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進化
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…カン…カン……
「しかしなぁ~倒せたとしてもまたあの
不味いやつ食べないといけないのか~……」
「能力のチップ不味かったの?」
「うん…なんか鉄を噛んでる味がしたよ…」
「へー私は無味だったよ」
「…僕は野菜の味がした……」
「能力によって味が違うんだなぁ」
「……と」
「多分ここがボス部屋だよな…」
「明らかに厳重にしまってるもんね…」
……ブルブル…
桓武君が怯えてしまっている…
「桓武君怖い?」
「……うん」
「待っとく?」
霊堂が優しく声をかける。
「いや……1人で待つのはもっと嫌…
着いてく……」
「そう、危なくなったら逃げるのよ」
「…分かった」
…ガチャッ
扉のロックが外れた…
「よし…皆んな生きて帰ろうな!」
「うん!」
「……うん」
シュイン
扉が開き、中には……
「ゴボォォォ!ォォォォォォ!」
体中から火の粉を噴き出しながら叫ぶ
巨漢がいた、体は真っ黒だ
「うっ…」
少々浮ついてしまったが気を引き締め、
「構えろ!」
「ゴボォォォ!」
ブォォォッ
バチッッ
「キヤッ!」
怪物が火の粉を飛ばして来た!
「オラッ!」
ドンッ!
「ゴバァァァ!!」
ブワァァァァァァァ
「グァァァァ!」
「信楽木!!」
「お前ッッッ!!」
霊堂が激怒して闇雲に切り掛かった!
ザクッ
「やった!」
途中で止まっているが刀が腕を切った!
「グォォォォ!」
ブンッ!
「きゃあ!」
「ウワァっ!!」
バキンッ
怪物は体を狂った様に身体をふり
霊堂と僕を振り落とした
「霊堂!立てるか!?」
「大丈夫だけど……刀が折られた…」
霊堂の刀は半分から上が折られていた
「下がっていて!」
「嫌っ!半身でも戦える!」
「下がってくれ!」
「まだ戦える!!」
「お願いだ!死んでほしくないんだ!」
「貴方が死ぬところを見る方が嫌!」
「下がっ……」
「グバァァァ!!」
ブワァァァァァァァァ
火の粉を直線状に発射して来た!!
「瞬間」!!
ブォン
霊堂が瞬間移動した
「うぉぉぉ!」
金属化している腕で火の粉を防ごうとしたその時!!
「…お兄ちゃん逃げて!!」
ブワァァァァァァァァ!
「熱ッッッッッッ!!」
「…それはただの火の粉じゃない!
3000度以上の金属化合物の[炎粉]
(テルミット)だ!」
「うぅ………」
金属化した腕は真っ赤になり、一部
溶けてしまっている
「腕全体が痛い……」
最早戦えそうにもない……
「逃げて!桓武君!」
「……扉…開いてない…」
あぁ……もう死ぬしかないか……
そう思い死を覚悟したその時!
「…戦うよ…!!僕!」
「桓武君!?」
「…このまま希望を捨てて死ぬくらいなら最後まで希望を持って死にたいから!」
「桓武君……」
桓武君の覚悟に押された僕は見守る事に決めた。
「……[大蔓](ジャック)」
桓武は小さなタネをばら撒いた
「あれがさっきの奴を吹き飛ばした技か……」
「グォォォォ!」
ドンッドンッドンッ!
ダッシュでタネをばら撒いたところに
敵が突っ込んで来た。
「……勝った」
桓武君がそうボソッと言った
しかし
ジュッ
「あっ………」
種が発芽する事なく燃えてしまった……
「避けて!桓武君!」
「……[揺籠](ゆりかご)」
バキバキバキッ!
茨が桓武君の周りを半円状に囲った!
「グォォォォォォォ!」
ブワァァァァァァァ!
パチパチパチ
「あっ……あぁ…」
火の粉の放射に一瞬で[揺籠]が焼かれてしまった…
ガシッ
「……離してッ!!」
茨で敵を叩くも届くまでに焼かれてしまう…
「桓武君!!」
霊堂が叫んだ
「ぐっ……あっ…あっ…」
がっしりと掴まれて少年の力じゃ
明らかに抜けれない事は目に見えて分かった。
「グォォォォォォォォォォ!!」
桓武君に至近距離で火の粉を放射しようとしている!!
