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第4話 集落の民衆に自己紹介
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「シン様、準備はいいですか?」
「うん、大丈夫だよ」
「この集落の皆様は、既にわたしの予知能力でシン様の情報を知りえています。そう緊張なさらずに」
リヤの家で一夜を過ごした僕たちは、この集落で暮らす住民達に新しく自己紹介をするため、朝早くからではあるが集落に暮らす民たちを集め、集会を開いた。集落の家屋の数に反して、民の数は意外にも多く、全体の数はざっと80人程度はいた。
王族の頃はこの数以上の民衆を相手にすることはしょっちゅうだったから、僕としてはこういった場にも場慣れしている。だが、それは兄や姉と一緒に居る時の話であるため、一人だけでこうした場に立つことは実は緊張している。
民衆は既にリヤの予言を聞いていたからなのか、僕の自己紹介に期待に胸を膨らませているのが表情からわかる。緊張していても仕方がない。そろそろ自己紹介をするとしようか。リヤの予知能力で民は情報を得ているとはいったものの、どこまで説明しようか。・・・全部説明したほうがいいかな。
そう思いながら、僕は民衆の目の前に立ち、声を発した。
「皆さん、初めまして。僕はシンと言います。僕はナアト王国の王族で、第9王子でしたが、ある理由から国を追放され、このジャングルの中を彷徨っていたところ、リヤと出会い、この集落に招き入れられました」
「僕が国を、そして王族を追放された理由。それは、僕が獣人という人ならざる者だからです。僕は自由自在に、人間の姿から獅子の獣人の姿へと変身をすることができます。リヤからもうこの情報も聞いているかと思いますが、まずはそれを見てください」
僕は民に一通り自己紹介をし、獣化した姿を見せる。程よく全身に力を込めると、僕の身体は頭部は獅子へと変化し、体毛が全身に生え、尾てい骨あたりからは尾が姿を現す。
これが民に受け入れられるかどうかが、僕にとっての最大の難所だ。もしこの獣人の姿が気味悪がられたりしたら、間違いなくまたジャングルの中を彷徨うことになる。ナアトで暮らしていた頃は、普段は人の姿で過ごしてきた。だからこそ、人前で獣化するのは慣れていない。リヤは普通に接してくれたが、果たして結果はどうなのだろう。完全に獣化が終わった時、僕は不安に押しつぶされそうになっていた。
ざわざわと民衆はどよめいている。ああ、やっぱり。僕のこの姿は人ならざるものだから、今回も受け入れてはくれないんだろうな。そう思っていた時、民衆の中から、小さな子供が僕に歓声を浴びせた。
「すごーい!かっこいいー!!」
「おおお!!これが俺がナアトにいた頃に噂に聞いていた獅子獣人の王族様か・・・!なんと雄々しくて美しいのか・・・!」
「都を追放されて悲観に暮れていたけど。でも、そのおかげで良いものが見られたねぇ」
子供だけではない。昨日会ったばかりのマヘンドラも、歳を取った老婆も。みんな僕の獣化した姿を褒め称えていた。こんなこと、生まれて初めてだ。少しばかり驚愕する僕に、リヤが近づき、ほら、ここの皆様はあなたを否定しませんよと声を掛けてくれた。
「あ・・・ありがとうございます、皆さん・・・」
僕は少々照れながら民衆に対して礼を言う。そしてリヤは、民衆に僕に関する説明をする。
「この方は、ご覧のように、獅子の獣人の姿と、人間の姿の二つの姿を持っています。ですが、安心してください。この方は誰よりも優しく、そして頼もしいお方です。わたしの予言は必ず当たります。きっとこの集落を、巨大な大国に導いてくれるでしょう。今日からこの方が、わたしに代わり、この集落の長となるのです」
おおおと上がる民衆の歓声。そう、僕の建国は、ここから始まる――――
「うん、大丈夫だよ」
「この集落の皆様は、既にわたしの予知能力でシン様の情報を知りえています。そう緊張なさらずに」
リヤの家で一夜を過ごした僕たちは、この集落で暮らす住民達に新しく自己紹介をするため、朝早くからではあるが集落に暮らす民たちを集め、集会を開いた。集落の家屋の数に反して、民の数は意外にも多く、全体の数はざっと80人程度はいた。
王族の頃はこの数以上の民衆を相手にすることはしょっちゅうだったから、僕としてはこういった場にも場慣れしている。だが、それは兄や姉と一緒に居る時の話であるため、一人だけでこうした場に立つことは実は緊張している。
民衆は既にリヤの予言を聞いていたからなのか、僕の自己紹介に期待に胸を膨らませているのが表情からわかる。緊張していても仕方がない。そろそろ自己紹介をするとしようか。リヤの予知能力で民は情報を得ているとはいったものの、どこまで説明しようか。・・・全部説明したほうがいいかな。
そう思いながら、僕は民衆の目の前に立ち、声を発した。
「皆さん、初めまして。僕はシンと言います。僕はナアト王国の王族で、第9王子でしたが、ある理由から国を追放され、このジャングルの中を彷徨っていたところ、リヤと出会い、この集落に招き入れられました」
「僕が国を、そして王族を追放された理由。それは、僕が獣人という人ならざる者だからです。僕は自由自在に、人間の姿から獅子の獣人の姿へと変身をすることができます。リヤからもうこの情報も聞いているかと思いますが、まずはそれを見てください」
僕は民に一通り自己紹介をし、獣化した姿を見せる。程よく全身に力を込めると、僕の身体は頭部は獅子へと変化し、体毛が全身に生え、尾てい骨あたりからは尾が姿を現す。
これが民に受け入れられるかどうかが、僕にとっての最大の難所だ。もしこの獣人の姿が気味悪がられたりしたら、間違いなくまたジャングルの中を彷徨うことになる。ナアトで暮らしていた頃は、普段は人の姿で過ごしてきた。だからこそ、人前で獣化するのは慣れていない。リヤは普通に接してくれたが、果たして結果はどうなのだろう。完全に獣化が終わった時、僕は不安に押しつぶされそうになっていた。
ざわざわと民衆はどよめいている。ああ、やっぱり。僕のこの姿は人ならざるものだから、今回も受け入れてはくれないんだろうな。そう思っていた時、民衆の中から、小さな子供が僕に歓声を浴びせた。
「すごーい!かっこいいー!!」
「おおお!!これが俺がナアトにいた頃に噂に聞いていた獅子獣人の王族様か・・・!なんと雄々しくて美しいのか・・・!」
「都を追放されて悲観に暮れていたけど。でも、そのおかげで良いものが見られたねぇ」
子供だけではない。昨日会ったばかりのマヘンドラも、歳を取った老婆も。みんな僕の獣化した姿を褒め称えていた。こんなこと、生まれて初めてだ。少しばかり驚愕する僕に、リヤが近づき、ほら、ここの皆様はあなたを否定しませんよと声を掛けてくれた。
「あ・・・ありがとうございます、皆さん・・・」
僕は少々照れながら民衆に対して礼を言う。そしてリヤは、民衆に僕に関する説明をする。
「この方は、ご覧のように、獅子の獣人の姿と、人間の姿の二つの姿を持っています。ですが、安心してください。この方は誰よりも優しく、そして頼もしいお方です。わたしの予言は必ず当たります。きっとこの集落を、巨大な大国に導いてくれるでしょう。今日からこの方が、わたしに代わり、この集落の長となるのです」
おおおと上がる民衆の歓声。そう、僕の建国は、ここから始まる――――
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