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第13話 神の力の継承
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「ヴィシュヌ様、僕を依り代にしてください」
僕はリヤの横に並び、ヴィシュヌの前に立つ。ヴィシュヌは僕を見て、ふむ、そなたならば大丈夫であろうと言い、僕の前に降り立った。
「・・・そなた、名は何と言う?」
「シンです。・・・あなたならもうお分かりかと思いますが、僕は膨大な魔力、強靭な生命力、そして人ならざる者という三つの条件全てを満たしています」
僕はそうヴィシュヌに告げると、獣化し、獣人の姿になって見せた。それを見てヴィシュヌはほうほうと歓喜しながら、僕の頭に手をかざした。
「では、これよりそなたを依り代とし、そなたの精神世界へと入らせてもらう!」
ヴィシュヌは僕の頭に手をかざすと、周囲一帯がまた光に包まれた。そして、光が止むと同時に、ヴィシュヌの姿は消えていた。僕をはじめとする集落の民が周囲を見渡しても、辺りにはヴィシュヌの姿は見えなかった。
僕がヴィシュヌがどこに行ったんだろうと困惑していると、僕の頭の中に声が聞こえた。それは、先ほどまで目の前から聞こえていた大きな威厳のある声。
「少年よ!そなたの中に入ることに成功した!礼を言うぞ!」
「あ・・・ヴィシュヌ様!無事ですか?」
「うむ!我はこれで精神体となった!この状態でそなたの精神世界で瞑想を続ければ、この世界の崩壊は回避できる!」
「そうですか!良かった・・・」
「では、その証明をしよう!!そなたの精神世界に、そなたも入るのだ!」
「え?・・・精神世界に・・・ですか?」
「ああ!!我の存在を感じ、そして念じろ!!そなたの精神世界なのだから、入ることは難しくないはずだ!」
ヴィシュヌは僕にそう語りかけた。ヴィシュヌの存在を感じて、念じろだって?どうすればいいんだろう。
言われるがままに僕は瞳を閉じて念じる。その直後、気づくと僕は真っ暗闇の空間にいた。暗闇の中、青白く光るオーラが見える。これがヴィシュヌのオーラか?僕はそのオーラに近づき、手を伸ばした。すると、次の瞬間、暗闇が一瞬で消滅し、晴れ渡った青空と、穏やかな水面が広がる空間が現れた。
「こ・・・ここは・・・!?」
「うむ、上出来だ。この場所こそが、そなたの精神世界だよ」
前を見ると、蓮の花の上に乗り、胡坐をかいて、瞑想のポーズをとっているヴィシュヌが現れた。
「獣の少年よ!早速だが、そなたに伝えたいことがある!」
「な、なんでしょうか?」
「我はだな、他の神からも声がうるさいと言われるのだ!!だが、安心してほしい!!我はこれより先、長い間瞑想を続ける!瞑想中は何も言葉を発さずに集中し続けるから無言だ!!だからうるさくはないぞ!!安心してくれ!!」
「そ、そうなんですね・・・」
自覚はあったのか・・・と僕は思いながらヴィシュヌの話を聞いていると、ヴィシュヌから聞こえているぞ!と返答が返ってきた。
「えっ!?何で聞こえて・・・!?」
「ここはそなたの精神世界だ!そして我はその精神世界に存在している・・・つまり、そなたが何を考えているのかは手に取るようにわかる!!」
「あ・・・申し訳ありません・・・・ヴィシュヌ様・・・」
「うむ!!よいぞ!!我はそういったことは気にしない!!なにしろ宇宙のごとき心の広さを持つ神だからな!!では、このまま話していてもまたうるさいと思わせてしまうから、早速瞑想に入る!!・・・・そして最後に言っておくべきことがある!そなたの中に我が存在するということは、我の力も行使できるということだ!我は瞑想に力の容量を割いているため、100%の力を発揮はできんが・・・それでもそなたに力を貸すぞ!」
「そして、最後に一つ!我の事はもう呼び捨てで呼んでも良い!そなたと我は盟友なのだからな!!必ずや、悪意の塊を倒してくれ!!ではまた会おう!!獣の少年よ!!」
そして、ヴィシュヌの声は聞こえなくなった。気づくと、僕は最初に集落の民がヴィシュヌを看病していた集会所にいた。
「シン様・・・ヴィシュヌ様のお姿が見当たりませんが・・・・まさか死んでしまったのでしょうか・・・?」
「いいや、安心して、リヤ。ヴィシュヌは確かに僕の中に生きている。僕は、自分自身の精神世界に入って、それを見てきたから」
「精神世界・・・ですか?」
「うん。そしてね、ヴィシュヌはこうも言っていた。僕の精神世界にヴィシュヌが存在しているということは、僕自身もヴィシュヌの力を使えるって。だから・・・僕はこの力を、みんなを守るために使いたいんだ」
その後、僕はリヤと共に、集落のみんなに対してこのことを説明した。みんなは最初は困惑していたが、僕の言っている事は嘘ではないとわかってくれたのか、話しを聞いてくれた。
