃がし、ラティアーナが追いかけてくる有象無象を相手している頃。
コーネリアはフィンと残りの10人を相手にしていた。
フィンから放たれる風の弾丸を魔術省壁で防ぎつつ、短剣を持って襲い掛かってくる敵を確実に倒していく。
「嬢ちゃんも見かけによらず強いんだな…バラバラじゃ埒が明かない。全員で囲め!」
3人ほど倒したあたりで敵の動きが変わる。バラバラに攻撃するのではなくコーネリアを囲むように移動して同時に襲い掛かるようになった。
「わたくしは他の方みたいに効率よく防御するなんてできません…ですがあなたたちの攻撃を防ぐくらいは造作もないですわ!」
コーネリアの周囲に球状の魔術省壁が展開される。
ガキンと弾くような音がすると同時に敵の短剣の刃が止まった。
「なに!?」
魔術士との戦闘経験が少ない相手は知らないことだが、本来魔術障壁というのは広範囲に展開するものだ。敵の攻撃を安全に防ぐものであり防御範囲は防御対象よりも大きく設定し、攻撃に耐え切れるだけの余裕を見て魔力を込めておくのが普通である。
むしろラティアーナのように、必要最低限の範囲を必要最低限の強度で障壁を展開するほうが特殊だろう。
「わたくしはフィンに用がありますの。あなたたちはそこで眠っていなさい!」
コーネリアは障壁を維持したまま、もう1つの魔術を行使する。頭上に展開した術式が発動し、コーネリアを中心とした広範囲に雷撃が放たれた。
光が収まると周りにいた10人の敵は、体を痙攣させて地面に倒れている。
「はぁ、はぁ……これで残すところは、あなただけですね。フィン」
コーネリアは障壁を解除肩で息をしながらフィンを見上げた。
魔術の同時使用や障壁外での術式の展開に加えて一気に魔力を消費したことにより立っているのも辛い状況だ。けれど気合で疲労を捻じ伏せる。
「そうですね…私を止めたければ殺すつもりできなさい!」
フィンは杖を掲げた。複数の術式が展開され風の弾丸が多数出現する。
「いえ。聞きたいことも言いたい文句も山ほどあります。必ず倒しますわ!」
フィンの放った風の弾丸に対してコーネリアも魔力弾を放つ。互いの弾丸がぶつかり合って、音をさせながら相殺する。コーネリアは魔力弾の生成数を増やしフィンの攻撃を徐々に押し返す。さらに雷撃を地面を這わせるように生み出した。
風魔術によって迎撃が難しい場所への攻撃はフィンにとっても嫌なようで、表情を曇らせて跳躍して避ける。
「流石ですね…侯爵家にふさわしい適性と魔力量。時間もなさそうですし私の全力を持って終わらせましょう」
フィンがラティアーナの方をチラッと見る。
ラティアーナの周りにはたくさんの敵が横たわっていた。所々焦げていたり遠くに吹き飛んだりしたりと死屍累々としている。
最もぼろぼろの状態でこそあるが息はあった。
フィンの杖がコーネリアに向けられる。次いで膨大な魔力が溢れて杖の先に暴風が収束していく。恐らくはフィンの残魔力の全てを込めた一撃。
コーネリアは顔を強張らせて、ふと一息吐く。余計な力を抜きどう切り抜けるか思案する。
フィンの一撃は全魔力を集めているだけありコーネリアの背の高さは超える。そもそも身体強化は最低限扱えるものの、身体能力は高くなかった。従って回避からの反撃という選択肢はない。
同程度の魔力をぶつけて相殺させるという手段もある。しかし高威力の風魔術に同威力の攻撃を当てると攻撃同士が拡散して余波が大きくなる可能性があった。
だからこそコーネリアは、一番安全が高そうな防御をとった。
コーネリアは掌を前に突き出して魔力を集めていく。行使するのは魔術障壁。浅めの器のようにフィンの方向へ反っていて攻撃を受け止めるためのものだ。
「フィン…あなたの全魔力を防ぐことができれば、わたくしの勝ちですわ」
