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第12章 私を見つけるための旅
8 シャスタニア公王との謁見
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「公都が見えてきましたね……もうそろそろ降りますよ」
陽が高くなりかけた頃。
ボルテの言葉に促されて視線を向けると一つの大きな街が見えてきた。
「出発した街と比べて色が多いというか……造りが違うのですね」
巨大な山の麓にある石造りも街。白亜を基本としつつも色レンガなどによって他の街よりも鮮やかな造りをしていた。街の周囲は円状に石の壁に囲われていて荘厳さと堅牢さを示しているようにも感じる。
「シャスタニアは多種族が共存する国ですからね。他の街は主となる種族の特徴が出ますが公都やいくつかの街は様々な文化が混ざり合った造りになっています」
「私たちはどこに向かっているのですか?」
「霊峰の麓に広がる王の大地……シャスタニアの中枢である公城にあるワイバーン専用の発着地です」
「城が奥にあるのは珍しいですね」
どこの国も基本的な街の作り方は似ていて、城などの重要な場所を中心に円や多角形の壁で囲まれている場所が多い。
けれど、ここの場合は囲いのある端側。霊峰との境界部分に城があるようだ。
「シャスタニアも国ですが獣人国全体でも国として存在しますから。人間族にとっては物珍しいかも知れません」
獣人国家はシャスタニアなどようないくつもの国が集まって一つの国としても存在しているらしい。ただ連邦制のようなものと言うよりは連合のようなものが近いそうだ。
全ての獣人国を纏める獣王や騎士、文官などは各々の国から均等に選出される。
だが、獣王から獣人国へ働きかけることはないらしい。
あくまで国同士のバランスを保ち獣人国同士の争いを仲裁するためのものだそうだ。
「さて。今から降りますからしっかりと掴まっていてくださいね」
ボルテはそう言うとワイバーンの高度を徐々に落としていく。そして速度を維持したまま城の中にある高台へと降り立った。
次いで紫陽や黒羽が乗っていたワイバーン、戦士団のワイバーンと順に着陸し、最後にルークが操るワーバーンが物凄い勢いで着陸した。あまりの衝撃に揺れが足元に伝わってくるほどだ。
「豪快な着地ですね……」
「久しぶりの長距離飛行でこいつのテンションもかなり高かったようだな!」
ルークは「ははは」と大きな笑い声を上げてワイバーンのほうを見る。どうやらワイバーンの鳴き声から気持ちを感じ取っているらしくパシパシと背中を叩いていた。
私にはワイバーンの表情を見ても理解できないが心なしか嬉しそうにしているように見える。
「もうそろそろ行きますよ。あと少しで謁見の時間です。ルーク様も行かなければならないでしょう?」
「そうだな。では先に行っているぞ」
今回の謁見は王との対面することになるが領主や大臣のような有力者なども集まっているそうだ。当然ルークも同席することになる。
私たちはルークを見送った後、ボルテに案内される形で城の中に入った。先ほどルークが向かった区画とは別で来賓用の区画を通ることになる。
城の造りとしては私たちがよく知るものと大きく変わるところはない。
強いて言うならば絵画や壺のような美術品などがないくらいだろう。装飾の少ない非常にシンプルなデザインだ。
「そういえば謁見の作法ってどうなっているの?」
「そうですね。私たちも獣人国の作法は知らないので桜花皇国の作法に合わせますが……問答自体は私と黒羽で行いますから作法だけ合わせてもらええればいいと思います」
「ティアなら大丈夫だろう。基本は変わらないし言われたとおりに動くだけだからな」
場合によっては相手の国の作法にあわせることもあるため少し不安だった。だが、二人も詳しくは知らないようだった。となると二人が慣れ親しんだ桜花皇国の作法となるので少しだけ安堵する。
二人の動きを見てきたためある程度把握している。もちろん全てではないが、私が知る大陸南部の所作を基本としつつも、いくつかの国の所作が取り入れて進化させたようなもの。
その場で見てあわせるくらいなら造作もない。
「わかった。二人に任せるね」
私の言葉に紫陽と黒羽の二人は笑顔で頷いてくれた。
そして、話しているうちに玉座の間の正面に辿り着いた。
扉の両隣には強そうな獣人の戦士が待ち構えていて私たちのことを無表情に見ている。
