異世界のんびり料理屋経営

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第4章 新たな出会いと充実していくスローライフ

第88話 (中編)露天風呂の大騒ぎ!100年の眠りから覚めたゴーレム!

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カラカラカラ(浴場の引き戸を開ける音)

鉱山に行った帰りだろうか? バルトと小次郎も湯に浸かっていた。 

「おぉ~拓哉がこんな時間に風呂とは珍しいのぅ。 しかも、隣は初顔じゃな」

そう話している間も物珍しいのか?ヤナはキョロキョロ見渡している。 

「憩い亭のお客さんなんだけど、あまりに汚かったから風呂に誘ったんだよ。 バルトも師匠も夜呑むんだし、風呂での飲酒はほどほどにですよ」

毎日長湯しながら日本酒を2人で呑んで、そのまま暖まった体で店に来てキンキンに冷えたビールを煽る2人を心配する拓哉。

「ぶははは!! そんな柔な体はしとらんぞぃ。 もし、酒を呑んで死ぬなら本望じゃ。 のぅ小次郎よ?」

大笑いしながら、日本酒を煽って小次郎の背中を叩くバルト。

「ふっははは。 そうだなそうだな。 この幸せを味わいながらならいいかもな」

完全に酔って普段より陽気な小次郎を見て、ダメだこりゃと思う拓哉。 
そうだ。本来の目的のヤナを忘れるところだったとヤナを見ると、ヤナの体が泡泡になって全身泡だらけになっていた。

「ぶはっあはははは! 凄いです! あははははは」

ちょっと、何してるんだ~って叫びながら頭からお湯をかける拓哉。

「ぶふぉ!? 急に頭からかけないでくださいよ」

子供じゃないんだから、そんなことしちゃダメだろと思う拓哉。

だが、仕方ないのだ。 システムによってインストールされた知識はあるが、生まれてまだ2日。 子供のような行動や戯(おど)けるようなことをしてしまうのだ。

「これは、このタオルにプッシュしてから泡立てて体を洗うものだから。 座ってちゃんと頭を洗ってあげるから」

なんだかお父さんのようになる拓哉。 ヤナを座らせて頭をシャカシャカ洗う。

「あははは!なんだか気持ちいですね。って痛いです。目に泡が...イタタタタタ!!!」

目を開けていたせいで垂れてきた泡が全部目に入る。

「もう!!ちゃんと目を閉じなきゃ入って痛いの当たり前だ。 水で目を洗いなさい。あとで目薬さしてあげるから」

ヤナと拓哉のやり取りを見ていたバルトと小次郎が言う。

「ぶははは。拓哉はデカい息子を持ったのぅ。 そう思うだろう?小次郎よ」

小次郎も相槌を打ちながら答える。

「ふっははは。本当だな。 これで、アニカとラリサが帰ってきたら大家族だぞ。 頑張るんだぞ拓哉パパ」

酔っ払っているので揶揄う2人。

「誰がパパだ~こんなデカい息子いらんわ」

「パパ僕捨てられちゃうの?」

バルトと小次郎のノリに乗るヤナが悲しそうな顔で言う。
それを聞いた拓哉は、イラっとしてヤナを持ち上げてバルトと小次郎のいるところに放り投げる。

バシャ~ン!!!

「うわぁぁぁぁあ。なにするんですか!? ブクブクブク」

バルトと小次郎が、かわしたせいでヤナは見事に湯に打ちつけられて沈む!

「おぉおい! 拓哉!?危ないじゃろうが! 冗談も通じんとはのぅ。 悲しいわい」

「師匠に対してなんてものを投げつけてくるんだ。 明日から更なるしごきが必要のようだな」

バルトと小次郎が、拓哉に仕返しをしようとあーだこうだ言う。 だが、拓哉には効かない。

「ふぅ~ん。そうですか? では、バルトが最近頑張ってくれているから渡そうとした超絶うまい酒はなしと。 師匠には、最高級の日本酒と最高級のつまみがあったんですがなしでいいですね」

拓哉の秘密兵器。 酒と食を召喚する。 目の前に出された最高級の酒瓶を見た2人は。

バルトが言う。
「す、すまんかったのぅ。 じょ、冗談じゃよ。 だからのぅ、許してほしいんじゃ」

「師匠と弟子の遊びじゃないか!? な、そんな怒らないでくれ。悪かった。 だから許してくれ」

浴場のタイルに土下座する2人。

「はぁぁぁあ。もぅ~!わかりましたよ。 初めから怒っていませんから。 そろそろ上がってくださいよ。 開店時間近づいてるんですから....って早く早く助けてあげてください。 ヤナが溺れてる~~~」

それから、すぐ引き上げて脱衣所に連れていき寝かせて人工呼吸をしようとした時、急に目を開ける。

「ゲホゲホゲホ! もう皆さん酷いですよ~。 俺がゴーレムじゃなきゃ死んでましたよ。まったく...」

システムが起動して、水を全てエネルギー変換したおかげで助かったヤナ。

「わぁぁぁぁあ!ビックリしたぁ!急に目をあけるなよ。 焦ったよ。 それより、放ったらかしてごめんな。 大丈夫か?」

急に目を開いて普通に話すヤナに驚く3人。 バルトは「ゴーレムじゃと!?」と驚きながらもモノづくりの目になっている。

「全部エネルギーに変換したから大丈夫ですが、驚きましたよ。 それにしても、俺200キロ近くあるのに持ち上げられて投げ飛ばされたことに驚きです。 拓哉さん、人間ですか?」

へ!?そんな重たかったの? スキルも使用してないのに何故!? もしかして、成長したのか。 あとで鑑定する必要があるな。 それより、200キロで投げ飛ばして壊れない湯船を作ったバルトも凄いわ。

「正真正銘人間だわ。 まぁヤナ君が無事でよかったよ。 あ!これ、ヤナ君に用意した服だから着てな。 ジャケットは寒かったら着てくれ」

ネットショッピングで購入した。 黒のスキニーパンツとブーツとシャツとコスプレ用の黒色マントケープポンチョジャケット(検索してみてください)を渡す。

「うわぁ~凄いかっこいいですね。 気に入りました。 体温調節機能もついてますから、ジャケット着ておきますね」

もうなんでもありだなと思う拓哉。

「気に入ってくれたならよかったよ。 あとで部屋着を渡すから、とりあえずは、食事を先にしような」

バルトが横で、「ゴーレムとはなんじゃ!詳しく教えい」と言ってくるが、あとあとと軽く流して憩い亭の夜の営業に向かう拓哉。

その頃、グラデュース(古龍)が久々に憩い亭に向かう途中に変なエネルギーに気づいて、その場に向かう。

「微かだが変なエネルギーがあるな。 魔境に悪影響があるかもしれない。 憩い亭に向かう前に、破壊しておくか」

密かに、ヤナが生まれた研究所が破壊されようとしていた。
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