ヴィシュヌ、ありがとう。僕も頑張るよ。そして、悪意の塊を・・・斃さなきゃ。僕は決心を固めた。
僕はリヤの横に並び、ヴィシュヌの前に立つ。ヴィシュヌは僕を見て、ふむ、そなたならば大丈夫であろうと言い、僕の前に降り立った。
「・・・そなた、名は何と言う?」
「シンです。・・・あなたならもうお分かりかと思いますが、僕は膨大な魔力、強靭な生命力、そして人ならざる者という三つの条件全てを満たしています」
僕はそうヴィシュヌに告げると、獣化し、獣人の姿になって見せた。それを見てヴィシュヌはほうほうと歓喜しながら、僕の頭に手をかざした。
「では、これよりそなたを依り代とし、そなたの精神世界へと入らせてもらう!」
ヴィシュヌは僕の頭に手をかざすと、周囲一帯がまた光に包まれた。そして、光が止むと同時に、ヴィシュヌの姿は消えていた。僕をはじめとする集落の民が周囲を見渡しても、辺りにはヴィシュヌの姿は見えなかった。
僕がヴィシュヌがどこに行ったんだろうと困惑していると、僕の頭の中に声が聞こえた。それは、先ほどまで目の前から聞こえていた大きな威厳のある声。
「少年よ!そなたの中に入ることに成功した!礼を言うぞ!」
「あ・・・ヴィシュヌ様!無事ですか?」
「うむ!我はこれで精神体となった!この状態でそなたの精神世界で瞑想を続ければ、この世界の崩壊は回避できる!」
「そうですか!良かった・・・」
「では、その証明をしよう!!そなたの精神世界に、そなたも入るのだ!」
「え?・・・精神世界に・・・ですか?」
「ああ!!我の存在を感じ、そして念じろ!!そなたの精神世界なのだから、入ることは難しくないはずだ!」
ヴィシュヌは僕にそう語りかけた。ヴィシュヌの存在を感じて、念じろだって?どうすればいいんだろう。
言われるがままに僕は瞳を閉じて念じる。その直後、気づくと僕は真っ暗闇の空間にいた。暗闇の中、青白く光るオーラが見える。これがヴィシュヌのオーラか?僕はそのオーラに近づき、手を伸ばした。すると、次の瞬間、暗闇が一瞬で消滅し、晴れ渡った青空と、穏やかな水面が広がる空間が現れた。
「こ・・・ここは・・・!?」
「うむ、上出来だ。この場所こそが、そなたの精神世界だよ」
前を見ると、蓮の花の上に乗り、胡坐をかいて、瞑想のポーズをとっているヴィシュヌが現れた。
「獣の少年よ!早速だが、そなたに伝えたいことがある!」
「な、なんでしょうか?」
「我はだな、他の神からも声がうるさいと言われるのだ!!だが、安心してほしい!!我はこれより先、長い間瞑想を続ける!瞑想中は何も言葉を発さずに集中し続けるから無言だ!!だからうるさくはないぞ!!安心してくれ!!」
「そ、そうなんですね・・・」
自覚はあったのか・・・と僕は思いながらヴィシュヌの話を聞いていると、ヴィシュヌから聞こえているぞ!と返答が返ってきた。
「えっ!?何で聞こえて・・・!?」
「ここはそなたの精神世界だ!そして我はその精神世界に存在している・・・つまり、そなたが何を考えているのかは手に取るようにわかる!!」
「あ・・・申し訳ありません・・・・ヴィシュヌ様・・・」
「うむ!!よいぞ!!我はそういったことは気にしない!!なにしろ宇宙のごとき心の広さを持つ神だからな!!では、このまま話していてもまたうるさいと思わせてしまうから、早速瞑想に入る!!・・・・そして最後に言っておくべきことがある!そなたの中に我が存在するということは、我の力も行使できるということだ!我は瞑想に力の容量を割いているため、100%の力を発揮はできんが・・・それでもそなたに力を貸すぞ!」
「そして、最後に一つ!我の事はもう呼び捨てで呼んでも良い!そなたと我は盟友なのだからな!!必ずや、悪意の塊を倒してくれ!!ではまた会おう!!獣の少年よ!!」
そして、ヴィシュヌの声は聞こえなくなった。気づくと、僕は最初に集落の民がヴィシュヌを看病していた集会所にいた。
「シン様・・・ヴィシュヌ様のお姿が見当たりませんが・・・・まさか死んでしまったのでしょうか・・・?」
「いいや、安心して、リヤ。ヴィシュヌは確かに僕の中に生きている。僕は、自分自身の精神世界に入って、それを見てきたから」
「精神世界・・・ですか?」
「うん。そしてね、ヴィシュヌはこうも言っていた。僕の精神世界にヴィシュヌが存在しているということは、僕自身もヴィシュヌの力を使えるって。だから・・・僕はこの力を、みんなを守るために使いたいんだ」
その後、僕はリヤと共に、集落のみんなに対してこのことを説明した。みんなは最初は困惑していたが、僕の言っている事は嘘ではないとわかってくれたのか、話しを聞いてくれた。
ヴィシュヌ、ありがとう。僕も頑張るよ。そして、悪意の塊を・・・斃さなきゃ。僕は決心を固めた。
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