チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
604 / 811
第3章 アレクを狙って

第758話 デストロイを崇拝する部隊と末路!

しおりを挟む
パスク直々に王都に出向いて、陛下に事件の詳細を打ち明けると、すぐに護送の手続きと刑の執行が行われることになった。
キィルとサウスに、一応話を聞く手筈にはなっているが、形式上でしかなく奴隷落ちは免れない。更に、母親に関しても未遂ではあるが、辺境伯家の家臣に手を出した以上、奴隷に落ちるのは決定的である。

「まさか、デストロイ様も護衛にあたって頂けるとは思っておらず、感謝しかございません」

何事もなく、サウスとキィルとラーネットは引き渡されて、王都まで三人を護送している。
そして、護送を護衛する隊長がデストロイに話しかけてきた。

「俺のことを知っているのか?」

「知っているも何も私達護送を担当する仲間の間では英雄ですからね。あの王都を守る姿は、私含めて何人も王城から見ておりました」

ルシファーとの戦闘が始まった頃、ちょうど囚人の護送を終えた面々が王城へ報告に来ており、あの戦いの一部始終を見ていた。

「英雄なんて持ち上げられるほど出来た人間じゃねぇよ。アレク達に出会ってなけりゃ暴れ回って、今頃その檻にいたのは俺だろうからな」

帝国の時にしていたことを考えれば、今こうして生きながら悪を裁いている自分が信じられないと考えている。
改めて、本当に運がよかったんだなと、三人が入っている檻を見ながら思う。

「過去に何があったかはわかりませんが、我々の中では貴方様は英雄です。貴方様とご一緒に仕事が出来ることを誇りに思っています。ですので、我々の中ではあのような罪人と貴方様は全然違います」

「そうか。俺が、これ以上何を言っても野暮ってもんだな。それより、護送を担当してるのは俺らだけだよな?後ろと前にいるやつらは敵でいいな?」

隊長が、デストロイを持ち上げるような言葉を伝えていると、まだ姿は見えていないが、デストロイは気配を察知して敵なのか味方なのかを尋ねる。

「はい!我々以外はおりません。一度止まって作戦を練りますか?」

隊長は、このような場面に慣れているのか、取り乱す様子はない。

「隊長は、お前じゃねぇか。俺が決めていいのか?」

「はい!デストロイ様の勇姿をこの目で見たいのもありますが、我々は生きて帰りたいですからね。全てお任せします」

護送する上で死は隣り合わせである。凶悪犯を護送中の場合、仲間が助けにこようと襲ってくる。貴族の場合も、暗殺者や裏組織の人間を雇ってくることがあるからだ。

「俺が、前方の敵を全員蹴散らしてやる。お前らは、後ろからくるやつらを蹴散らせ!他のやつらにも、このことを伝えてこい」

「畏まりました。我々の命を、デストロイ様に預けます!では、暫し失礼します」

隊長は、護送の部隊全員にデストロイの発言を伝えて、指示に従うように命令した。
それを聞いた部隊の全員が、言葉には出さずとも高揚感に満ち溢れて、勝手に士気が上がった。
そして、警戒しながら移動をしていると四方から弓矢が飛んできた。

「矢を叩き落としたあと、後方の敵を蹴散らせ!左右と前方の敵は気にするな!全員生きて帰還しろ」

護送部隊の全員が、剣を鞘から出して矢を斬って落としていく。慣れていることもあり、誰一人として慌てる素振りすら見せない。

「誰を襲ったか後悔させてやろうじゃねぇか」

デストロイは、背中に背負っていたハルバートで矢をガードしたあと、一振して木に隠れていた弓使いを吹き飛ばす。一瞬にして左右にいた弓使いはどこか遠くに飛ばされて無力化した。
この光景を見た護送部隊全員の士気が更に上がって後方から来た敵に走り出す。

「アンデクス男爵の命令で来たことはわかってるぞ。武器を捨てて投降するなら今のうちだ。どうするんだ」

前方に現れた敵に最後の警告をするが、誰一人剣を捨てる者はおらず、剣を構える。

「たった一人のやつに投降するわけがないだろ!お前らを殺すだけで金持ちになれるんだからな。魔法使い!魔法を全力でぶつけてやれ」

何十人もの魔法使いが、前列に立って一斉に色んな属性の魔法をデストロイに向けて放つ。

「なぁ、そんなしょうもねぇ魔法が通用すると思ったわけじゃねぇよな?じゃあ、俺もお返ししてやるからよ。死ぬなよ」

先程よりも強い力でハルバートを振って突風を起こすと、前列にいた魔法使いは弱いシールドを張るも、一瞬で破壊されて吹き飛ばされる。

「残ったのは三人だけか!行くぞ。簡単に死ぬんじゃねぇぞ」

何十人もいた敵は吹き飛ばれて地面に這いつくばって気絶していた。
残った三人は、あっという間のことで何が起こったかわからず呆然としているが、デストロイはそれを待つほどお人好しではないので、ハルバートを振り回しながら三人に迫る。

「クソ!やってやらぁぁぁ!へ!?」

敵の一人がヤケクソになって剣を振るうが、剣は真っ二つにへし折れて、気付いたら首が宙を舞っていた。本人は、切られたことすら気付いておらず、最後に驚きの声を上げたあと絶命する。
他の二人は、その光景を見て戦意を失ったのか、デストロイのされるがままに、一瞬で絶命した。

「デストロイ様、お疲れ様です!こちらは、二人失いましたが、制圧完了です」

デストロイに近付いてきた隊長は、戦闘結果の報告にやってくる。
デストロイが、隊長と隊員を見ると、凄い返り血を浴びていたので、激しい戦闘になったのだと認識した。

「そうか......残念だ!二人を弔ってやらんとな。お前らに一言伝える!お前らは、俺から見て王国の騎士より根性がある!やるじゃねぇか!もし、鍛えられてぇやつがいたら、俺が直々に叩き直してやる。いつでもこい」

騎士でもない兵士でもない決して突出した強さがあるわけでもないのに、デストロイは珍しく認めた。
何故認めたかというと、戦いにおいて一番必要な諦めない目と根性と折れない姿勢を見せたからだ。
それを聞いた護送部隊の全員が、敵を倒した時以上に大声を上げて喜んだ。

それからは、問題なく王都まで護送されて三人の奴隷落ちの判決が言い渡されたあと、程なくしてアンデクス男爵も騎士によって捕縛されて廃爵と奴隷落ちが確定するのだった。
しおりを挟む
感想 2,239

あなたにおすすめの小説

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

底辺から始まった俺の異世界冒険物語!

ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
 40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。  しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。  おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。  漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。  この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! 仕事繁忙期の為、2月中旬まで更新を週一に致します。 カクヨム(吉野 ひな)様にも投稿しています。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。