「陛下はお待ちだ。入りなさい」
しばらくして扉の外に居る戦士から声が掛かけられて玉座の間の扉が開かれた。
部屋の中は長い絨毯が敷かれていて奥には玉座が存在して公王と思わしき小柄な女性が座っていて隣には護衛と思われる男性が立っている。
公王は一見すると少女のような外見だ。細かい部分を見ると獣人だと分かるが全体的には人間とそう変わらない。聞いた話では鳥人族ということだがルークと同様に翼を持たないタイプなのだろう。けれど、実力のほうは相当なようで隙はなさそうだった。意外なことに魔力もそれなりに持っているらしい。
そして、もう一人の護衛も青年と言った感じで逞しい体つきをしている。こちらも全体的には人間とそう変わらないので種族までは分からないが武人といった印象だ。魔力もそれなりに持っているようだった。
「三人とも前に」
私たちは護衛の言葉に従って前へ進む。両端には様々な獣人たちが立ち並んでいて皆の視線が一斉に私たちに向いた。
「ほう?あれが桜花皇国の……」
「話には聞いたことがあるが巫女だったか?」
「どのような人物か見ものだな」
「もう一人など幼子じゃないか。陛下が面会する必要があるのか?」
小声ではあるが隠すつもりもないようで周りの様々な声が聞こえてくる。忌避されているわけではなさそうだが歓迎されているわけでもなさそうだった。
どちらかと言うと私達を見極めるような探るような視線が多い。
所定の場所まで進むと一礼して跪いた。
「三人とも顔を上げなさい。そして、直答を許しましょう……私は公国シャスタニアの王。カルラ。あなたたちと話せることを楽しみにしていました」
「私は桜花皇国の巫女である紫陽と申します。右にいるのが巫女付きの黒羽。左にいるのが友人であるティアです」
「辺境の集落では商人たちによる流通がありますから桜花皇国のことも多少は把握しています。もちろん巫女がどういう立場かも。今回のドルバイド帝国の勢力の件……ルークより先んじて話は聞いています。私としても帝国の問題は放置できませんから桜花皇国との協力体制には反対はありません」
カルラの言葉に周りに居た人々が息を呑む。話の詳細を知っていたのはルークを始めとするごく一部だけだったらしく「陛下!?」と驚く声もちらほらと聞こえていた。
「陛下……お言葉ですが人間族と協力をするなど他国への示しがつきませんぞ。我々とて誰構わず敵対するとは申しません。ただ、いきなり協力まで行かなくてもいいのではありませんか?」
「大臣。私も当初はそのように考えていました。帝国を始めとする国が強大だとしても我が戦士団を持ってすれば勝てないわけじゃありません。戦士団の隊長たちなら帝国の最高戦力とも互角以上に戦えるでしょうし、場合によっては獣王率いる連合軍と構成することもできますから」
「でしたら!?」
「ですが、それは数年前までの話です。南ではドルバイド帝国の動きが活発になり、北ではグランバルド帝国が動きを見せています。そこに追い討ちをかけるように勇者の召喚がありました……勇者の強大さは我々も感じ取っているでしょう?」
カルラとしても反対意見があるのは承知の上だろう。だからこそ、一部の間で話を通した状態でこの場を設けたわけだ。反対意見が出たとしても謁見の形式上、王の言葉に大々的に反論することができない。精々できるのが大臣が行った具申程度だが、カルラの言葉にはすぐに言葉を返すことができず「ぐっ……」と口を閉じる。
カルラの言葉に反論できる人はいないようだった。ざわめきが静まって玉座の間が静寂に包まれる。
「異論はないようですね?ではルーク。元はあなたが持ってきた話です。ルークが主体となって進めなさい」
「かしこまりました」
飄々としていて豪快なところもあるルークだが公式の場では礼儀正しく振舞えるようだった。私達に見せた態度と別人のようで少しだけ面白く感じるも無事に謁見を乗り越えられそうでほっと胸を撫で下ろしたい気分になる。
その後は私もよく知るような通常の謁見のようなものだった。カルラがいくつか問いかけて、それを紫陽が答える。
そして、30分くらい話したところで無事に終了となった。
謁見の終えた私たちは城の客室のようなところに通される。そこでルークが戻ってくるのを待つことになると思っていると一人の侍従が声をかけてきた。