「桓武君!……桓武君!!!」
腕が溶けてしまいもう戦えない自分は
ただ虚しく叫ぶことしかできなくなっていた
……ごめん…
もう無理だ……
「……た…すけ…て…」
少年の悲痛な声が響く
胸が痛くなる……
しかし立ちあがろうとしても
腕にも足にも力が入らない
「……なんだ…結局最初と変わらないじゃないか…弱くてレールに乗るしかできない弱い人間じゃないか……」
涙が地面に落ちた
ごめんなさい……
心の中で謝り、顔を見上げた
その瞬間!
「ヤァァァァァ[瞬間]!!」
ブォン
「霊堂!?」
確か刀は折れて戦えないそのはずなのに……
「なんで…そんなに動けるんだ……?」
「ヤァァァァァ!」
明らかに折れた刀の間合いじゃない場所で刀を振り始めた
「危ない!霊堂ッッ!」
ザクッ!!
「えっ!?」
明らかに長さが足りていないのに
何故か敵の右腕を捉えていた!?
……よく見たら折れた部分を補うように霧の様な刃が生えていた!
「これが……[虚ノ刀](うつろのかたな)
私の心の刀だッ!!」
……進化したのか!能力が!
「グァァァァァァァァァァァ!?!」
怪物は桓武君を離し、こちらを振り向いた
「グォォォォ!!」
「くるぞッ!」
ブァァァァァァァァァァ
「遅いよ![瞬間]!」
ブォン
ザクッ
「ギュアアアア!?!」
虚ノ刀で敵の左腕を切り裂いた!
「よしっ……これ…でなん…と…か…」
バタッ
「霊堂?!大丈夫か!!?」
「うんっ……ちょっと能力を使い過ぎたみたい…力が入らないや…」
「そうか…任せて後は俺と桓武君がやる」
「了解…」
腕も治った!足も力が入る様になった!
「終わらせてやるよ!怪物!」
この時信楽木は作戦があった。
前の自分とは違う
「レール」に縛られない作戦が。
次回「鉄線」
「しかしなぁ~倒せたとしてもまたあの
不味いやつ食べないといけないのか~……」
「能力のチップ不味かったの?」
「うん…なんか鉄を噛んでる味がしたよ…」
「へー私は無味だったよ」
「…僕は野菜の味がした……」
「能力によって味が違うんだなぁ」
「……と」
「多分ここがボス部屋だよな…」
「明らかに厳重にしまってるもんね…」
……ブルブル…
桓武君が怯えてしまっている…
「桓武君怖い?」
「……うん」
「待っとく?」
霊堂が優しく声をかける。
「いや……1人で待つのはもっと嫌…
着いてく……」
「そう、危なくなったら逃げるのよ」
「…分かった」
…ガチャッ
扉のロックが外れた…
「よし…皆んな生きて帰ろうな!」
「うん!」
「……うん」
シュイン
扉が開き、中には……
「ゴボォォォ!ォォォォォォ!」
体中から火の粉を噴き出しながら叫ぶ
巨漢がいた、体は真っ黒だ
「うっ…」
少々浮ついてしまったが気を引き締め、
「構えろ!」
「ゴボォォォ!」
ブォォォッ
バチッッ
「キヤッ!」
怪物が火の粉を飛ばして来た!
「オラッ!」
ドンッ!
「ゴバァァァ!!」
ブワァァァァァァァ
「グァァァァ!」
「信楽木!!」
「お前ッッッ!!」
霊堂が激怒して闇雲に切り掛かった!
ザクッ
「やった!」
途中で止まっているが刀が腕を切った!
「グォォォォ!」
ブンッ!
「きゃあ!」
「ウワァっ!!」
バキンッ
怪物は体を狂った様に身体をふり
霊堂と僕を振り落とした
「霊堂!立てるか!?」
「大丈夫だけど……刀が折られた…」
霊堂の刀は半分から上が折られていた
「下がっていて!」
「嫌っ!半身でも戦える!」
「下がってくれ!」
「まだ戦える!!」
「お願いだ!死んでほしくないんだ!」
「貴方が死ぬところを見る方が嫌!」
「下がっ……」
「グバァァァ!!」
ブワァァァァァァァァ
火の粉を直線状に発射して来た!!
