転生者の子の英雄記

滝崎空雅

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アルミス編

第31話 五大貴族二人との試合1

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 翌日、アストは疲れた顔をしながら闘技場に来ていた
昨日の夜にアストが寝ている部屋に忍び込んできた二人によって
起きたときにアイカとテラに腕を拘束されていたのだ
起きてもなかなか離そうとぜずなんでも一つだけ言うことを聞くという条件で離してくれた
なんでもと言ったのが馬鹿だったと後悔した
これから毎日一緒に寝ると言われたのだ
それ以外でとお願いしたのだが聞かなくても毎日忍び込んで寝ると強く言われてしまった
アストは諦めていいよと言った

「はぁ」
「どうしたの?」
「何でもないです」
「そろそろ試合だから早く行こ?」
「あと今日の試合でアストとフリーンだけで戦ってね」
「せめてレインもいいですかね」
「いいわよ」
「それじゃあ早く行こうよ」

アスト達は先に出ていた三人組の前に立った
「へー。君が劣等生ね」
「それもキースを倒した」
「それに仲間にはテラがいるんだね」

その二人は五大貴族で三人目は遠距離攻撃だとすぐわかる格好をしていた
ケールと言う名で剣を持っているのがゼフ、そしてガントレットをつけているのがサラ
サラはテラと同じくらいの女の子だ

「それよりなんで腕に抱きついてんの?」

サラは疑問に思ったのか目を細めながら聞いてきた
「「好きだから」」
「そ、そう。それじゃあ戦いましょうか」
若干引きながら審判に言った

「それでは開始!」

始まった直後、アストはフリーンとレインを呼んだ
明らかに周りがざわついた
フリーンを見てサラ達は唖然としている

「どうしたんですか?」
「あなた何体精霊と契約してるのよ」
「六体ですが?」

サラは硬直した六体の精霊と契約できる人など歴史上誰一人としていなかったのだ
しかもまだ四体までしか出ていない事に対してサラ達は戦慄した

「あと二体は出さないの?」
「寝てる」
「そっか」
サラは安心した声で言った

「もう始まってるからやろうか」
「あなたしか戦わないの?」

サラは離れているアイカとテラを見て不思議に思った
「フリーンの実力が見たいらしくてね。一人でやれと言われたんだよ」

アストの言葉にサラ達は反応した
なめているのかと思ったのか全員一体化でオーラを纏った
「一体化か。じゃあその上を見せないとな」
アストはフリーンとレインに一心同体をするといいその姿を変えた

手には白銀の爪があり、まるで獣人のような姿になった
目はレインの目のようになっていた
そして戦いが始まった
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