異世界のんびり料理屋経営

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第6章 開拓とエルフ国へ家族旅行!

第151話 ヴァレリーとキュレーネの再会と秋刀魚とかぼちゃ!

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キュレーネが久々に来店して速攻でヴァレリーの席に座った。キュレーネとは、以前1回だけ来たダークエルフの戦士の女性である。

「ヴァレリー、久しぶり。元気にしていたか?」

やはり相変わらず男勝りのキュレーネ。

「キュレーネ、1ヶ月振りくらいであろう。久しいな。俺は、毎日通うほど元気だ。キュレーネは、忙しかったのか?」

久しぶりに来たキュレーネに嬉しさを露わにするヴァレリー。

「ダークエルフの戦士は、年に1回過酷な訓練をするんだが、ちょうど終わったところだ。それで、今日のおすすめを教えてくれよ」

ダークエルフは、年1回1ヶ月間、森に籠もって家にも帰らず狩りをして生活をする決まりがある。その中で1番強い獲物を倒した者が、ダークエルフの戦士の中で1番だと1年間、名乗ることを許されるのだ。

「秋刀魚という魚がうまいぞ。どうだろうか?」

最近拓哉は、ネットショッピングで秋フェアというのを見て、秋に関連する食材で作った料理を提供しているのだ。

「ヴァレリーが勧めてくれたならそれにするさ。給仕の少女、秋刀魚とビールを頼む」

「ビールとさんまわかりましたなの」

アニカが、注文を取って拓哉に伝えにいく。
暫くして、注文の料理を持ってアニカがやってくる。

「ビールとさんまお待たせしましたの」

脂の乗った身がジュンジュンと音を立てている。音と匂いに思わず生唾を飲むキュレーネ。

「ぷはぁ~やっぱりビールは最高だな。うまい!ほ~脂が乗った身がうまい。臭みもなくビールにも合うな」

それを見ていたヴァレリーが、食べ方と秋刀魚に合う酒を教える。

「キュレーネ、それじゃあだめだな。貸してみろ」

そう言うとヴァレリーは、すだちを秋刀魚に搾ってから箸を上手いこと使い、秋刀魚を開いて骨を綺麗に取る。そして、大根おろしに醤油をかける。本来ならジュンジュン言っている秋刀魚に醤油をかけたかったが、もう遅いので直接かけることはしないヴァレリー。

その手際の良さに見惚れてしまうキュレーネ。

「大根おろし醤油をつけて食べてみろ。その後は、こいつをキュッと呑んでみろ。うまいぞ」

ヴァレリーが、差し出したのは自分が呑んでいる日本酒が入ったお猪口である。

「うまい...すっぱさと程よい辛さが醤油と合わさって、この秋刀魚の身をよりうまくしている。くぅぅ~それに、この辛口の酒が口の中の脂を全て洗い流してくれる。しかも、この酒もうますぎるぞ」

驚いているキュレーネに、ヴァレリーは満足をして、お猪口に酒を注ぐ。それに、気付いたキュレーネが、「ありがとう」と言って呑み干す。間接キスをしているのだが、お互い気にする様子もない。

「ラリサ、日本酒2本とお猪口を1つ追加してくれ」

ヴァレリーが、足りなくなるだろうと自分の分とキュレーネの分を追加で頼む。

「は~い!追加ありがとうございます」

ラリサも、元気よく追加注文を受けて用意しに行く。

「キュレーネどうだ?最高の組み合わせだろ?」

ヴァレリーが、かぼちゃの煮物を食べながらキュレーネに話しかける。キュレーネは、普段は凛とした姿だが、時折ヴァレリーにだけ笑顔を向ける。最高の友だと思っているからだろう。傍から見ればいい雰囲気に見えるが、当事者からすると恋愛感情というより友に近い関係なのである。

「最高だぞ、ヴァレリー。うますぎてもう食べてしまった。それでヴァレリーは、何を食べているんだ?」

また見たこともない料理を食べているヴァレリーが気になり、なんの食べ物か聞くキュレーネ。

「かぼちゃの煮物だな。ほら一口食ってみろ」

皿ごとキュレーネに渡して食べるように言うヴァレリー。キュレーネは、お言葉に甘えて一口食べる。

「うまい...ホロホロ崩れてちょっとネッチョリしているが、不快な感情は一切なく、このかぼちゃの旨味と甘さをずっと感じる。見た目は、シンプルだけど、それがまたいい料理だ。ヴァレリーの食べる物に外れはないな」

キュッとヴァレリーから注がれた日本酒を呑んで感想を話すキュレーネ。

「日本酒2本お待たせしました」

ラリサが、日本酒の追加を持ってくる。

「ラリサ、ありがとう。キュレーネ、再会を祝して乾杯しようではないか?」

「アハハ!いいね。乾杯しよ」

お互いがお互いのお猪口に、酒を注いでお猪口をカツンと当てて乾杯をする。

「「乾杯」」

二人は再会を祝して乾杯をする。酒とうまい料理を食べながら、二人は語り合う。今日も、以前と同じく長い夜になりそうだ。
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