感情

鵜海 喨

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終わり

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 街を歩く。その騒がしくも静かなそんな場所。太陽は笑い、流れていく川はキラキラと煌めいた。
 歩く意味も知らないまま、知らない場所や知らない風景を楽しんでいる自分がいる事がよく分かる。ただ只管に歩き知らない場所へ歩みを進める。自分知っている場所など戻りたくないと言わんばかりに。

「こんにちは」

 そんな言葉を交わしながら。公園に差し掛かった。公園は神社と同じ場所にあり神聖ながら和やかな雰囲気を醸し出している。

 フランコ。

 座り揺れる。春の陽気を肌で感じながら揺れ動いている。いつまででも、揺れていたいと思ってしまうほど。
 鉄棒で体を回してみては、遠い空を見上げる。

 青々しい空だ。雲も優雅に泳いでいる。手を広げても覆うことができないそんな膨大さ。自分なってちっぽけだと思えてしまう。自分が抱えているものも全て小さく塵のようだと言わんばかりに。

 寝言のような独り言。笑ってしまうように考えながら私は自分とは何なのかと自問する。酷い夢のようだ。周りなど幸とは真逆な事ばかり起こり、不幸も不幸。

「ねぇ、友は何故死んだのだろうか。何故」

 笑っていた顔が懐かしい。今はどんな顔をしているのだろうか。明日は学校だ。何をすればいいのだろうか。生き難い。それはとても。

 学校など笑える程、幼稚な場所だ。バカははしゃぎ、空気を読めと同調圧力ばかり加圧するそんな場所だ。皆が見ている番組すらも固定されその他は受け付けることすらしない。いや、話題を持ち出す事すらもご法度なのかもしれない。
 私は趣味が合わない。そんな場所で私が何ができるだろうか。早く悟りすぎるのも良くないと言われたがもう遅い。既に私は悟っているのだろう。そうでなくともそう思っていた方が幾分マシなのだ。

 バカとそうでないの差は、許容力だと私は勝手に思っている。同調圧力は、それを正解だと固める事であり他は間違いだと信じて外を見ない。
 笑えた話だ。私は不思議ちゃんで済んでいた。
 
 出る杭は打たれる。出過ぎれば抜かれる杭。私は抜かれた側の人間なのだろう。他の人とは話が合わず、相手にもされない。そんな悲しい場所が学校だ。友はそこで腐敗してしまった。

 私は明日学校にいかなければならない。想像するだけで笑ってしまう。意味は有るのだろうか。いや、私を嫌う人間は、私を視界に入れるだけで苦痛なようであれば、そんな人間達への抵抗となるのだろうか。いや、意味がない。

 この民主主義と言うなの快楽主義で。いや、功利主義か。数が多い者どもの快楽。つまり思い通りの選択肢を選ぶ功利主義。時間と鑑みた功利主義。
 私のような小さな快楽は切り捨てられるのが当然の摂理。笑えた話だ。いずれ失敗するそんな考え方で。間違えたら、誰も悪くないとべそをかく。誰もが無意識の内に投票をして、その物事の良し悪しをつける。笑えた話だ。
 大人は、無意識で物事を小さく収束させようとする。その方が皆に迷惑と言うなの苦痛を与えない為に。

 いじめっ子はいつも楽しそうだ。インフルエンサーのようなものだ。
 
 そんな場所へ私は、明日身を捧げに行くのだ。

 笑えるだろう。そうだろう。

社会の掟として生き続ける事。只管に生き難なっていく世界で生きるというゲームをさせられていく。

 学生が生々しい事を考えるでないと言われた気がした。しかし、意味も無く考えつく訳では無い思考で友を亡くした憂いを誤魔化している等しい。
 将来は哲学者にでもなろう。

「ははは」

 突拍子もない思いつきに声を上げて笑ってしまった。

 人はこれを寂しさと呼ぶのだろう。
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