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第4章 次なる目的地へ
第16話 熱燗と牛すじ煮込みと冒険者2人!
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今日も昨日と同じで、同じ場所に屋台を出した。ちなみにトンボは、バド達を鍛え上げると言って依頼を受けに行っている。もちろん、お弁当を3日分程作らされたのは言うまでもない。
「今日は、少し寒いしあれを作るか」
この世界は四季というものがないらしく、夜になると急に冷え込む時があるのだ。
そして、真人が仕込みを始めた頃、ある二人組が依頼をこないして帰ってきていた。
「今日は、やけに早く帰りたがるな。何かあるのか?」
「ちょっと、いや...かなりうまい屋台を見つけてな。酒も飯も腹に入れば同じだと思ってたんだが、あの酒と飯を食ってから世界が変わったつうか...もうあの酒と飯しか受け付けなくなっちまってよ」
昨日唐揚げとビールを食べた冒険者の男が、仲間であろう弓を背負った男に話しかけている。
「酒も飯も対して変わらないだろう...焼くか煮るか揚げるかのどれかだしな。味もハーブかよくわからんタレに漬け込まれた不味いのしかない」
過去に食べた不味い物を思い出して、凄く嫌な顔になっている。
「それがな、サリル...全くの別物なんだよ。あのサクッとした食感に中はジュワッと溢れ出す肉汁。それに、塩や香辛料を使った複雑な味わい...あぁ~思い出しただけでヨダレが出てきちまった」
昨日の唐揚げを思い出して口の端にヨダレを垂らす。
「はぁ~待て待てルーベン。そんな料理!貴族しか食えねぇって。夢でも見たんじゃないか?」
サリルは、全く信用していないようで、ルーベンが馬鹿なことを言っているなと思うのであった。
「わかった。なら連れてってやるから付き合え!もし存在していたらサリルの奢りだからな」
「あぁ、いいだろう。じゃあ、なかったら今日の依頼の取り分を全て俺に寄越せ」
「よっしゃ!その賭け乗った」
そして、二人は屋台へと向かうのであった。
「今日も来たぞ~」
「あ!昨日の!今日も来てくれたんですか?ありがとうございます。どうします?まずはお酒ですか?」
覚えていてくれたことが嬉しかったのか、強面の顔が笑顔になるルーベン。
「今日は、仲間を連れてきたんだ。あっと驚く酒を出してくれ。昨日のビールを頼む」
「今日は、別のお酒を用意したんです。冷え込んでますからね。温かいお酒を。気に入らなければビールをお出ししますので、騙されたと思って飲んでみてください」
「おっ!新しい酒か!飲んでみてぇな」
それを聞いた真人は、徳利に日本酒を9分目くらいまで入れて口にラップをして、沸騰したお湯に2.3分置いて温める。ちなみに、ラップをしたのは、アルコールが飛ばないようにする為である。
その間、サリルはルーベンに酒を温めるとか大丈夫なのかと聞いたりしていた。
「お待たせしました。熱燗です。1杯目は注ぎますので、このお猪口を持って下さい。それとこのお酒は、熱いのでゆっくり味わいながら飲んで下さいね」
真人は、サリルとルーベンに熱燗を注ぐ。
サリルは、躊躇しているがルーベンは、昨日のビールの旨さを知っているからか、キュッと飲む。
「・・・・これすげぇな。口に入れた瞬間のグッとくる感じ!それに辛口なのもまたいい。酒だと主張してくるこの感じ堪らねぇ」
「なんだ...これは...本当に酒なのか?ルーベン、酒なんだよな?」
ルーベンが、酒の感想を言っている間に、サリルも飲んでいたようで、ワナワナと震えながら日本酒のうまさに驚いている。
「あぁ、どうだ?うまいだろ?」
「うまいなんてもんじゃない。ドワーフが作った火酒よりうまいじゃないか...こんな酒が存在する...有り得ない」
あまりのうまさに、おかしくなるサリル。
「はい!牛すじ煮込みです。少し濃いめの味付けにしてますので、濃かったら言ってください」
トンボ達の弁当を作りながら、コトコトと10時間以上煮込んでいたので、味がしっかりと染み込んでいるのだ。こんにゃくと牛すじだけのシンプルな物だが、病みつきになる一品である。
「うっま!肉がトロトロで、すぐ口から消えるくせに、濃厚な旨味が口を支配しやがる。それに、このプリプリのやつもおもしろい食感で肉の旨味が染みていてうまい!くぅ~この酒にも合う~」
牛すじ→熱燗→こんにゃく→熱燗→牛すじ→熱燗→こんにゃくと交互に味わって止まらなくなっているルーベン。見るからに幸せな顔をしているのだ。
「有り得ない有り得ない...こんなうまいものがこの世にあっていいはずかない!これは夢だ夢だに違いない。ルーベン、俺を殴ってくれ」
「ん?おう。任せとけ!」
バチコーン!とこれでもかという勢いで平手打ちをするルーベン。
「あ痛てぇぇぇ~夢じゃない...ってルーベン強すぎだ!この馬鹿が」
サリルは、頬を押さえながら涙目になっていた。
「わりぃわりぃ。それより冷める前に食べようぜ」
