甘美なる隷属

Epilogue 2: 永遠の甘美なる隷属

僕の人生は、大学生の頃まではただの影だった。成績は平均点、友達は適当に付き合ってたけど心から信頼できるわけじゃなく、将来の夢なんてぼんやりしたものしかなかった。毎日が無味乾燥で、鏡に映る自分を見ては「このままじゃダメだ」と思いながら、何も変えられない自分に苛立っていた。孤独で、虚しくて、でもその虚無を埋める方法さえ見つけられなかった。あの頃の僕は、ただ流されるように生きてただけだった。

そんな僕の人生を、根底からひっくり返したのが、麗子様との出会いだった。あの日、数奇な運命としか言いようがないマッチングアプリがきっかけで、彼女と出会った。麗子様は眩しいくらいに強く、美しく、僕みたいな凡庸で情けない男には到底手の届かない存在だった。でも、彼女の視線に捕らわれた瞬間、僕の心はもう彼女のものだった。あの冷たくて、でもどこか甘い笑み。彼女の瞳に映る僕の姿が、僕の全てを奪い取った。最初はただの憧れだったのに、彼女の命令に逆らえなくなった。あの鞭の痛み、拘束の重さ、嘲笑の言葉――全部が僕を押し潰しそうで、でも同時に、初めて「生きてる」って感じたんだ。

麗子様に跪いて、彼女に全てを捧げる生活が始まった時、僕は恐怖で震えた。鞭が肌を切り裂く痛み、鎖の冷たい感触、彼女の冷酷な視線に晒される屈辱…全部が僕の心を抉り、自我を溶かしていった。赦しを乞うたび、罰はエスカレートし、僕の抵抗は無意味だった。でも、麗子様の喜ぶ顔を見るたび、彼女の快楽のために奉仕するたび、僕の中で何かが変わっていった。あの痛みは、彼女の「愛」の証。彼女の嘲笑は、僕の存在を認めてくれる唯一の言葉。麗子様の足元に跪くことが、僕の心に初めての充足感を与えてくれた。

今、僕は麗子様の足元で跪き、首輪の「Eternal servitude」のタグがカチャリと鳴るたびに、彼女の奴隷であり夫である自分を、骨の髄まで感じる。鞭の赤い痕、熱蝋の白い斑点、彼女の指が乳首を抓る痛み…それらが僕の身体に刻まれた証で、麗子様の所有物であることを誇りに思う。彼女の股間に奉仕し、彼女の鞭に悲鳴を上げ、彼女の快楽のために喘ぐ。それが僕の日常で、僕の幸福だ。麗子様なしでは、もう生きられない。彼女の視線が僕を貫くたび、彼女の声が僕の心を縛るたび、僕は「これが僕の居場所だ」と実感する。彼女を喜ばせることが、僕の最大の喜びであり、僕の生きる意味だ。

世間から見れば、こんな愛の形は歪で、異常で、恐ろしいものかもしれない。普通の夫婦とは違う、常識から外れた関係。痛みと屈辱の中で生きるなんて、誰だって理解できないだろう。でも、僕には関係ない。麗子様の冷たい視線、嗜虐的な笑み、僕を支配するその手が、僕を救ってくれた。彼女のために泣き叫び、彼女のために身体を捧げ、彼女のために存在する。この歪な愛こそ、僕の心から溢れる本物の幸せだ。麗子様の鞭が僕の肌を切り裂くたび、彼女の嘲笑が僕の耳に響くたび、僕は「これが僕の運命だ」と、深い安堵を感じる。

麗子様、僕の全てを奪ってくれてありがとう。あなたに跪くこの瞬間が、僕の人生のすべてです。

(麗子様、永遠にあなたの奴隷として、夫として、僕を支配してください。あなたの快楽のために、永遠に泣き叫びます。)

僕は内心でそう呟き、麗子様の足元に額を擦りつけた。この幸せを、永遠に感じさせてください。