「そうですね。そして私の全力がお嬢様の防御を突破できれば私の勝ちです」
その直後、フィンの全力の一撃とコーネリアの全力の防御。その2つが衝突し大きな音と衝撃を轟かせた。
一方でラティアーナは90人ほどの敵を倒し終わっていた。
残る決着はコーネリアとフィンのみ。
互いに思うところがあるようでコーネリアの身に危険が迫らない限りは手出しするつもりはない。
2人の全力の攻撃と全力の防御。魔力同士が衝突した影響で土煙が漂っているが、少しすると煙が晴れて視界が開ける。そこにはフィンが仰向けに倒れていて、コーネリアが膝を地面に着けて肩で息をしているものの強い目をしていた。
「決着は着いたようね」
「ぎりぎりでしたがなんとか…陛下もご無事ですか?」
「問題ないわ。他の皆も無事衛兵に保護されたみたいね」
王鍵の目を使って外の様子を見る。エデンたちは倉庫から少し離れたところでシリウス率いる衛兵たちに保護されていた。直にこちらにも応援が来るだろう。
私の言葉にコーネリアもほっと胸を撫で下ろした。
「そうですか…全て終わったわけですね」
今にも消えそうな声で呟いたのはフィンだった。魔力枯渇の影響で顔色を悪くしていて身動きが取れないでいる。しかし負けた側にしては晴れ晴れとした表情もしている。
「どうして…わたくし達を裏切ったのですか?」
「お嬢様に話すことなど何もありませんよ…」
コーネリアの問いにフィンは何も答えなかった。そのまま目を閉じてじっとしている。
「フィンなにを!?」
目を開けたフィンは、胸元から短剣を取り出すとそのまま胸に刺そうとする。突然の行動にコーネリアは思わず声を上げて固まった。
私も予想外の行動に驚く。短剣が届く前に弾こうと刀を抜こうとするが、その前にフィンが苦しみ出した。
「ぐっ……自刃する事さえも許さないといく事ですか!?お嬢様離れて!」
フィンから生命力が溢れると、唯々純粋なエネルギーの奔流となって辺り一帯を包み込もうとする。魔力が枯渇しているため生命力だけを用いているようだが、恐らくはフィンの意思ではない強制的な自爆だ。
「フィン!?」
名前を叫んで呆然とするコーネリアを抑えて前に出る。辰月を抜いて高密度のエネルギーの奔流の中心となっている場所を探して刀を刺した。
「っ…!?これでも時間稼ぎしかできないわ…これは一体何なの?あなたは一体何に干渉されているの!?」
魔力を霧散させる辰月であれば術式や魔力の基点を破壊できる。しかし今のように全体の一部しか見えていない場合、エネルギーの流れを抑えることしか出来なかった。
「私のこれは隷属の首輪と同等の呪いですよ…私の命が尽きれば呪いは解けます。ラティアーナ陛下……私に止めを」
フィンは内から溢れる力に苦しみながらもそう言葉にする。
隷属の首輪は闇属性の魔術を刻んだ拘束具だ。奴隷が認められている他国では多く流通しているものとなる。奴隷の売買を禁じているエスペルト王国では、一部の貴族や他国からやってきた人くらいしか持ってはいない。
「そう…初めからそのつもりだったのね。あなたを解放してあげるわ」
コーネリアは涙目になって私たちを見ていた。自爆を止める手段もなく貴族であるが故に私を止めることもできない。
そんなコーネリアを横目に辰月を戻して夜月を手に取る。宝石の1つを砕いて、聖属性の魔術を刀に纏わせた。同時に夜月に魔力を喰わせて刀に眠る力を呼び起こす。
そしてそのままフィンから溢れる力の大元、心臓の部分を刀で突き刺した。
コーネリアはフィンと残りの10人を相手にしていた。
フィンから放たれる風の弾丸を魔術省壁で防ぎつつ、短剣を持って襲い掛かってくる敵を確実に倒していく。
