甘美なる隷属

氷華冥

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共犯の誕生

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REIKAエンタープライズの「特別会議室」は、麗子の支配が陽翔と凜香を新たな次元へと導く舞台だった。陽翔は全裸で天井から鎖でつま先立ちに吊るされ、首に黒革の首輪、股間にハンブラーと錘、乳首にクランプと錘が装着されていた。鞭痕だらけの身体と、麗子の与える痛みに恍惚とした表情が大型の鏡に映し出されていた。凜香は、陽翔の奴隷としての姿と麗子の圧倒的な支配を目の当たりにし、理性では拒絶しながらも本能的に興奮を覚えていた。麗子の鋭い視線は、凜香の内に眠る支配者の素質が目覚めつつあることを見抜いていた。

麗子は陽翔の背後に近づき、黒のレザーボンデージ衣装のコルセットがきつく締め上げる彼女の姿が、陽翔と凜香を圧倒した。ピンヒールのコツコツという音が部屋に響く中、麗子は陽翔の耳元に低く囁いた。「陽翔、凜香『様』に鞭をおねだりするのよ。ちゃんと私の命令に従いなさい。」彼女の声は甘く、しかし絶対的な命令だった。陽翔は凜香の視線と麗子の支配に挟まれ、顔から火が出るような羞恥に震えた。

(凜香に…こんな姿で…!)

だが、麗子の調教によって彼の心は彼女の命令に逆らえず、震える声で従った。

「り、凜香…様、僕に鞭を打ってください…。」陽翔の声は羞恥と従順で震え、鏡に映る自分の惨めな姿にさらに心が締め付けられた。凜香は陽翔の言葉に目を丸くし、動揺を隠せなかった。「え…陽翔、私が…?」彼女の理性はまだ抵抗していたが、麗子の優雅な微笑みと圧倒的なオーラに促され、九尾鞭を手に取った。「凜香、やってみなさい。陽翔はそれを望んでるわ。支配の喜びを、感じてごらん。」麗子の言葉は、凜香の内に眠る本能を刺激した。

凜香は躊躇しながらも、控えめに九尾鞭を振り下ろした。パシッという軽い音が響き、陽翔の背中に新たな赤い痕が走った。「あぁっ…!」陽翔の感嘆の声が部屋に響き、痛みと快楽が混ざった恍惚な表情が鏡に映った。凜香は自分の手で陽翔が反応する姿に、未知の興奮が湧き上がるのを感じた。

(私が…陽翔をこうやって…支配してる…?)

彼女の心に、支配する喜びと嗜虐的な昂揚が芽生え始めた。

麗子は凜香の変化を見て、ゾッとする笑みを浮かべた。「凜香、もっと強く振ってみなさい。陽翔は私の奴隷として、痛みで喜ぶマゾよ。あなたの鞭で、彼の本性を引き出してあげて。」凜香は麗子の言葉に押され、再度九尾鞭を振り下ろした。パシッ! 今度は少し力強い音が響き、陽翔の呻き声が続いた。「凜香様…ありがとう…ございます…!」陽翔の声は、麗子の調教によって植え付けられた被虐欲求と、凜香への新たな服従で震えていた。

凜香の瞳には、困惑と興奮が交錯していた。彼女の手による鞭が陽翔の身体に痕を刻むたび、支配の喜びが彼女の心を満たし、麗子の世界に引き込まれていった。

(こんな感覚…初めて…。麗子社長の言う通り…支配するって、こんなに…。)

凜香は無意識に鞭を握る手に力を込め、陽翔への打撃を繰り返した。陽翔の悲鳴と感嘆の声が、凜香の内なる支配欲をさらに煽った。

麗子は凜香の変化を満足げに見つめ、陽翔に命じた。「陽翔、凜香『様』に感謝しなさい。彼女がお前の惨めなマゾの本性を認めて、鞭を振るってくれてるわ。」陽翔は涙と汗に濡れた顔で、凜香に向かって震える声で言った。「凜香様…ありがとう…僕の…本当の姿を…見てくれて…鞭を…くれて…。」凜香は陽翔の言葉に一瞬戸惑ったが、麗子の微笑みに背中を押され、彼女の内なる支配者の素質が目覚め始めていた。

(完璧よ、凜香。)

麗子は内心でほくそ笑んだ。

(あなたは私の共犯として、支配の喜びを知るわ。陽翔は私の奴隷、そしてあなたは私の新たなパートナーよ。)

「特別会議室」の暗闇に、麗子の冷たい笑み、陽翔の喘ぎ声、凜香の昂る鞭の音が溶け合い、陽翔を支配の淵にさらに深く沈め、凜香を麗子の策略の新たな駒として完全に巻き込んでいった。
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