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学校に潜む殺人鬼❀⡱
詐欺師はわたしたちの中にVI
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体育館からの悲鳴。それはどう考えても、紅く染まった可愛い子ちゃんを見た悲鳴だろう。麗々は覚悟を決めて、体育館のドアを開けた。
ギイイイイ
体育館のドアの音が、いつもより重たく感じる。
「・・・相川・・・。」
相川はその紅く染まった可愛い子ちゃんを見上げていた。他のバスケ部員も、黙って見上げている。
「どうして・・・どうして俺の身の回りで殺人事件ばかり起きるだよ・・・助けてよ・・・誰かっ!」
相川は麗々を見た。美羽は相川に寄り添うと、優しく声をかけた。近くにいたバスケ部顧問の田中先生も黙っていた。ようやく口を開いて
「は、早く警察を呼ばないと・・・!」
と叫んだ。
「え?先に救急車でしょ?」
一人のバスケ部員が言った。「あ、ああ。そうだな。これ・・・どう考えも殺人事件・・・」
田中先生は口を噤んだが、ほとんど口から言葉を漏らしている。
「田中先生落ち着いて下さいよ。」
何人かの生徒が怯える先生を連れて、体育館を後にした。
翌日。奈那はショックから学校を休んだ。
死んでいたのは、三年A組の矢幡であることが分かった。矢幡は相川と同じバスケ部。みんなの中で、相川に対する態度が変化しつつあった。
「あいつの周りでは殺人事件が起きる。」
「近くにいると危険。」
「あいつには近寄るな。」
相川はそう言われ続けている。さすがの麗々も、相川が可哀想に見えてきた。
「・・・相川はそんな奴じゃないよ。」
美羽が麗々に言った。
「相川は・・・本当に無実なんだ。」
美羽ははっきりとそう言った。根拠はあるのだろうか?なぜそこまで決めつけられる?そう麗々は思ったが、口には出さなかった。
「ねぇ、美羽。あなた・・・何か隠してないよね?」
昨日、美羽と会った時、美羽は少し様子がおかしかった。アイドルウルフのライブを見ただけで、どうしてここまで来ることができたのだろう。
「・・・わたし」
─わたし、占いできるんよ。
「え?」
美羽は教室の隅へ麗々を連れていき、辺りを警戒しながら話し始めた。
「わたし、占い師なの。それで、占ってたら相川は真っ白だった。」
占いって・・・。麗々は一瞬疑った。しかし、思い返せばそんな場面もいくつかあった。ああ・・・、そういうことか。
「まだ隠していることあるよね。美羽、アイドルウルフでしょ?あなた。」
ギイイイイ
体育館のドアの音が、いつもより重たく感じる。
「・・・相川・・・。」
相川はその紅く染まった可愛い子ちゃんを見上げていた。他のバスケ部員も、黙って見上げている。
「どうして・・・どうして俺の身の回りで殺人事件ばかり起きるだよ・・・助けてよ・・・誰かっ!」
相川は麗々を見た。美羽は相川に寄り添うと、優しく声をかけた。近くにいたバスケ部顧問の田中先生も黙っていた。ようやく口を開いて
「は、早く警察を呼ばないと・・・!」
と叫んだ。
「え?先に救急車でしょ?」
一人のバスケ部員が言った。「あ、ああ。そうだな。これ・・・どう考えも殺人事件・・・」
田中先生は口を噤んだが、ほとんど口から言葉を漏らしている。
「田中先生落ち着いて下さいよ。」
何人かの生徒が怯える先生を連れて、体育館を後にした。
翌日。奈那はショックから学校を休んだ。
死んでいたのは、三年A組の矢幡であることが分かった。矢幡は相川と同じバスケ部。みんなの中で、相川に対する態度が変化しつつあった。
「あいつの周りでは殺人事件が起きる。」
「近くにいると危険。」
「あいつには近寄るな。」
相川はそう言われ続けている。さすがの麗々も、相川が可哀想に見えてきた。
「・・・相川はそんな奴じゃないよ。」
美羽が麗々に言った。
「相川は・・・本当に無実なんだ。」
美羽ははっきりとそう言った。根拠はあるのだろうか?なぜそこまで決めつけられる?そう麗々は思ったが、口には出さなかった。
「ねぇ、美羽。あなた・・・何か隠してないよね?」
昨日、美羽と会った時、美羽は少し様子がおかしかった。アイドルウルフのライブを見ただけで、どうしてここまで来ることができたのだろう。
「・・・わたし」
─わたし、占いできるんよ。
「え?」
美羽は教室の隅へ麗々を連れていき、辺りを警戒しながら話し始めた。
「わたし、占い師なの。それで、占ってたら相川は真っ白だった。」
占いって・・・。麗々は一瞬疑った。しかし、思い返せばそんな場面もいくつかあった。ああ・・・、そういうことか。
「まだ隠していることあるよね。美羽、アイドルウルフでしょ?あなた。」
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