「嬢ちゃんも見かけによらず強いんだな…バラバラじゃ埒が明かない。全員で囲め!」
3人ほど倒したあたりで敵の動きが変わる。バラバラに攻撃するのではなくコーネリアを囲むように移動して同時に襲い掛かるようになった。
「わたくしは他の方みたいに効率よく防御するなんてできません…ですがあなたたちの攻撃を防ぐくらいは造作もないですわ!」
コーネリアの周囲に球状の魔術省壁が展開される。
ガキンと弾くような音がすると同時に敵の短剣の刃が止まった。
「なに!?」
魔術士との戦闘経験が少ない相手は知らないことだが、本来魔術障壁というのは広範囲に展開するものだ。敵の攻撃を安全に防ぐものであり防御範囲は防御対象よりも大きく設定し、攻撃に耐え切れるだけの余裕を見て魔力を込めておくのが普通である。
むしろラティアーナのように、必要最低限の範囲を必要最低限の強度で障壁を展開するほうが特殊だろう。
「わたくしはフィンに用がありますの。あなたたちはそこで眠っていなさい!」
コーネリアは障壁を維持したまま、もう1つの魔術を行使する。頭上に展開した術式が発動し、コーネリアを中心とした広範囲に雷撃が放たれた。
光が収まると周りにいた10人の敵は、体を痙攣させて地面に倒れている。
「はぁ、はぁ……これで残すところは、あなただけですね。フィン」
コーネリアは障壁を解除肩で息をしながらフィンを見上げた。
魔術の同時使用や障壁外での術式の展開に加えて一気に魔力を消費したことにより立っているのも辛い状況だ。けれど気合で疲労を捻じ伏せる。
「そうですね…私を止めたければ殺すつもりできなさい!」
フィンは杖を掲げた。複数の術式が展開され風の弾丸が多数出現する。
「いえ。聞きたいことも言いたい文句も山ほどあります。必ず倒しますわ!」
フィンの放った風の弾丸に対してコーネリアも魔力弾を放つ。互いの弾丸がぶつかり合って、音をさせながら相殺する。コーネリアは魔力弾の生成数を増やしフィンの攻撃を徐々に押し返す。さらに雷撃を地面を這わせるように生み出した。
風魔術によって迎撃が難しい場所への攻撃はフィンにとっても嫌なようで、表情を曇らせて跳躍して避ける。
「流石ですね…侯爵家にふさわしい適性と魔力量。時間もなさそうですし私の全力を持って終わらせましょう」
フィンがラティアーナの方をチラッと見る。
ラティアーナの周りにはたくさんの敵が横たわっていた。所々焦げていたり遠くに吹き飛んだりしたりと死屍累々としている。
最もぼろぼろの状態でこそあるが息はあった。
フィンの杖がコーネリアに向けられる。次いで膨大な魔力が溢れて杖の先に暴風が収束していく。恐らくはフィンの残魔力の全てを込めた一撃。
コーネリアは顔を強張らせて、ふと一息吐く。余計な力を抜きどう切り抜けるか思案する。
フィンの一撃は全魔力を集めているだけありコーネリアの背の高さは超える。そもそも身体強化は最低限扱えるものの、身体能力は高くなかった。従って回避からの反撃という選択肢はない。
同程度の魔力をぶつけて相殺させるという手段もある。しかし高威力の風魔術に同威力の攻撃を当てると攻撃同士が拡散して余波が大きくなる可能性があった。
だからこそコーネリアは、一番安全が高そうな防御をとった。
コーネリアは掌を前に突き出して魔力を集めていく。行使するのは魔術障壁。浅めの器のようにフィンの方向へ反っていて攻撃を受け止めるためのものだ。
「フィン…あなたの全魔力を防ぐことができれば、わたくしの勝ちですわ」
「そうですね。そして私の全力がお嬢様の防御を突破できれば私の勝ちです」
その直後、フィンの全力の一撃とコーネリアの全力の防御。その2つが衝突し大きな音と衝撃を轟かせた。
一方でラティアーナは90人ほどの敵を倒し終わっていた。
