転生者の子の英雄記

滝崎空雅

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王立学校編

第11話 クラス対抗戦2

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「じゃあ行くぞっ!」
アストは一瞬にしてアイカの目の前にきた
「ふぇ?」
びっくりしたのか目を見開いている
「寝ててくれ」
首をトンと叩こうとすると

アイカが小さな声で
「わかってないとでも思った?」
背筋がゾッとして後ろに飛んだがすでに遅かったのか腕が掴まれていた
(マジか……演技だったのかよ)
振り払おうとした時
『竜炎』

アイカの体が炎に包まれアストは巻き込まれ、慌てて振り払い10メートル離れた
(熱っ、振り払わなかったら火傷だけじゃすまなかったぞ今のは……それに拳に炎を纏ってるとは)
「すごいでしょ?」
アイカは小さな胸を張った

「俺じゃなかったら危なかったぞ?」
「信じてたもん………それと早く精霊出して?寝てるんだっけ?精霊がいなくてもアストは強いけど私が本気出したら死んじゃうかもよ?」
「やってみないとわからないだろ、それに俺もまだ本気じゃない」

「そっか、なら遠慮はいらないね」
アイカが笑顔でこちらを見たときに恐怖を感じた
(やばい、ほんとに死ぬかもしれない)
そう思いながらも走ってくるアイカを反撃するために構えた
「えい!」

アストは危険を感じたのかバックステップでその場から離れた
可愛い掛け声とは裏腹にさっきいた場所が焦げてえぐれている
「今のを避けるんだ、どんどん行くよっ!」
『竜炎鞭』
いきなりアイカの手に燃える鞭が現れそれを振るった
不規則に動くため避けられないと悟ったのかアストは魔力で身体強化をして腰をさげ
「柊流 三の型 『瞬光脚』!!」

襲いかかってくる燃える鞭を音速の動きで
蹴り始めた
炎は魔力で守り次々に襲いかかってくる鞭を弾く
「速なー、でもこれで終わりじゃないよ?」
いきなり鞭が襲いかかって来なくなったのと同時にアストの周りを回り始めた
「使いたくなかったんだけどアストがしぶといから使うね?うまく防いでよ」
鞭がアストの逃げ場を無くしていき、そのドームとなった中で竜の形をした炎が暴れ始めた
『火竜の巣』

(本当に死ぬ!!)
死を覚悟したとき
【ねぇ、出てきていい?】
頭の中に声が聞こえた
守るように水がアストの体を包んだ
その直後、火竜の巣が消えた
「なっ!?何が起こったの!?」
水蒸気で見えなくなっていたアストが見え始め、その近くに蒼い鯱がいた


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