その他大勢でもいいじゃない

音無闇夫

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第九話 本当はそこに誰もいないはずだった

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また嫌な夢を見る。本来、この家に誰もいない。ナユタもまだできていない。何も無い、貧乏臭いボロボロの家。広大な土地にぽつんと、佇む小さな小屋のような家それを必死に直し爺ちゃんの面影を守ろうとする俺の姿、本来、こうあるべきだった、姿のはずだった。スキーの板を作り、ひたすら、かんなを、滑らせ、エッジを、効かせたりしているただの少年のはずだった。なのに、何故か、今は発明家大星匠となっているナユタがあり、2人の同居人がおりそのふたりは著名人と来た。眠気眼で、洗面所に行き歯を磨く、午前中は、ナユタと機能テストをし図面と睨めっこしながら、午後は買い出しの日々夜は、岬さんと雫さんの作った料理を食べ、また、ラボに入り深夜まで研究する毎日が続く現実味のない現実と現実だったはずの夢このふたつの世界を、行き来しているようだ。それを繋ぎ止めるアンカー役が岬さんと雫さんなのだろう?どうも、疲れているようだ、俺は、長い長い夢を見るそんな気分であった。時として、違う次元の自分を俯瞰して見ている。また、一方で岬さんと雫さんのいる世界を見るまるで真逆な世界だ。俺の中に生まれた齟齬が原因なのだろう。こんを詰めすぎた?何が障害となっているんだ?原因がわからない?こんな日々が、続く中、俺は、倒れた。あっちの俺も本当の俺なのだろう、カウンターに座りスキーの滑りが悪いと、言ってくる客の対応をするスキーチューナーの俺と、発明家の俺。世界軸が異なるだけでこんなに違う人生になるのかと、困惑する俺がいる。一体、どっちが本当の俺なんだ。目が覚めると、そこには岬さんと雫さんが居た。岬さんは顔を覗き込み「顔色、悪いけど、どうしたの?」雫さんも心配そうに「師匠、無理は良くない」と言ってきた。俺は「いや、問題ないよ、最近、夢見が悪いだけなんだ。気にする程じゃないさ」と答えた。実家にいる親父に次は相談してみるか?と思い、朝食をとりながら頭の中で、「そこがお前の居場所か?本当に?違うだろ。お前の居場所は、誰もいない、静寂のボロ家だ」まるで呪いにも似た、おぞましい声が響き渡る。次に目を開けると、そこには誰もいない。雫さんも岬さんもいない。目の前にスキーの板があり、蝋を塗っている姿が見えた。こちらが本当の俺なのか?わからない。ただ黙々と板を整備していた。小田沢のカーボン製のスキー板と、サラマンのレーシングスキー板の二つがあり受注者の名前が、片岡岬と雨宮雫となっていた。注文から3週間で納品となっているがもう出来上がっていた。周りには大星ブランドのスキー板が並んでいたが月に1~2本売れればいい方だ。皆量販店のスキー板を履きスキーを楽しむ。俺は週末、自分の作った専用の板を履き滑る。こっちが本当の俺なんだろう?ひとり黙々と滑る俺の姿が、そこにはあった。しかし、やはりスノーボードの人気は高く、スキーは、もう古い、スノボーの華やかさは、あるし、ハーフパイプのアクロバティックな動きには、スキーは、真似出来ない、きっと、その絶望から逃げ出したくて、これまで夢を見ていたんだ。次第にスキー場から離れていき、1人寂しくチューニングショップをやっているんだ。これが現実なんだと思い始めた。遠くで誰かが呼んでいる。俺は「いらっしゃいませ。チューニングですか?お好みのチューニングに致しますが?」と眠気まなこで答えた。岬さんと雫さんが目の前にいた。岬さんは「何寝ぼけているの」と言った。俺は、「お客様の板出来てますよ」と言った。雫さんにも「ご注文通りのセッティングにしておきました。」と答えた。二人は、思い切りビンタをしてきた。岬さんは「私はスキーなんかやらないわよ。どうしたの?」雫さんも「私も、スキーはやりませんよ。目を覚ましてください。」俺は、「まだ夢の中、早く寝なくちゃ」と言ってフラフラと奥の自室に入っていった。また、それから3日経ち、げっそりとした顔の涼が現れた。洗面台で自分の顔を見たとき、鏡が割れる音がした。額から、ひどく血が出ている。へたり込み、倒れていた。涼の姿があった。岬は涼の実家に電話した。