「紫陽様、黒羽様。使者団について話があるとのことでルーク様たちがこちらに参られます。それからティア様。あなたについては陛下が話しがあるとのことで別室までお越しください」
どうやら謁見はまだ終わっていないようだった。
陽が高くなりかけた頃。
ボルテの言葉に促されて視線を向けると一つの大きな街が見えてきた。
「出発した街と比べて色が多いというか……造りが違うのですね」
巨大な山の麓にある石造りも街。白亜を基本としつつも色レンガなどによって他の街よりも鮮やかな造りをしていた。街の周囲は円状に石の壁に囲われていて荘厳さと堅牢さを示しているようにも感じる。
「シャスタニアは多種族が共存する国ですからね。他の街は主となる種族の特徴が出ますが公都やいくつかの街は様々な文化が混ざり合った造りになっています」
「私たちはどこに向かっているのですか?」
「霊峰の麓に広がる王の大地……シャスタニアの中枢である公城にあるワイバーン専用の発着地です」
「城が奥にあるのは珍しいですね」
どこの国も基本的な街の作り方は似ていて、城などの重要な場所を中心に円や多角形の壁で囲まれている場所が多い。
けれど、ここの場合は囲いのある端側。霊峰との境界部分に城があるようだ。
「シャスタニアも国ですが獣人国全体でも国として存在しますから。人間族にとっては物珍しいかも知れません」
獣人国家はシャスタニアなどようないくつもの国が集まって一つの国としても存在しているらしい。ただ連邦制のようなものと言うよりは連合のようなものが近いそうだ。
全ての獣人国を纏める獣王や騎士、文官などは各々の国から均等に選出される。
だが、獣王から獣人国へ働きかけることはないらしい。
あくまで国同士のバランスを保ち獣人国同士の争いを仲裁するためのものだそうだ。
「さて。今から降りますからしっかりと掴まっていてくださいね」
ボルテはそう言うとワイバーンの高度を徐々に落としていく。そして速度を維持したまま城の中にある高台へと降り立った。
次いで紫陽や黒羽が乗っていたワイバーン、戦士団のワイバーンと順に着陸し、最後にルークが操るワーバーンが物凄い勢いで着陸した。あまりの衝撃に揺れが足元に伝わってくるほどだ。
「豪快な着地ですね……」
「久しぶりの長距離飛行でこいつのテンションもかなり高かったようだな!」
ルークは「ははは」と大きな笑い声を上げてワイバーンのほうを見る。どうやらワイバーンの鳴き声から気持ちを感じ取っているらしくパシパシと背中を叩いていた。
私にはワイバーンの表情を見ても理解できないが心なしか嬉しそうにしているように見える。
「もうそろそろ行きますよ。あと少しで謁見の時間です。ルーク様も行かなければならないでしょう?」
「そうだな。では先に行っているぞ」
今回の謁見は王との対面することになるが領主や大臣のような有力者なども集まっているそうだ。当然ルークも同席することになる。
私たちはルークを見送った後、ボルテに案内される形で城の中に入った。先ほどルークが向かった区画とは別で来賓用の区画を通ることになる。
城の造りとしては私たちがよく知るものと大きく変わるところはない。
強いて言うならば絵画や壺のような美術品などがないくらいだろう。装飾の少ない非常にシンプルなデザインだ。
「そういえば謁見の作法ってどうなっているの?」
「そうですね。私たちも獣人国の作法は知らないので桜花皇国の作法に合わせますが……問答自体は私と黒羽で行いますから作法だけ合わせてもらええればいいと思います」
「ティアなら大丈夫だろう。基本は変わらないし言われたとおりに動くだけだからな」
場合によっては相手の国の作法にあわせることもあるため少し不安だった。だが、二人も詳しくは知らないようだった。となると二人が慣れ親しんだ桜花皇国の作法となるので少しだけ安堵する。
二人の動きを見てきたためある程度把握している。もちろん全てではないが、私が知る大陸南部の所作を基本としつつも、いくつかの国の所作が取り入れて進化させたようなもの。
その場で見てあわせるくらいなら造作もない。
「わかった。二人に任せるね」
私の言葉に紫陽と黒羽の二人は笑顔で頷いてくれた。
そして、話しているうちに玉座の間の正面に辿り着いた。
扉の両隣には強そうな獣人の戦士が待ち構えていて私たちのことを無表情に見ている。
「陛下はお待ちだ。入りなさい」
しばらくして扉の外に居る戦士から声が掛かけられて玉座の間の扉が開かれた。
