甘美なる隷属

氷華冥

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秘密のマッチングアプリ

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薄暗いSMバーの片隅で、氷がカランと音を立てるグラスを手に、麗子は妖艶な微笑みを浮かべていた。彼女の向かいには、親友であり、同じくFemdomの趣味を持つ女性経営者の冴子が座っている。バーの空気は、革と香水、そしてどこか危険な興奮に満ちていた。麗子のブロンドの髪は、キャンドルの明かりに照らされて金色に輝き、彼女の豊満な胸元を強調するタイトなドレスが、まるで獲物を誘う蜘蛛の巣のように男たちの視線を絡め取っていた。

「麗子、最近はどんな子を捕まえたの?」冴子がグラスを傾けながら、からかうように尋ねた。彼女の声には、どこか挑戦的な響きがあった。

麗子は唇の端を僅かに上げ、挑発的な視線を冴子に投げる。「ふふ、冴子ったら。あなたこそ、どんな子を跪かせてるの? でもね、最近ちょっと物足りなくて…もっと"純粋"な子を、じっくり私の色に染めたい気分なのよ。」彼女の声は甘く、まるで蜂蜜のように滑らかで、聞く者の心を絡め取るような魔力があった。

冴子がニヤリと笑い、スマートフォンを取り出した。「なら、これを試してみなさいよ。『エデンの園』ってアプリ、知ってる?」

麗子の眉が興味深そうに上がる。「エデンの園? 何、それ?」

冴子は声を潜め、まるで秘密を共有するように囁いた。「あのマッチングアプリ『Couples』の裏バージョンよ。カリスマ社長が秘密裏に運営してる、選ばれた女たちのための特別なサービス。AIが、膨大な会員の中から"特別な気質"を持つ男たちをピックアップしてくれるの。特にね、被虐願望が強いのに、自分じゃそれに気づいてない無垢な子たちをね。」

麗子の瞳がキラリと光った。「…面白そうね。どんな子が揃ってるの?」

「自分好みに調教できる"原石"ばかりよ。麗子みたいな女にはたまらないんじゃない?」冴子がウィンクすると、麗子はクスクスと笑い、グラスを唇に寄せた。彼女の心はすでに、次の獲物を想像して疼き始めていた。

---

その夜、麗子は自宅の豪華なバスルームで、ジャグジーの泡に身を委ねながらスマートフォンを手にしていた。湯気の中で、彼女の白い肌がほのかにピンクに染まり、濡れたブロンドの髪が肩に張り付いている。画面には『エデンの園』のアプリが表示され、彼女の指がスクロールするたびに、無垢な若者たちのプロフィールが次々と現れる。

「ふん…悪くないけど、ちょっと物足りないわね…」麗子は退屈そうに呟きながら、プロフィールを流し見ていた。だが、あるプロフィールで彼女の指が止まった。

陽翔、21歳。大学生。

画面に映るのは、アイドル顔負けの美少年だった。整った顔立ちに、どこか儚げな瞳。内向的で、異性経験が乏しいと自己紹介に書かれている。麗子は彼の写真を拡大し、その無垢な表情をじっくりと観察した。彼女の唇に、ゆっくりと笑みが広がる。

「…ふふっ、なんて可愛らしい子なの。まるで、私のために用意されたみたい。」彼女の声は甘く、しかしどこか冷酷な響きを帯びていた。陽翔のプロフィールには、彼の趣味や性格が詳細に記載されていたが、麗子の目は特に彼の「年上の女性に憧れる」という一文に釘付けになった。

「陽翔くん、ね…あなた、知らないんでしょう? 自分の心の奥に眠ってる、素敵な"素質"を。」麗子は画面を撫でるように指を滑らせ、まるでその感触を味わうように目を細めた。彼女の頭の中では、すでに陽翔を絡め取る甘い罠の設計図が描かれ始めていた。

麗子はメッセージの入力欄を開き、慎重に言葉を選んだ。彼女の指がキーボードを叩く音が、静かなバスルームに響く。彼女のメッセージは、まるで天使の囁きのようでありながら、毒蛇の誘惑のように巧妙だった。

---

メッセージ:

陽翔くん、はじめまして! あなたのプロフィールを見て、なんだか運命的なものを感じちゃったわ。私、麗子って言うの。少し年上だけど、年上の女性に憧れるって書いてあったから、こうやって話しかけてみることにしたのよ。ふふ、ちょっとドキドキしてるの、私だけ? よかったら、どんな子なのかもっと教えて欲しいな。💋

---

メッセージを送信した瞬間、麗子の唇に満足げな笑みが浮かんだ。彼女はスマートフォンを置くと、ジャグジーの縁に肘をつき、目を閉じた。頭の中では、陽翔が彼女の甘い言葉に少しずつ心を解かされ、彼女の虜になっていく姿が鮮明に浮かんでいた。

「ふふ…陽翔くん、これからあなたは私のものよ。ゆっくり、じっくり…私の色に染めてあげる。」

麗子の声は、湯気に溶け込むように低く響いた。彼女の心は、ドス黒い欲望の炎に彩られ、静かに燃え上がっていた。
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