雫は、応急処置をし、岬に救急車を呼ぶよう指示を出した。程なくして救急車は到着して松本の総合病院に到着した。医師の診断はストレス性記憶齟齬障害だった。鳴瀬一族(智貴を外す)の事件が解決し、その間ずっと緊張に晒されたことで、極限状態のまま居た事により、子供の頃の記憶と現在の記憶がごちゃ混ぜになったのだろうとの診断だった。稀にそういうことを起こす人がいるとの事だ。この病名は、外因性乖離障害ともいい、ひとつの体の中にその苦痛や、悲しみや、心痛など肩代わりする人格が生まれる。大星匠は、発明家でなく、最年少スキーチューナーで、佐久間涼の初めの人格となった。祖父を亡くした悲しみから、祖父がいつも「涼は匠じゃ」と褒めていたことから、発明家になった時に、真っ先に思いついた名前が、もうひとつの人格、大星匠の名前だった。つまり、俗に言う多重人格というやつである。普段は、明るい性格の涼ではあるが、その反対の大星匠は、必要以上に人との関わりを嫌う仕事以外では、誰であろうが口を聞かない性格なのだ。久々の大事件をやり遂げた反動が出てしまったのだ。岬さんと雫さんは、そばに居ることを決意し、支えることにした。無口に、黙々と自分の分だけ食事を作る匠に対し、岬さんは、「一緒に食べよう。」と誘うが彼の目には、映っていない違う光景が、見えているのだ。また、一人、せっせとスキーの板を磨き滑走部の蝋を剥がし綺麗に取りまた、蝋を流し固まる前に慣らしてから、固まった部分を丁寧に専用のかんなを使い、余分な蝋を削ぎ落とし、細かい研磨剤で、磨く、その後金属製のエッジ部分を、サビ落としをし、何回も、何回も、繰り返す。その後は、ひたすらペーパーヤスリで、エッジを立て、また研磨剤で、汚れを落とし、仕上がりを見て満足そうに、大事に立てかける。痩せこけた、その一人の少年の姿は、1人の職人の、姿であった。待ち遠しい冬の訪れを待ちながら、一人佇む、古ぼけた作業台と、小さなカウンター、実際そこに無いものが、彼には、あたかもあるように見えた。病院のベットの上に横たわる涼のそばに岬と雫が手を握り涼の帰りを待つのであった。入院から1ヶ月、涼は目を覚ます。2人の手を静かに、優しく置き、「ただいま」と囁きながら病院の屋上に出て思い切り深呼吸をする自分の手が痩せこけ空腹なはずなのに満たされている実感がある。筋力も落ち、また一から鍛え直さないとと思いつつも体がまだ上手く制御出来ない。涼は「一体どのくらい自分が寝ていたのだろうか?」と考えていた、まずは、腹のインナーマッスル骨格筋の調整を行う腕をつき、体をまっすぐ足は肩幅より広めにこれを30秒キープとりあえず目標。同じく今度は、腕をのばし、手のひらを自分のつま先に向け、下半身はそのままで、30秒キープを目標、後は腕立ての手の位置で30秒キープを目標背筋は腰が落ちないよう腹筋に力を入れ、まっすぐ、お尻も上がりすぎないように注意しつつ段階を見て秒数を増やしていく最高3分でできるようになったら腕立てに挑戦するまずは支える筋力を養うのが目標だ。マシーンに頼らない自分の重さを感じながらする方が体を痛めずめずに自分のベースを作る自分のベースが出来れば、後は追い込もうが、マイペースだろうがそれに合わせた方法で筋力を作れば良い後は、中庭を軽く、散歩のペースで歩くその際足を90°に、腿を上げ前に進むその際に腕は肩まで上げる脇と肩も90°を意識し隊列行進のイメージで、歩く。腕と腿をあげる時ゆっくりと筋肉を使う感覚を養い下ろす時は、力ではなく自然に下ろし持ち上げる時だけ力を使う重力に逆らう感じで。こうしてセルフリハビリを始めた。退院までに、普通に歩けるようにしたい。と、始めたトレーニングだがなかなか難しいものだ。今までは当たり前に出きていた事が出来ないのは辛いしかしやらねば、いつまでもできない、だから、やり続ける。部屋にいる時は、更に勉強をして、脳の活性化を促し遅れた分を取り戻す。この日課をこなし続けた結果いよいよ退院の時が来た。2ヶ月で、筋力が平均的に底上げされた。頭脳も平均値まで取り戻せた。転ぶ回数が無くなった事は、何よりも有難い事で、見届けていた岬さんと雫さんは顔を見合わせ笑った、しかし、不安は、いつ、発作が出るか、分からない、精神障害とは、そういうものなのだ。常備薬を絶やさず服薬しなければならない、俺は、自宅に戻りまずは、お袋に電話した。