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第一章
3話
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温かくも冷たいくもない空間。景色は黒くて夢のよう。
そんな場所、私は目覚めた。
何に遭ったか覚えていないけれど、ここには誰も居なくて寂しい所だと思う。感覚も鈍くなったようで、腕を触ってもあまり感じない。
あれ? 私って。
脳裏に光景が広がる。そこは道。明るい車のヘッドライトと、赤く点滅するサイレン。視界には、あらぬ方向に曲がった手首と、赤黒くなった白い肌。視界にの端に蠢く赤い物。それが血液だという事に、気づく時間なんて要らない。
「私、死んだんだ」
そう呟く。だけど声は出ない。
壊れた手首は、元通りにも取っていて、痛みもない。
ただ、心臓から通じる管は、いつの間にか全て消えていた。脈なんてない。体温なんてない。
空には空と呼べる物はなくて、代わりにステンドグラスが貼ってあった。赤と緑と青の光り。それは幻想的としか言えない。
「生きてる時に、君と見たかった」
概念ばかりが流れ出た。私を構成するものばかりが、溶けていく。悔しさ、嫉妬、楽しい、悲しい、ポジティブ、そんな感情達。概念ってなんだろうか?
思い出せない。出したくない。何も要らない。ただ、赤い色のえ液体と、赤い色の君がほしい。
会いたい。会いたい。
重力を忘れた宇宙船みたいに、宙に舞う私の体。それは体とは言えない物で、私を構成する概念の塊。
会いたいでも、誰に会いたいんだっけ?
そんな場所、私は目覚めた。
何に遭ったか覚えていないけれど、ここには誰も居なくて寂しい所だと思う。感覚も鈍くなったようで、腕を触ってもあまり感じない。
あれ? 私って。
脳裏に光景が広がる。そこは道。明るい車のヘッドライトと、赤く点滅するサイレン。視界には、あらぬ方向に曲がった手首と、赤黒くなった白い肌。視界にの端に蠢く赤い物。それが血液だという事に、気づく時間なんて要らない。
「私、死んだんだ」
そう呟く。だけど声は出ない。
壊れた手首は、元通りにも取っていて、痛みもない。
ただ、心臓から通じる管は、いつの間にか全て消えていた。脈なんてない。体温なんてない。
空には空と呼べる物はなくて、代わりにステンドグラスが貼ってあった。赤と緑と青の光り。それは幻想的としか言えない。
「生きてる時に、君と見たかった」
概念ばかりが流れ出た。私を構成するものばかりが、溶けていく。悔しさ、嫉妬、楽しい、悲しい、ポジティブ、そんな感情達。概念ってなんだろうか?
思い出せない。出したくない。何も要らない。ただ、赤い色のえ液体と、赤い色の君がほしい。
会いたい。会いたい。
重力を忘れた宇宙船みたいに、宙に舞う私の体。それは体とは言えない物で、私を構成する概念の塊。
会いたいでも、誰に会いたいんだっけ?
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