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第5章 天界への旅と龍達との出会い
第125話 (前編) 子供達の絆と子供食堂!
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拓哉達が、山に向かった日のこと。
子供達が議会所に集まって会議を開いていた。
「みんな~聞いてると思うけど、お父さんから憩い亭を1日託されました。 絶対に成功させたい。 だからみんなも協力お願いします!」
それを聞いた子供達は、「オー」と気合いを入れる。
「ラリサ、僕とカイルとヤナが厨房でアニカとラリサがホールでいいんだよね?」
「うん。 最初は、それでいいと思う。 でも、忙しくなったらカイルくんかヤナさんにホールを手伝ってもらいたいな? えっと、なんでヤミンくんいないの?」
そう言えば、看板男の娘になりそうなヤミンの姿がない。 カイルが知っているようで答える。
「僕に接客できますかね? 間違えそうで...あとヤミンさんは、土に植わりたいから今は無理だそうです。あと料理や接客より服飾と食べることが好きだから他の人達に任せるねと言われました。 本当に自由な方ですよね。アハハ」
ラリサが「まったくもう」と言いながら額に手を当てる。
「カイル、接客は俺に任せろ。 弟に無理なことはさせたくないからな。 それとラリサ、人それぞれやりたいことがあるだろうから無理にヤミンを連れてくる必要はないと思う。 俺達のこの服もヤミン作だし、適材適所ってやつだよ」
ヤナは、相変わらずの過保護ぶりを見せる。 だが、ヤナもここで生活していくうちに色々な学習をして、適材適所なる考え方ができるようになった。 過保護だけではなくて、ちゃんと成長もしている。
「そうですね...ヤナさんの言う通りですね。 私は、子供食堂のことで頭がいっぱいで周りが見えてなかったかも。 ヤナさんありがとうございます」
ヤナは年上なのでラリサは敬語を使っている。
「お兄ちゃんとお姉ちゃん、アニカも料理作ってみたいの」
アニカが急に料理作りたい発言をする。
「アニカにはまだ早いでしょ?私も作りたいけど、桜花やカイルくんやヤナさんの方が料理得意だから今回は諦めよ」
ラリサもしたいようだが、諦めるように欲する。 アニカは、ラリサに向かって「ブー」と言っている。 桜花とカイルとヤナは、その表情をかわいいなと思う。
それを見ていた桜花が提案する。
「僕は、ラリサとアニカにも料理を覚えてもらえたら助かるからいいと思うんだよ。 だからお客さんが減る時間に交代で僕が料理を教えるのはどうかな? それなら、回せると思うんだよ」
桜花は、妹のアニカを悲しませたくないからこそ提案する。 本当に、周りを思いやれる子に成長した桜花である。
「それいいね。 俺は協力する。 だから簡単な料理から作ってみよう?」
ヤナも協力する意思見せる。
「僕も、協力しますよ。 みんなで協力して成し遂げたいですもん」
カイルも桜花の提案に乗る。
「みんなありがとうなの。 あとアニカわがまま言ってごめんなの...」
アニカは、自分ばっかりだったと反省する。 周りからは、「わがままじゃないよ」と慰められる。
「皆さんありがとうございます。 私とアニカに料理を教えて下さい」
桜花を筆頭に「任せるんだよ」とみんなも同じような言葉を返す。
初めて子供達の結束が生まれた瞬間だった。 あ!我が道を行くヤミンは除いて。
会議では色々あったが、無事営業時間を迎える。
「いらっしゃいませ」
アニカとラリサの声、そして厨房から桜花とカイルとヤミンの元気な声が響き渡る。
最初のお客さんはやはりヴァレリーだった。 今日はベアトリスも一緒のようだ。
「今日が子供食堂の日だったか。 じゃあナポリタンを頼む。 バター入りでな。 ベアはどうする?」
「ラリサちゃんとアニカちゃん元気みたいでよかったぁ。 じゃあ私は、ボロネーゼを下さい」
ヴァレリーは、いつも通りのナポリタン。 ベアトリスは、ミートソースではなくボロネーゼという洒落た物を頼む。
「ベアお姉ちゃんも元気みたいなの」
アニカは、再会を喜んでいるが、他の注文が入ってしまう。
「ワシは、ビール5杯と焼き魚を頼むのぅ」
「俺も、ビールとモツ煮込みを頼む」
「俺は、伊勢海老とサザエとアワビだぁぁ」
一人だけ高級な物を頼むグラデュース。 海鮮バーベキューからハマっているのだ。
「グラさん、すいません...拓哉さんが伊勢海老もサザエもアワビも用意していかなかったので、今日は出せないんですよぉ」
色々用意してくれていたのだが、唯一忘れて行ってしまったのだ。
「そんなぁぁぁ...ないのか?悲しいなぁ...じゃあ何か適当に酒と頼む...」
大好物がないことにショボンとするグラデュース。 テーブルにのの字を書いていじけている。
「ごめんなさいなの。 でもグラおじちゃんの為に一生懸命頑張って作るの。 許してなの」
グラデュースののの字が止まり、上目遣いでウルウル瞳のアニカを見る。
「仕方ないなぁぁぁ。 今回だけだぞぉぉ。 アニカが頑張ってるなら許すぞ」
アニカ必殺おじさん殺しが炸裂する。
デレデレになるグラデュース。 周りは、ヤられたなと心の中で思うのだった。
「ありがとうなの~」
ラリサは、助かったと思いながらも、グラさん...料理は違う人が作るんだよと思いながらも、またいじけてほしくないから黙っている。
忙しくなり始めた子供食堂。 うまく子供達は乗り切ることはできるのか?
