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猫と私と異世界と
第5話〜ユユと魔法のかつお節〜
しおりを挟む第5話~ユユと魔法のかつお節~
「お母さんが、病気だからだにゃ。」
ユユはうつむきながら答えた。
ユユは曰く、ケット・シーが集まる村があるらしく、そこに住むお母さんが病気にかかってしまったらしい。
「どんな病気もたちまち直す伝説の秘薬。
かつお節を見つけるために、村を飛び出て来たにゃ。」
そうか、かつお節を探す旅に。
ん?かつお節?かつお節ってかつお節だよね。かつおの硬いのだよね?
あ、ゲシュタルト崩壊しそう。
なんか、ケット・シーにとったらかつお節が伝説級アイテムになってるみたい。
でも、それ私持ってるんだよなぁ。
魔石ひとつでちょちょいなのよね。
「ねぇ、ユユ。これがそのかつお節なんだけど。」
朝交換しておいたかつお節を取り出してみせる。
「にゃ!それは!見たことにゃいけどわかるにゃ。本能が訴えるにゃ。かつお節にゃ!」
「そう、かつお節。ユユが良かったらあげるよ。」
「にゃにゃ!?それは本当かにゃ?でも伝説のアイテムだにゃ?何か裏があるにゃ。騙されないにゃ。」
なぜか尻尾に抱きつきながら、後ずさる。
なにそれ可愛い。
違う違う。
うん。まあ、たしかに目の前に現れた人間がそんなアイテム持ってたら普通疑っちゃうよね。
「大丈夫、かつお節はいくらでも手に入るから。安心して?」
「本当かにゃ!?かつお節をたくさん持ってるなんてエナはすごいにゃ。ならありがたくいただくにゃ。これでお母さんがなおるにゃ!」
心配になる程切り替えが早いね。
でも、これでユユが喜ぶなら安いもんだよね。
猫の幸せは私の幸せだもん。
かつお節を受け取ったユユはどうやら村に私を連れて行ってくれるらしい。
余談だけど、ユユの後ろ姿が可愛すぎましたよ。はい。
二足歩行の猫の歩き方と言ったら、もうね
殺人級の可愛さを誇ってました。こう、プリプリって。プリプリ。
ん?シフォン、顔にくっつくのはやめて。
大丈夫、シフォンは十分可愛いから。
しばらく森を歩くと大きな木のウロにユユが入って行った。
待って、そんな所に村があるのかな?
明らかに人一人入れるくらいの大きさだよ?
「なにしてるにゃ、エナ!早く来るにゃ。」
ウロから顔を出して手を引っ張って来るユユ。
かわい、、、うん。なんでもないよ。
ウロを通り抜けるとそこは丸い小さな小屋が立ち、猫じゃらし草が生えるサッカーグラウンドくらいの大きさの村だった。
明らかにウロの大きさじゃないよこれ。
えっと、猫の○返しかな?これは。
セーフだよね?セーフなはず。
「セーフってなにがにゃ?早く来てにゃ。
この家だにゃ!」
私だって、理解できないことが起こるとテンパりますよ。
耳生えたりしないよね?大丈夫だよね?でも、それはそれでありかも、、、
家に屈みながら入るとベットに寝転んだ
年老いた猫がいた。
この猫がお母さん猫かな?
確かにやつれてる。
「お母さん、かつお節を持って来たにゃ。ここにいるエナが分けてくれたのにゃ。これでお母さんも元気になるにゃ。」
そこからの、やりとりはもう涙モノだったよ。
お母さんはかつお節で治って元気になった。
ユユはそれを見て泣いて、私も。シフォンからも嬉しい気持ちが伝わって来たもんね。
本当に元気になって良かったよ。
残ったかつお節を村に分けてあげて、私たちは帰ることにした。
なんかもうね、猫パラダイスな訳です。
いろんな種類の猫が二足歩行で
ありがとうーって言いながら
スタタタターっと寄ってくる姿は、鼻血ものだと思うんだよね。
鼻血?出してないよ?そこは、誰も見てなくても乙女のポリシーがあるからね。
お礼をって言われたけど
ねずみも猫じゃらしも要らないからね。
お礼だよ、恩返しじゃないよ。
それに早くしないと、1匹しかゴブリン倒せてないからね。
討伐部位回収してないし。
ユユに見送られて、ウロから出る。
後ろ髪を引かれる思いってこう言う時に使うんだね。
急ぎ足で森を歩いていく。
早く倒したゴブリンのところに行かなきゃね。
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