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終わり
破壊
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「ねぇ。翔太。お願いがあるんだけどいいかな?」
「ずっと前から好きでした。付き合ってください!!」
あの日の放課後、誰もいなくなった教室で憧れの人から告白された。
私は、半信半疑の状態でそれを受け入れた。誰かに脅されて、告白したのでは無いか。そんな思想が頭の片隅にあった。
だが、そんな無謀な思想はすぐに打ち消された。
二人きりの部屋、貴方は私の手を握っては、一切離そうとはしなかった。ハグをしては、十分は離さない。
本当に、貴方は私のことが好き。そう思うと、裏に何かがあろうがどうでも良くなった。
私がベットに横たわれば、貴方も横たわり、甘えてきた。そんな姿はいつもは凛々しく格好いい貴方とは対照的で可愛く思えた。
甘い空間を味わい続ければ当然、心は満たされる。そう思っていた。しかし、何かが引っかかっていた。
キスをした時、何かがわかった。私は貴方にめちゃくちゃにされたい。動けないほど、この世に戻れないほどにめちゃくちゃにされたい。きっと、私は貴方と混ざった時、貴方に舌を噛まれたかったのだろうが、無論貴方は噛まなかった。
心に穴が開く。甘い蜜が垂れ流れる。
そんな時、貴方は言った。
「この世からいなくなりたい。こんな暴力で支配された世界から、いなくなりたい。お願い。僕を暴力のない世界に連れていって。壊してもいいから」
貴方は、上腕にできた青あざを見せた。日々、貴方は親から暴力を受けていた。そんなこの世に絶望し、いなくなりたいと言った。
「ねぇ。翔太。お願いがあるんだけどいいかな? 私と混ざりあってこの世から消えよ?」
私の感情は、一緒に死のうという、感情に支配されていた。どうせなら、混ざりあって死にたい。貴方と同じになりたい。
私は道具を使い、貴方の手首を切った。彼は肘までつたり、ポタポタと垂れていた。
私の番。貴方は私の手首を切った。
そして、手を繋ぐ。血が混ざる。傷を擦り付ける。
この時、痛みは忘れ、私の胸は高鳴っていた。手首の鼓動は早くなり、その度に私が溢れ出す。
やっと一つになれた。
貴方は笑っていた。私も笑っていた。
私は貴方の首を切る。そして、私の首も自分で切る。
そして、抱き合う。ベットに横になり、寒気を二人で温め合った。私は、貴方の唇を奪い、その中に舌を入れ込んだ。貴方は柔らかいグミのような舌を絡め、そのまま二人を噛んだ。力いっぱい噛んでいるのだろうが、その力はすでに尽きていた。
私は、微笑みそのまま、眠気に身を任せた。
嬉しかった。最後に私を壊してくれた。嬉しい。
努力が報われない世界に終止符を打った。私、好きな人と一緒にいなくなれたよ。お母さん。一緒だね。
赤く染まった部屋は幸せに死んでいったとは思われないほど、華麗に汚れていた。
世間はこれを心中と言う。
ハッピーエンド
「ずっと前から好きでした。付き合ってください!!」
あの日の放課後、誰もいなくなった教室で憧れの人から告白された。
私は、半信半疑の状態でそれを受け入れた。誰かに脅されて、告白したのでは無いか。そんな思想が頭の片隅にあった。
だが、そんな無謀な思想はすぐに打ち消された。
二人きりの部屋、貴方は私の手を握っては、一切離そうとはしなかった。ハグをしては、十分は離さない。
本当に、貴方は私のことが好き。そう思うと、裏に何かがあろうがどうでも良くなった。
私がベットに横たわれば、貴方も横たわり、甘えてきた。そんな姿はいつもは凛々しく格好いい貴方とは対照的で可愛く思えた。
甘い空間を味わい続ければ当然、心は満たされる。そう思っていた。しかし、何かが引っかかっていた。
キスをした時、何かがわかった。私は貴方にめちゃくちゃにされたい。動けないほど、この世に戻れないほどにめちゃくちゃにされたい。きっと、私は貴方と混ざった時、貴方に舌を噛まれたかったのだろうが、無論貴方は噛まなかった。
心に穴が開く。甘い蜜が垂れ流れる。
そんな時、貴方は言った。
「この世からいなくなりたい。こんな暴力で支配された世界から、いなくなりたい。お願い。僕を暴力のない世界に連れていって。壊してもいいから」
貴方は、上腕にできた青あざを見せた。日々、貴方は親から暴力を受けていた。そんなこの世に絶望し、いなくなりたいと言った。
「ねぇ。翔太。お願いがあるんだけどいいかな? 私と混ざりあってこの世から消えよ?」
私の感情は、一緒に死のうという、感情に支配されていた。どうせなら、混ざりあって死にたい。貴方と同じになりたい。
私は道具を使い、貴方の手首を切った。彼は肘までつたり、ポタポタと垂れていた。
私の番。貴方は私の手首を切った。
そして、手を繋ぐ。血が混ざる。傷を擦り付ける。
この時、痛みは忘れ、私の胸は高鳴っていた。手首の鼓動は早くなり、その度に私が溢れ出す。
やっと一つになれた。
貴方は笑っていた。私も笑っていた。
私は貴方の首を切る。そして、私の首も自分で切る。
そして、抱き合う。ベットに横になり、寒気を二人で温め合った。私は、貴方の唇を奪い、その中に舌を入れ込んだ。貴方は柔らかいグミのような舌を絡め、そのまま二人を噛んだ。力いっぱい噛んでいるのだろうが、その力はすでに尽きていた。
私は、微笑みそのまま、眠気に身を任せた。
嬉しかった。最後に私を壊してくれた。嬉しい。
努力が報われない世界に終止符を打った。私、好きな人と一緒にいなくなれたよ。お母さん。一緒だね。
赤く染まった部屋は幸せに死んでいったとは思われないほど、華麗に汚れていた。
世間はこれを心中と言う。
ハッピーエンド
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