チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

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第3章 アレクを狙って

第765話 ライの純真無垢さに心を開くレッドドラゴン!

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ヴァロワ子爵は、びくびくしながら恐る恐るレッドドラゴンに乗り、ライは正反対でレッドドラゴンに抱き着いたあと楽しそうに背中に乗った。

「パスク、そろそろ飛んでもいいか?」

「はい。魔物の街に向かってください。ですが、いつもよりゆっくりでお願いします。ドラゴンに乗るのが夢だった少年もいることですから」

パスクは、ライに広い世界があることと単純に喜んでもらいたいという気持ちで、レッドドラゴンにゆっくり飛ぶよう頼んだ。レッドドラゴンも、ライのような純粋な気持ちで好意を向けられることに嫌な気持ちはしないので、頷いてパスクの言葉に従う。

レッドドラゴンは、大きな翼を広げて周りに被害が出ないよう最小の羽ばたきでゆっくりと上昇して目的地に向けて進む。

「うわぁぁぁぁ、凄いです!領地を空から見たら、こんな綺麗な景色が広がっているんですね。あっ!ドラゴン様は誇り高い種族と聞きました。僕らみたいな人間を乗せるのは嫌じゃないですか?」

ライは、読書が好きで色々な本を読み漁り、魔物に関する本まで学習していた。
誇り高いドラゴンは絶対に人間とは相容れない関係だと本に書いてあったので、ライは尋ねた。

「お前の、その答えは正解だ。しかし、誇り高い私もご主人様との出会いで下らん自尊心に溺れていただけだと自覚させられた。それ以降は、種族など関係なく人となりで判断するようにしたんだ。お前は、見事合格。お前の父親は、不合......保留だな。ブッハハハハハ」

レッドドラゴンは、ライの穢れていない心を知って、本心で話しをしようとした。
レッドドラゴンが、アレク達以外の人間にここまで話したのは初めてだ。

「ご主人様というのは、魔物の街を治めるタカハシ辺境伯のことです。確か、初めて出会った時に、レッドドラゴンはアレク様に勝負を挑んで負けたんですよね?」

レッドドラゴンが、うまく誤魔化しながらライに伝えたにも関わらず、すぐにパスクが暴露した。

「お、おい!それを言うなぁぁぁ。せっかく私のことを憧れのように見ているというのに、なんてことを言うんだ。まったく」

レッドドラゴンは、ライにカッコいいところを見せようとしたが、見事に邪魔をされて、少し拗ねたような返事をする。

「アッハハハハハ、僕の思っていたドラゴンさんとは全然違うので驚きました。でも、僕はレッドドラゴンさんみたいなドラゴンさんが好きです。でも、タカハシ辺境伯様は本当に凄い方なのですね。学園でも語られてますが、突拍子がなく全員があり得ないっていうんです」

ライは、パスクとレッドドラゴンのやり取りを見て、他のドラゴンは違うかもしれないが、レッドドラゴンには自分達のように感情があるんだなと感じて、親近感が湧いた。

「馬鹿な人間は、いつの世も同じだな。おおかた、辺境伯の地位を利用しただの弱みを握ったなどと、あることないことをほざいているのだろう?何故、辺境伯まで上り詰められたのか理由も考えずにな。人間の愚かな部分だ」

レッドドラゴンは、長きに渡って見てきたことで、人間の醜く情けない姿をよく理解しており、ライの短い言葉から簡単に推測出来た。

「レッドドラゴン、まだ成人もしていない子供達です。そう強く言って可哀想です。全ては、親の教育のせいですよ。いや、親もその親に教育......それを考えれば先祖が悪く......」

「あぁ、始まりやがった。聡明神様と会ってから、深く考え過ぎるくせや物事の深淵まで覗こうとするくせは、どうにかならないのか?聞いてるこっちがおかしくなっちまう」

普段のパスクは、頭が回転もよく知識も豊富で、凄い人物だと街のみんなから尊敬されているのだが、変なところで考え込んでしまい、追求しないと気が済まないくせが時々出てきた時は、魔物の街のみんなが面倒だなと心の中で思われている。

「神様との繋がりもあるんですか!?」

考え込んでいるパスクのことよりも、神様との繋がりがあることの方が衝撃的過ぎてライは、そっちに驚いてしまう。

「やはり子供だな。ライは、そのまま純粋無垢で育ってほしいぞ。神様か......魔物の街の住人以外には内緒にしろよ。数人が、神様との繋がりを持っていて、その中でもご主人様は創造神様と繋がりがある」

レッドドラゴンは、お前呼びをしていたが、人間としては見込みがあると思い、ライと名前で呼んだ。
そして、ライならば大丈夫だろうと秘密を打ち明ける。

「すごい!すごい!すごいです!神様と繋がりがあるなんて!僕、絶対に魔物の街で暮らしたいです!知らない世界をもっと知りたい!」

ライは、人生で一番興奮していた。母親は、キィルだけに愛情を注いで、父親は領地経営と妻の顔色を窺うだけでライを見ようとしない。そんな中、本だけが唯一の楽しみで、外の世界には知らないことがいっぱいあると知り、興味がどんどん湧いた。
しかし、こんな環境や特質したものなどない自分には、その世界を味わうことなど一生ないと思っていたが、まさかの望んだ機会が訪れて、ライは嬉しくて嬉しくて堪らなくなる。

「ブッハハハハハ、おもしろい人の子だ。そこに転がっている父親の子とは思えないぞ。実におもしろい」

ヴァロワ子爵は、レッドドラゴンが飛び上がった瞬間に意識を失って、それからずっと失神したままだ。
その情けない姿とライの好奇心旺盛で物怖じしない態度が、似つかわし過ぎてレッドドラゴンは大笑いしてしまうのだった。
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