部屋の中は長い絨毯が敷かれていて奥には玉座が存在して公王と思わしき小柄な女性が座っていて隣には護衛と思われる男性が立っている。
公王は一見すると少女のような外見だ。細かい部分を見ると獣人だと分かるが全体的には人間とそう変わらない。聞いた話では鳥人族ということだがルークと同様に翼を持たないタイプなのだろう。けれど、実力のほうは相当なようで隙はなさそうだった。意外なことに魔力もそれなりに持っているらしい。
そして、もう一人の護衛も青年と言った感じで逞しい体つきをしている。こちらも全体的には人間とそう変わらないので種族までは分からないが武人といった印象だ。魔力もそれなりに持っているようだった。
「三人とも前に」
私たちは護衛の言葉に従って前へ進む。両端には様々な獣人たちが立ち並んでいて皆の視線が一斉に私たちに向いた。
「ほう?あれが桜花皇国の……」
「話には聞いたことがあるが巫女だったか?」
「どのような人物か見ものだな」
「もう一人など幼子じゃないか。陛下が面会する必要があるのか?」
小声ではあるが隠すつもりもないようで周りの様々な声が聞こえてくる。忌避されているわけではなさそうだが歓迎されているわけでもなさそうだった。
どちらかと言うと私達を見極めるような探るような視線が多い。
所定の場所まで進むと一礼して跪いた。
「三人とも顔を上げなさい。そして、直答を許しましょう……私は公国シャスタニアの王。カルラ。あなたたちと話せることを楽しみにしていました」
「私は桜花皇国の巫女である紫陽と申します。右にいるのが巫女付きの黒羽。左にいるのが友人であるティアです」
「辺境の集落では商人たちによる流通がありますから桜花皇国のことも多少は把握しています。もちろん巫女がどういう立場かも。今回のドルバイド帝国の勢力の件……ルークより先んじて話は聞いています。私としても帝国の問題は放置できませんから桜花皇国との協力体制には反対はありません」
カルラの言葉に周りに居た人々が息を呑む。話の詳細を知っていたのはルークを始めとするごく一部だけだったらしく「陛下!?」と驚く声もちらほらと聞こえていた。
「陛下……お言葉ですが人間族と協力をするなど他国への示しがつきませんぞ。我々とて誰構わず敵対するとは申しません。ただ、いきなり協力まで行かなくてもいいのではありませんか?」
「大臣。私も当初はそのように考えていました。帝国を始めとする国が強大だとしても我が戦士団を持ってすれば勝てないわけじゃありません。戦士団の隊長たちなら帝国の最高戦力とも互角以上に戦えるでしょうし、場合によっては獣王率いる連合軍と構成することもできますから」
「でしたら!?」
「ですが、それは数年前までの話です。南ではドルバイド帝国の動きが活発になり、北ではグランバルド帝国が動きを見せています。そこに追い討ちをかけるように勇者の召喚がありました……勇者の強大さは我々も感じ取っているでしょう?」
カルラとしても反対意見があるのは承知の上だろう。だからこそ、一部の間で話を通した状態でこの場を設けたわけだ。反対意見が出たとしても謁見の形式上、王の言葉に大々的に反論することができない。精々できるのが大臣が行った具申程度だが、カルラの言葉にはすぐに言葉を返すことができず「ぐっ……」と口を閉じる。
カルラの言葉に反論できる人はいないようだった。ざわめきが静まって玉座の間が静寂に包まれる。
「異論はないようですね?ではルーク。元はあなたが持ってきた話です。ルークが主体となって進めなさい」
「かしこまりました」
飄々としていて豪快なところもあるルークだが公式の場では礼儀正しく振舞えるようだった。私達に見せた態度と別人のようで少しだけ面白く感じるも無事に謁見を乗り越えられそうでほっと胸を撫で下ろしたい気分になる。
その後は私もよく知るような通常の謁見のようなものだった。カルラがいくつか問いかけて、それを紫陽が答える。
そして、30分くらい話したところで無事に終了となった。
謁見の終えた私たちは城の客室のようなところに通される。そこでルークが戻ってくるのを待つことになると思っていると一人の侍従が声をかけてきた。
「紫陽様、黒羽様。使者団について話があるとのことでルーク様たちがこちらに参られます。それからティア様。あなたについては陛下が話しがあるとのことで別室までお越しください」
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