残る決着はコーネリアとフィンのみ。
互いに思うところがあるようでコーネリアの身に危険が迫らない限りは手出しするつもりはない。
2人の全力の攻撃と全力の防御。魔力同士が衝突した影響で土煙が漂っているが、少しすると煙が晴れて視界が開ける。そこにはフィンが仰向けに倒れていて、コーネリアが膝を地面に着けて肩で息をしているものの強い目をしていた。
「決着は着いたようね」
「ぎりぎりでしたがなんとか…陛下もご無事ですか?」
「問題ないわ。他の皆も無事衛兵に保護されたみたいね」
王鍵の目を使って外の様子を見る。エデンたちは倉庫から少し離れたところでシリウス率いる衛兵たちに保護されていた。直にこちらにも応援が来るだろう。
私の言葉にコーネリアもほっと胸を撫で下ろした。
「そうですか…全て終わったわけですね」
今にも消えそうな声で呟いたのはフィンだった。魔力枯渇の影響で顔色を悪くしていて身動きが取れないでいる。しかし負けた側にしては晴れ晴れとした表情もしている。
「どうして…わたくし達を裏切ったのですか?」
「お嬢様に話すことなど何もありませんよ…」
コーネリアの問いにフィンは何も答えなかった。そのまま目を閉じてじっとしている。
「フィンなにを!?」
目を開けたフィンは、胸元から短剣を取り出すとそのまま胸に刺そうとする。突然の行動にコーネリアは思わず声を上げて固まった。
私も予想外の行動に驚く。短剣が届く前に弾こうと刀を抜こうとするが、その前にフィンが苦しみ出した。
「ぐっ……自刃する事さえも許さないといく事ですか!?お嬢様離れて!」
フィンから生命力が溢れると、唯々純粋なエネルギーの奔流となって辺り一帯を包み込もうとする。魔力が枯渇しているため生命力だけを用いているようだが、恐らくはフィンの意思ではない強制的な自爆だ。
「フィン!?」
名前を叫んで呆然とするコーネリアを抑えて前に出る。辰月を抜いて高密度のエネルギーの奔流の中心となっている場所を探して刀を刺した。
「っ…!?これでも時間稼ぎしかできないわ…これは一体何なの?あなたは一体何に干渉されているの!?」
魔力を霧散させる辰月であれば術式や魔力の基点を破壊できる。しかし今のように全体の一部しか見えていない場合、エネルギーの流れを抑えることしか出来なかった。
「私のこれは隷属の首輪と同等の呪いですよ…私の命が尽きれば呪いは解けます。ラティアーナ陛下……私に止めを」
フィンは内から溢れる力に苦しみながらもそう言葉にする。
隷属の首輪は闇属性の魔術を刻んだ拘束具だ。奴隷が認められている他国では多く流通しているものとなる。奴隷の売買を禁じているエスペルト王国では、一部の貴族や他国からやってきた人くらいしか持ってはいない。
「そう…初めからそのつもりだったのね。あなたを解放してあげるわ」
コーネリアは涙目になって私たちを見ていた。自爆を止める手段もなく貴族であるが故に私を止めることもできない。
そんなコーネリアを横目に辰月を戻して夜月を手に取る。宝石の1つを砕いて、聖属性の魔術を刀に纏わせた。同時に夜月に魔力を喰わせて刀に眠る力を呼び起こす。
そしてそのままフィンから溢れる力の大元、心臓の部分を刀で突き刺した。
5
あなたにおすすめの小説
ぽっちゃり女子の異世界人生
猫目 しの
ファンタジー
大抵のトリップ&転生小説は……。
最強主人公はイケメンでハーレム。
脇役&巻き込まれ主人公はフツメンフツメン言いながらも実はイケメンでモテる。
落ちこぼれ主人公は可愛い系が多い。
=主人公は男でも女でも顔が良い。
そして、ハンパなく強い。
そんな常識いりませんっ。
私はぽっちゃりだけど普通に生きていたい。