軽い謝罪だけで流そうとするルーベン。そこは、怒るだろうと思ったサリルだが、牛すじ煮込みと熱燗の方が重要らしく叩かれたことなどどうでもいいらしく、ルーベンと同じで牛すじ→熱燗→こんにゃく→熱燗→牛すじ→熱燗→こんにゃくと交互に味わって止まらなくなっているのであった。
「今日は、少し寒いしあれを作るか」
この世界は四季というものがないらしく、夜になると急に冷え込む時があるのだ。
そして、真人が仕込みを始めた頃、ある二人組が依頼をこないして帰ってきていた。
「今日は、やけに早く帰りたがるな。何かあるのか?」
「ちょっと、いや...かなりうまい屋台を見つけてな。酒も飯も腹に入れば同じだと思ってたんだが、あの酒と飯を食ってから世界が変わったつうか...もうあの酒と飯しか受け付けなくなっちまってよ」
昨日唐揚げとビールを食べた冒険者の男が、仲間であろう弓を背負った男に話しかけている。
「酒も飯も対して変わらないだろう...焼くか煮るか揚げるかのどれかだしな。味もハーブかよくわからんタレに漬け込まれた不味いのしかない」
過去に食べた不味い物を思い出して、凄く嫌な顔になっている。
「それがな、サリル...全くの別物なんだよ。あのサクッとした食感に中はジュワッと溢れ出す肉汁。それに、塩や香辛料を使った複雑な味わい...あぁ~思い出しただけでヨダレが出てきちまった」
昨日の唐揚げを思い出して口の端にヨダレを垂らす。
「はぁ~待て待てルーベン。そんな料理!貴族しか食えねぇって。夢でも見たんじゃないか?」
サリルは、全く信用していないようで、ルーベンが馬鹿なことを言っているなと思うのであった。
「わかった。なら連れてってやるから付き合え!もし存在していたらサリルの奢りだからな」
「あぁ、いいだろう。じゃあ、なかったら今日の依頼の取り分を全て俺に寄越せ」
「よっしゃ!その賭け乗った」
そして、二人は屋台へと向かうのであった。
「今日も来たぞ~」
「あ!昨日の!今日も来てくれたんですか?ありがとうございます。どうします?まずはお酒ですか?」
覚えていてくれたことが嬉しかったのか、強面の顔が笑顔になるルーベン。
「今日は、仲間を連れてきたんだ。あっと驚く酒を出してくれ。昨日のビールを頼む」
「今日は、別のお酒を用意したんです。冷え込んでますからね。温かいお酒を。気に入らなければビールをお出ししますので、騙されたと思って飲んでみてください」
「おっ!新しい酒か!飲んでみてぇな」
それを聞いた真人は、徳利に日本酒を9分目くらいまで入れて口にラップをして、沸騰したお湯に2.3分置いて温める。ちなみに、ラップをしたのは、アルコールが飛ばないようにする為である。
その間、サリルはルーベンに酒を温めるとか大丈夫なのかと聞いたりしていた。
「お待たせしました。熱燗です。1杯目は注ぎますので、このお猪口を持って下さい。それとこのお酒は、熱いのでゆっくり味わいながら飲んで下さいね」
真人は、サリルとルーベンに熱燗を注ぐ。
サリルは、躊躇しているがルーベンは、昨日のビールの旨さを知っているからか、キュッと飲む。
「・・・・これすげぇな。口に入れた瞬間のグッとくる感じ!それに辛口なのもまたいい。酒だと主張してくるこの感じ堪らねぇ」
「なんだ...これは...本当に酒なのか?ルーベン、酒なんだよな?」
ルーベンが、酒の感想を言っている間に、サリルも飲んでいたようで、ワナワナと震えながら日本酒のうまさに驚いている。
「あぁ、どうだ?うまいだろ?」
「うまいなんてもんじゃない。ドワーフが作った火酒よりうまいじゃないか...こんな酒が存在する...有り得ない」
あまりのうまさに、おかしくなるサリル。
「はい!牛すじ煮込みです。少し濃いめの味付けにしてますので、濃かったら言ってください」
トンボ達の弁当を作りながら、コトコトと10時間以上煮込んでいたので、味がしっかりと染み込んでいるのだ。こんにゃくと牛すじだけのシンプルな物だが、病みつきになる一品である。
「うっま!肉がトロトロで、すぐ口から消えるくせに、濃厚な旨味が口を支配しやがる。それに、このプリプリのやつもおもしろい食感で肉の旨味が染みていてうまい!くぅ~この酒にも合う~」
牛すじ→熱燗→こんにゃく→熱燗→牛すじ→熱燗→こんにゃくと交互に味わって止まらなくなっているルーベン。見るからに幸せな顔をしているのだ。
「有り得ない有り得ない...こんなうまいものがこの世にあっていいはずかない!これは夢だ夢だに違いない。ルーベン、俺を殴ってくれ」
「ん?おう。任せとけ!」
バチコーン!とこれでもかという勢いで平手打ちをするルーベン。
「あ痛てぇぇぇ~夢じゃない...ってルーベン強すぎだ!この馬鹿が」
サリルは、頬を押さえながら涙目になっていた。
「わりぃわりぃ。それより冷める前に食べようぜ」
軽い謝罪だけで流そうとするルーベン。そこは、怒るだろうと思ったサリルだが、牛すじ煮込みと熱燗の方が重要らしく叩かれたことなどどうでもいいらしく、ルーベンと同じで牛すじ→熱燗→こんにゃく→熱燗→牛すじ→熱燗→こんにゃくと交互に味わって止まらなくなっているのであった。
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