子供達が議会所に集まって会議を開いていた。
「みんな~聞いてると思うけど、お父さんから憩い亭を1日託されました。 絶対に成功させたい。 だからみんなも協力お願いします!」
それを聞いた子供達は、「オー」と気合いを入れる。
「ラリサ、僕とカイルとヤナが厨房でアニカとラリサがホールでいいんだよね?」
「うん。 最初は、それでいいと思う。 でも、忙しくなったらカイルくんかヤナさんにホールを手伝ってもらいたいな? えっと、なんでヤミンくんいないの?」
そう言えば、看板男の娘になりそうなヤミンの姿がない。 カイルが知っているようで答える。
「僕に接客できますかね? 間違えそうで...あとヤミンさんは、土に植わりたいから今は無理だそうです。あと料理や接客より服飾と食べることが好きだから他の人達に任せるねと言われました。 本当に自由な方ですよね。アハハ」
ラリサが「まったくもう」と言いながら額に手を当てる。
「カイル、接客は俺に任せろ。 弟に無理なことはさせたくないからな。 それとラリサ、人それぞれやりたいことがあるだろうから無理にヤミンを連れてくる必要はないと思う。 俺達のこの服もヤミン作だし、適材適所ってやつだよ」
ヤナは、相変わらずの過保護ぶりを見せる。 だが、ヤナもここで生活していくうちに色々な学習をして、適材適所なる考え方ができるようになった。 過保護だけではなくて、ちゃんと成長もしている。
「そうですね...ヤナさんの言う通りですね。 私は、子供食堂のことで頭がいっぱいで周りが見えてなかったかも。 ヤナさんありがとうございます」
ヤナは年上なのでラリサは敬語を使っている。
「お兄ちゃんとお姉ちゃん、アニカも料理作ってみたいの」
アニカが急に料理作りたい発言をする。
「アニカにはまだ早いでしょ?私も作りたいけど、桜花やカイルくんやヤナさんの方が料理得意だから今回は諦めよ」
ラリサもしたいようだが、諦めるように欲する。 アニカは、ラリサに向かって「ブー」と言っている。 桜花とカイルとヤナは、その表情をかわいいなと思う。
それを見ていた桜花が提案する。
「僕は、ラリサとアニカにも料理を覚えてもらえたら助かるからいいと思うんだよ。 だからお客さんが減る時間に交代で僕が料理を教えるのはどうかな? それなら、回せると思うんだよ」
桜花は、妹のアニカを悲しませたくないからこそ提案する。 本当に、周りを思いやれる子に成長した桜花である。
「それいいね。 俺は協力する。 だから簡単な料理から作ってみよう?」
ヤナも協力する意思見せる。
「僕も、協力しますよ。 みんなで協力して成し遂げたいですもん」
カイルも桜花の提案に乗る。
「みんなありがとうなの。 あとアニカわがまま言ってごめんなの...」
アニカは、自分ばっかりだったと反省する。 周りからは、「わがままじゃないよ」と慰められる。
「皆さんありがとうございます。 私とアニカに料理を教えて下さい」
桜花を筆頭に「任せるんだよ」とみんなも同じような言葉を返す。
初めて子供達の結束が生まれた瞬間だった。 あ!我が道を行くヤミンは除いて。
会議では色々あったが、無事営業時間を迎える。
「いらっしゃいませ」
アニカとラリサの声、そして厨房から桜花とカイルとヤミンの元気な声が響き渡る。
最初のお客さんはやはりヴァレリーだった。 今日はベアトリスも一緒のようだ。
「今日が子供食堂の日だったか。 じゃあナポリタンを頼む。 バター入りでな。 ベアはどうする?」
「ラリサちゃんとアニカちゃん元気みたいでよかったぁ。 じゃあ私は、ボロネーゼを下さい」
ヴァレリーは、いつも通りのナポリタン。 ベアトリスは、ミートソースではなくボロネーゼという洒落た物を頼む。
「ベアお姉ちゃんも元気みたいなの」
アニカは、再会を喜んでいるが、他の注文が入ってしまう。
「ワシは、ビール5杯と焼き魚を頼むのぅ」
「俺も、ビールとモツ煮込みを頼む」
「俺は、伊勢海老とサザエとアワビだぁぁ」
一人だけ高級な物を頼むグラデュース。 海鮮バーベキューからハマっているのだ。
「グラさん、すいません...拓哉さんが伊勢海老もサザエもアワビも用意していかなかったので、今日は出せないんですよぉ」
色々用意してくれていたのだが、唯一忘れて行ってしまったのだ。
「そんなぁぁぁ...ないのか?悲しいなぁ...じゃあ何か適当に酒と頼む...」
大好物がないことにショボンとするグラデュース。 テーブルにのの字を書いていじけている。
「ごめんなさいなの。 でもグラおじちゃんの為に一生懸命頑張って作るの。 許してなの」
グラデュースののの字が止まり、上目遣いでウルウル瞳のアニカを見る。
「仕方ないなぁぁぁ。 今回だけだぞぉぉ。 アニカが頑張ってるなら許すぞ」
アニカ必殺おじさん殺しが炸裂する。
デレデレになるグラデュース。 周りは、ヤられたなと心の中で思うのだった。
「ありがとうなの~」
ラリサは、助かったと思いながらも、グラさん...料理は違う人が作るんだよと思いながらも、またいじけてほしくないから黙っている。
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