【エブリスタや小説家になろうにも掲載してます】
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
生贄公爵と蛇の王
荒瀬ヤヒロ
ファンタジー
妹に婚約者を奪われ、歳の離れた女好きに嫁がされそうになったことに反発し家を捨てたレイチェル。彼女が向かったのは「蛇に呪われた公爵」が住む離宮だった。
「お願いします、私と結婚してください!」
「はあ?」
幼い頃に蛇に呪われたと言われ「生贄公爵」と呼ばれて人目に触れないように離宮で暮らしていた青年ヴェンディグ。
そこへ飛び込んできた侯爵令嬢にいきなり求婚され、成り行きで婚約することに。
しかし、「蛇に呪われた生贄公爵」には、誰も知らない秘密があった。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――
竜皇女と呼ばれた娘
Aoi
ファンタジー
この世に生を授かり間もなくして捨てられしまった赤子は洞窟を棲み処にしていた竜イグニスに拾われヴァイオレットと名づけられ育てられた
ヴァイオレットはイグニスともう一頭の竜バシリッサの元でスクスクと育ち十六の歳になる
その歳まで人間と交流する機会がなかったヴァイオレットは友達を作る為に学校に通うことを望んだ
国で一番のグレディス魔法学校の入学試験を受け無事入学を果たし念願の友達も作れて順風満帆な生活を送っていたが、ある日衝撃の事実を告げられ……
転生『悪役』公爵令嬢はやり直し人生で楽隠居を目指す
RINFAM
ファンタジー
なんの罰ゲームだ、これ!!!!
あああああ!!!
本当ならあと数年で年金ライフが送れたはずなのに!!
そのために国民年金の他に利率のいい個人年金も掛け、さらに少ない給料の中からちまちまと老後の生活費を貯めてきたと言うのに!!!!
一銭も貰えないまま人生終わるだなんて、あんまりです神様仏様あああ!!
かくなる上はこのやり直し転生人生で、前世以上に楽して暮らせる隠居生活を手に入れなければ。
年金受給前に死んでしまった『心は常に18歳』な享年62歳の初老女『成瀬裕子』はある日突然死しファンタジー世界で公爵令嬢に転生!!しかし、数年後に待っていた年金生活を夢見ていた彼女は、やり直し人生で再び若いままでの楽隠居生活を目指すことに。
4コマ漫画版もあります。
拾われ子のスイ
蒼居 夜燈
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞 奨励賞】
記憶にあるのは、自分を見下ろす紅い眼の男と、母親の「出ていきなさい」という怒声。
幼いスイは故郷から遠く離れた西大陸の果てに、ドラゴンと共に墜落した。
老夫婦に拾われたスイは墜落から七年後、二人の逝去をきっかけに養祖父と同じハンターとして生きていく為に旅に出る。
――紅い眼の男は誰なのか、母は自分を本当に捨てたのか。
スイは、故郷を探す事を決める。真実を知る為に。
出会いと別れを繰り返し、命懸けの戦いを繰り返し、喜びと悲しみを繰り返す。
清濁が混在する世界に、スイは何を見て何を思い、何を選ぶのか。
これは、ひとりの少女が世界と己を知りながら成長していく物語。
※週2回(木・日)更新。
※誤字脱字報告に関しては感想とは異なる為、修正が済み次第削除致します。ご容赦ください。
※カクヨム様にて先行公開(登場人物紹介はアルファポリス様でのみ掲載)
※表紙画像、その他キャラクターのイメージ画像はAIイラストアプリで作成したものです。再現不足で色彩の一部が作中描写とは異なります。
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる