チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
344 / 811
第2章 強敵ルシファーと新たな力を得る

500話記念! 後編)逃げるデュアル!そして、逃さないだから〜

「ゲボゲボゲボ、デュアル!やり過ぎだろ?死ぬかと思ったぞ」

隼人が、土の下から這い上がると砂を払いながら言う。

「ごめんごめん!こうでもしないと、あの化け物に勝てないと思ったからさ」

デュアルは、悪びれる様子は一切なく「えへへ」と笑って答える。

「......みんな、死んじゃったの?何故、貴方は関係のない者まで殺したのですか!」

鬼人の王の娘は、周りが荒野になってしまったことを確認すると、デュアルに向かって大声で叫ぶ。

「ん?あぁ、それならこの通り生きているから心配しなくていいよ」

デュアルが、そう言うと何人もの鬼人が土から這い出てくる。その様子を見た鬼人の王の娘は、何故生きているのか?どういうことなのか?わからないような顔をしている。

「何があったんだ?」

「俺達生きてるのか?」

「お、おい!これはどうなっているだ!何もなくなってるぞ」

次々に這い出てくる鬼人達が生きていることを再確認していると一人の鬼人が荒野になってしまった鬼人の領土を見て大声を上げる。その声に反応した他の鬼人達も驚きの声やうろたえる者まで出てきた。

「隼人、逃げよう!」

デュアルは、やってしまったことを痛感して逃げるほかないと感じたようだ。すぐさま反転して自分達の街へと走り出す。

「お、おい!姫様、こうなってしまったこと誠に申し訳ございません。では、私もお暇致します」

隼人も、鬼人の王の娘に一言だけ告げて、デュアルのあとを追う。





「ここまで来れば問題ないかな?」

ある程度、離れたところで走るスピードを抑えてデュアルが話し始める。

「おい!あれはやり過ぎだろ?それより、なんでお前が生きてるんだ?それに、鬼人達もなんで生きている?」

隼人は、まくし立てるようにしてデュアルを問い詰める。

「あぁ、そのことか!魂の帰還というスキルで生きていた感じかな!あと、10秒以内なら蘇生スキルがあるから鬼人を復活させた感じ」

魂の帰還とは、1日一回しか使えないが、どんな状態で死んだとしても復活できるというチートスキルである。

「はぁ~本当になんでもありだな!で、あの化け物は死んだと思うか?」

隼人は、鬼人の王があんな簡単にくたばるようなやつではないと感じているのだ。嫌な予感がしてならないといった様子だ。

「多分生きているよ!だから逃げたんじゃないか!あんな化け物まともに挑むとか馬鹿らしくてやってらんないよ」

デュアルは、ただあの悲惨な状況に居ても立っても居られなくなったわけだけではなく、鬼人の王に勝てる算段が見つからないので逃げたのだ。

「やはりか!これからどうするんだ?街も知られているだろうし、報復も時間の問題だぞ」

「街を捨てて逃げる!その後は知らん!とりあえず、修行あるのみ!」

なんと無責任なことを言っているんだと思う隼人。街の住人はどうするんだと思ってしまう。

「おい!住人はどうするんだ!お前の無責任な行動で全員を危険に晒すのか?」

隼人は、デュアルの胸ぐらを掴んで問い詰める。しかし、デュアルは余裕そうな顔をして手を払いのける。

「フッ!策ならあるさ!転移で街ごと遠くに飛ばす!それから、あの野郎にギャフンと言わせるまで修行してやるのさ」

「おい!街ごと転移だって!どれだけの魔力量が必要だと思って......」

デュアルは、隼人に最後まで言わせないよう口を塞ぐ。

「俺の魔力量は無限なのさ!さぁ、あの化け物が来る前に街を移動させるよ」

デュアルは、そう言ってまた走り出すのである。





「まさか、あのような切り札を隠していようとはな!」

鬼人の王が這い出てくると、豪華な服はズタボロになり、体には細かな傷がいくつもできていた。

「お父様、大丈夫ですか?」

鬼人の王の娘が心配して駆け寄る!その瞬間、鬼人の王は娘を抱き寄せる。

「お父様!?」

今まで抱きしめてもらったことのない鬼人の王の娘は、抱き寄せられたことに驚きの色を隠せずにいる。

「よくやったぞ!よくあのような者を連れてきた!久々に血が滾るわ!すぐに後を追って殺してくれる」

鬼人の王は、ニヤリと笑いながらデュアル達が逃げた方向を見て、どう料理してくれようかと考えるのであった。





「えっ?ここで終わりなの?」

「そのようですね。またしてもこれからという時に終わってしまうのですね」

アレクとパスクは、落胆の表情を隠せずにいる。

「次は、いつになるんだっけ?」

「一ヶ月半後くらいでしょうか......」

「そ、そんなぁぁぁぁぁ」

アレクは、また長い長い月日を待つことに、悲痛の叫びを上げてテーブルに伏せてしまうのであった。
感想 2,241

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜

幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。 転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。 - 週間最高ランキング:総合297位 - ゲス要素があります。 - この話はフィクションです。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。