「あっお袋きょう退院した。それで頼みがあるのだが、少し、いいかな?こっちで、ブートキャンプを、したいんだけど?誰か助教出来る人、頼みたいんだ。紹介して欲しい。」お袋は、「即応予備役の、私の後輩なら、大丈夫、だと、思うんだけど、片岡さんや、雨宮さんのことを配慮して、WAC(Women's Army Corps)を、手配するよ。」と、言った。本当なら男性の方が望ましいのだが、岬さんと、雫さんの、境遇を考えると、仕方の無い選択なのだろう?俺は「済まない、今の俺では、いざと言う時に戦えないからさ、」と言うと「武力行使は、最後の手段だ」俺は、「なるべくなら、相手と外交だろ?わかってますって」と言った。それだけは、ガキの頃からお袋や親父に徹底的に仕込まれた、事だった。格闘助教が来るまでの期間家庭菜園で、鍬を振り畑を耕す振りかぶる際は力を入れるが振り下ろす際は、鍬の重さで振り下ろす。案外農作業は、剣術に似ている、ひたすら、意識しながら耕す。雫さんも伸びた雑草と、格闘している。昼になり岬さんは、呼びに来る「二人ともお昼できたから、来て」と言われ、雫さんは「了解しました。」俺は、「いつもありがとう。」と言って、母屋に向かう、岬さんは、照れくさそうに「どういたしまして」」と呟く俺と雫さんは手を洗い、昼飯を頬張る。雫さんは「こんなに女子力高いのに、未婚なんて、もったいないと思う」と言い出した。俺は、「雫さんそれ彼女には禁句だよ。人には、それぞれの人生があるのと同じで、その人にとって触れてほしくない過去もある。雫さんにだってあるでしょ?だから、この家では、過去の詮索は、禁止だよ。」雫さんは、「了解しました。岬さん、ごめんなさい!軽率な発言を、お許しください。」と謝った。岬さんは、「ううん、良いのよ、そのせいで涼君があんな目にあったと思うと、むしろ私がしっかりしないとだし、でもね、私には、好きな人がいる。片思いだけど、年下の男の子なんだけどね?」雫さんは「私もいますよ、年下の男の子ですが、どうも、女性が、苦手らしくて。」岬さんも「あら奇遇ね?私の片思いの相手も女性が苦手なのよ」俺は遠回しに、俺の事言ってないか。やめてくれよ、俺なんかよりもっとふさわしい男なんてたくさんいるだろうに?と思いつつ食事を終えて、食器を洗う。岬さんは「私がやるから置いておいて。」俺は洗い終わると「もう終わったから、雫さんのはお願いします。俺はPCルームに居ますので、何かありましたら、内線で呼んでください。」と言って無表情な顔で、地下室に行った。俺は「ナユタ、水素分解装置のデータを出してくれ。」ナユタは、「YES Master、これが現在の進捗状況です。」とデータを画面に出し、「やはり、水から電気分解して、やると効率が悪いか?」ナユタは、「ハイブリッドであれば問題は無いのですが、水から水素分解して、直接となると、厳しいですね現状では、12V~24Vに、変えた場合どうなるか?データスペック上では、問題は、電力消費率が若干下がり、その分水素分解生成は、約60%に上がりますが、バイオエタノールと、ガソリンの混合比率9:1の割合のエンジンの方がパワーパッケージのエンジンに比べれば、約60%劣りますね。」俺は、「とりあえず、水と電気のハイブリッドエンジンの試作型を作ってテストしてみるか。振動に強いリチウムイオンバッテリーを作れないか?が問題だよな?日本で取れる鉱石で日本製のリチウムイオンバッテリーが作れないか?考えてみよう?」ナユタは、「幾つか、探ってみます。」俺は「合法的に頼むな。政府機関にハッキングするなよ。」ナユタは、「Yes Master」といってPCルームを後にした。俺は「しかし、リチウムイオンバッテリーは、衝撃に弱く、過充電又は、過放電などを起こした場合、発火、爆発の恐れがある。代用品となるバッテリーの開発が必要だ、一応ナトリウムイオン電池が発表されているが、電圧、衝撃性などは、リチウムイオンより、安定しているものの、大型になりやすい、更に、信頼度にも問題がある。家庭用蓄電池には最適だが、バイクや車では、その分、車重が増え重くなる、急速充電性にも疑念がある。他に、それらを、解決、出来ないものか?」と、ひたすら資料をあさり調べる、涼であった。
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