「瞬間」!!
ブォン
霊堂が瞬間移動した
「うぉぉぉ!」
金属化している腕で火の粉を防ごうとしたその時!!
「…お兄ちゃん逃げて!!」
ブワァァァァァァァァ!
「熱ッッッッッッ!!」
「…それはただの火の粉じゃない!
3000度以上の金属化合物の[炎粉]
(テルミット)だ!」
「うぅ………」
金属化した腕は真っ赤になり、一部
溶けてしまっている
「腕全体が痛い……」
最早戦えそうにもない……
「逃げて!桓武君!」
「……扉…開いてない…」
あぁ……もう死ぬしかないか……
そう思い死を覚悟したその時!
「…戦うよ…!!僕!」
「桓武君!?」
「…このまま希望を捨てて死ぬくらいなら最後まで希望を持って死にたいから!」
「桓武君……」
桓武君の覚悟に押された僕は見守る事に決めた。
「……[大蔓](ジャック)」
桓武は小さなタネをばら撒いた
「あれがさっきの奴を吹き飛ばした技か……」
「グォォォォ!」
ドンッドンッドンッ!
ダッシュでタネをばら撒いたところに
敵が突っ込んで来た。
「……勝った」
桓武君がそうボソッと言った
しかし
ジュッ
「あっ………」
種が発芽する事なく燃えてしまった……
「避けて!桓武君!」
「……[揺籠](ゆりかご)」
バキバキバキッ!
茨が桓武君の周りを半円状に囲った!
「グォォォォォォォ!」
ブワァァァァァァァ!
パチパチパチ
「あっ……あぁ…」
火の粉の放射に一瞬で[揺籠]が焼かれてしまった…
ガシッ
「……離してッ!!」
茨で敵を叩くも届くまでに焼かれてしまう…
「桓武君!!」
霊堂が叫んだ
「ぐっ……あっ…あっ…」
がっしりと掴まれて少年の力じゃ
明らかに抜けれない事は目に見えて分かった。
「グォォォォォォォォォォ!!」
桓武君に至近距離で火の粉を放射しようとしている!!
「桓武君!……桓武君!!!」
腕が溶けてしまいもう戦えない自分は
ただ虚しく叫ぶことしかできなくなっていた
……ごめん…
もう無理だ……
「……た…すけ…て…」
少年の悲痛な声が響く
胸が痛くなる……
しかし立ちあがろうとしても
腕にも足にも力が入らない
「……なんだ…結局最初と変わらないじゃないか…弱くてレールに乗るしかできない弱い人間じゃないか……」
涙が地面に落ちた
ごめんなさい……
心の中で謝り、顔を見上げた
その瞬間!
「ヤァァァァァ[瞬間]!!」
ブォン
「霊堂!?」
確か刀は折れて戦えないそのはずなのに……
「なんで…そんなに動けるんだ……?」
「ヤァァァァァ!」
明らかに折れた刀の間合いじゃない場所で刀を振り始めた
「危ない!霊堂ッッ!」
ザクッ!!
「えっ!?」
明らかに長さが足りていないのに
何故か敵の右腕を捉えていた!?
……よく見たら折れた部分を補うように霧の様な刃が生えていた!
「これが……[虚ノ刀](うつろのかたな)
私の心の刀だッ!!」
……進化したのか!能力が!
「グァァァァァァァァァァァ!?!」
怪物は桓武君を離し、こちらを振り向いた
「グォォォォ!!」
「くるぞッ!」
ブァァァァァァァァァァ
「遅いよ![瞬間]!」
ブォン
ザクッ
「ギュアアアア!?!」
虚ノ刀で敵の左腕を切り裂いた!
「よしっ……これ…でなん…と…か…」
バタッ
「霊堂?!大丈夫か!!?」
「うんっ……ちょっと能力を使い過ぎたみたい…力が入らないや…」
「そうか…任せて後は俺と桓武君がやる」
「了解…」
腕も治った!足も力が入る様になった!
「終わらせてやるよ!怪物!」
この時信楽木は作戦があった。
前の自分とは違う
「レール」に縛られない作戦が。
次回「鉄線」
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