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プロローグ
神の手違い?1
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「兄さん、ただいま。」
俺は、ソラ。いまは夕飯の準備中だ。
そんなところに妹のシロが、息を乱れさせながら帰ってきた。
「ああ、おかえり。ご飯もう少しかかるから先に風呂でも入ってこい。お湯は沸かしてあるから。」
「いやよ。ご飯を手伝うわ。こんないい匂いが学校まで届いてきて、もう我慢できないもの!」
「おまえ、ホントにどんな鼻してんだよ、学校まで軽く5キロはあるんだぞ。」
…ホントに嗅覚すごいなっ!前世はきっと犬だなっ
可愛い犬がいたもんだっ!
、とくだらないことを考えていた。
実際、シロの嗅覚はすごい。
この前なんか、俺が買い物から帰ってくると、"兄さん、リンゴ買い忘れてる"と言うのだ。
袋の中を見ずに…
こんな嗅覚を持つシロだが、本当にすごいのは嗅覚ではない。
『味覚』だ。
シロは、口にしたものに関してはなんでもわかる。
この料理に何が使われているかなんてもちろん、シロにはグラム単位で分量まで完璧にわかる。
だから、お店の秘伝のタレなんていう代物を食べさせようものなら、秘伝のタレはただのタレに成り下がる。
そんな妹は唯一、俺の料理は美味しいと言って食べる。
昔、俺は料理が下手だった。卵を割ることすらうまくできないほどに。だから、シロも俺の料理には手をつけなかった。シロはその頃、オヤジや母さんのご飯を食べていた。
しかしシロが9歳、おれが10歳のとき、両親は突然帰らぬ人になってしまった。まだ、小学校に通っている俺らにとってはとてもショックだった。
でも、おれはそれよりもシロを守らなくてはという気持ちが強く、まずはじめに自分ができることを考えた。
僕ら2人の身元は母さんの妹が保証人になってくれたが、あまり迷惑をかけたくないと思って、僕は将来のために、中学生になってからは学校に通いながら働くことにしようと決めた。
だが、それよりも深刻だったのが、シロの食料問題だった。シロは両親が亡くなってからあまり、食事を取らなくなった。このままでは、シロまで死んでしまうと思ったおれは、料理の腕を磨いた。
それはとても苦しいものだった。
初めはとても大変だった。卵一つろくに割れない俺は、鍋を焦がしたり、包丁で指を切ったり、さらには家に引火しそうになったこともある。
だから、はじめのうちは毎日、こげた目玉焼きだった。おれは申し訳なくなり、妹の前で泣いた。
自分でも食べたが、殻がはいっていて、ガリガリと音を立てるほどに不快だった。
でも、シロは手をつけてくれた。
今までは、見向きもしなかったのに…
シロは相変わらず、まずいっ!といっていたがそれでも全部食べてくれた。
そこから、おれは頑張って料理の腕をあげた。
いつか、シロに美味しいといってもらうために。
「…ぃさ…、兄さんっ!早く食べようよ。」
「あ、あぁ。そうだな。たべるか。」
俺たち2人は向かい合ってすわり、お互いに手を合わせて、
「「いただきますっ。」」
と言った。
今日は自信作のムサカと呼ばれるギリシャ料理だ。
ジャガイモの生地に具材を挟み込んだパイのような料理だ。
おれは取り分けるため、ナイフを入れた。
すると突然、視界が真っ白になったのだった…。
俺は、ソラ。いまは夕飯の準備中だ。
そんなところに妹のシロが、息を乱れさせながら帰ってきた。
「ああ、おかえり。ご飯もう少しかかるから先に風呂でも入ってこい。お湯は沸かしてあるから。」
「いやよ。ご飯を手伝うわ。こんないい匂いが学校まで届いてきて、もう我慢できないもの!」
「おまえ、ホントにどんな鼻してんだよ、学校まで軽く5キロはあるんだぞ。」
…ホントに嗅覚すごいなっ!前世はきっと犬だなっ
可愛い犬がいたもんだっ!
、とくだらないことを考えていた。
実際、シロの嗅覚はすごい。
この前なんか、俺が買い物から帰ってくると、"兄さん、リンゴ買い忘れてる"と言うのだ。
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こんな嗅覚を持つシロだが、本当にすごいのは嗅覚ではない。
『味覚』だ。
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だから、お店の秘伝のタレなんていう代物を食べさせようものなら、秘伝のタレはただのタレに成り下がる。
そんな妹は唯一、俺の料理は美味しいと言って食べる。
昔、俺は料理が下手だった。卵を割ることすらうまくできないほどに。だから、シロも俺の料理には手をつけなかった。シロはその頃、オヤジや母さんのご飯を食べていた。
しかしシロが9歳、おれが10歳のとき、両親は突然帰らぬ人になってしまった。まだ、小学校に通っている俺らにとってはとてもショックだった。
でも、おれはそれよりもシロを守らなくてはという気持ちが強く、まずはじめに自分ができることを考えた。
僕ら2人の身元は母さんの妹が保証人になってくれたが、あまり迷惑をかけたくないと思って、僕は将来のために、中学生になってからは学校に通いながら働くことにしようと決めた。
だが、それよりも深刻だったのが、シロの食料問題だった。シロは両親が亡くなってからあまり、食事を取らなくなった。このままでは、シロまで死んでしまうと思ったおれは、料理の腕を磨いた。
それはとても苦しいものだった。
初めはとても大変だった。卵一つろくに割れない俺は、鍋を焦がしたり、包丁で指を切ったり、さらには家に引火しそうになったこともある。
だから、はじめのうちは毎日、こげた目玉焼きだった。おれは申し訳なくなり、妹の前で泣いた。
自分でも食べたが、殻がはいっていて、ガリガリと音を立てるほどに不快だった。
でも、シロは手をつけてくれた。
今までは、見向きもしなかったのに…
シロは相変わらず、まずいっ!といっていたがそれでも全部食べてくれた。
そこから、おれは頑張って料理の腕をあげた。
いつか、シロに美味しいといってもらうために。
「…ぃさ…、兄さんっ!早く食べようよ。」
「あ、あぁ。そうだな。たべるか。」
俺たち2人は向かい合ってすわり、お互いに手を合わせて、
「「いただきますっ。」」
と言った。
今日は自信作のムサカと呼ばれるギリシャ料理だ。
ジャガイモの生地に具材を挟み込んだパイのような料理だ。
おれは取り分けるため、ナイフを入れた。
すると突然、視界が真っ白になったのだった…。
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