甘美なる隷属

氷華冥

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支配の絶頂

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調教部屋の暗闇は、麗子の嗜虐的な支配と陽翔の悲鳴で満たされていた。陽翔は磔台にギチギチに縛り上げられ、身動きが取れない状態で、麗子の黒光りする一本鞭の嵐に晒されていた。首に着けられた黒革の首輪が彼の奴隷としての立場を象徴し、身体には無数の赤い鞭痕が刻まれていた。麗子の黒のレザーボンデージ衣装は、スポットライトの下で妖しく輝き、彼女の冷酷な瞳と勝ち誇った笑みが陽翔の心を完全に支配していた。

麗子は鞭を振りながら、陽翔に口汚い罵倒と命令を浴びせ続けた。「ほら、陽翔! お前の悲鳴、もっと聞かせなさい! 私の鞭をたっぷり味わいなさい!」彼女の声は甘く、しかし残酷に響き、陽翔の意識を痛みと快楽の境界へと押しやった。鞭の鋭い音と陽翔の悲鳴が部屋に響き合い、麗子の嬌声がそれに重なった。

陽翔は痛みに喘ぎながら、麗子の声と鞭の刺激に心地よさを感じ始めていた。彼女の支配、彼女の冷酷な笑み、彼女の言葉が、彼の心と身体に深く刻まれていた。

(麗子様…あなたの声、あなたの鞭…どうしてこんなに…気持ちいいんだ…?)

 陽翔は否定できなかった。鞭の痛みが、いつしか快楽と融合し、彼の身体を突き動かしていた。

激しい鞭攻めが続く中、陽翔の身体は限界を迎えた。麗子の鞭がひときわ強く彼の背中に叩きつけられた瞬間、陽翔は悲鳴とともに絶頂に達し、射精してしまった。許可なく訪れた快楽の波に、陽翔の身体は震え、意識が一瞬遠のいた。

麗子は鞭を止め、陽翔の反応をじっと見つめた。彼女の唇に、冷たくも満足げな笑みが浮かんだ。「ふん、陽翔、なんてこと!?」彼女は一歩近づき、陽翔の顎を強く掴んで顔を上げさせた。「誰が勝手にイっていいって言ったの? お前の快楽は、私の許可がなきゃダメでしょう?」彼女の声は凍てつくように冷たく、陽翔の心を締め付けた。

陽翔は汗と涙に濡れた顔で、震える声で答えた。「す、すみませんでした…麗子様…! 許してください…!」

麗子の瞳が蔑みと嗜虐的な興奮で輝いた。「許して? ふふ、陽翔、甘いわね。」彼女は鞭を手に握り直し、陽翔を見下ろした。「勝手にイった罰よ。お前の身体に、もっと私の支配を刻み込んであげる。」彼女の声は、さらなるお仕置きを予感させる冷酷な響きを帯びていた。

陽翔の身体は恐怖で震えたが、同時に、麗子の声と彼女の支配に対する奇妙な安堵感が彼の心を満たしていた。

(麗子様…僕の全ては、あなたのもの…。)

 彼の意識は、麗子の鞭と声に完全に飲み込まれ、彼女の奴隷としての存在が彼の全てとなっていた。

(完璧よ、陽翔。)

 麗子は内心でほくそ笑んだ。

(鞭だけでイってしまうなんて、お前はもう完全に私のもの。さらなるお仕置きで、お前の心と身体を私の奴隷として完璧に仕上げてあげる。)

 彼女は鞭を高く掲げ、陽翔を見下ろして冷酷な優しさで微笑んだ。調教部屋の暗闇に、麗子の嗜虐的な欲望が燃え上がり、陽翔を彼女の支配の淵に永遠に縛り付けた。
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