適正異世界

sazakiri

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第52話

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「じゃあ…説明しますね」
「あぁ」
「まず、私たちの国では元々作物が育ちにくいんです」
「なんでだ?」
「それは分かりません…」
「そうか」
「あんた本当に知らないの?」
桜川が会話に入る。
「あぁ」
「私、説明してない?」
「んー」
「覚えてないの?」
「ないな」
「はぁ…」
桜川がため息をつく。
まぁ桜川には何かしらのことは聞いたのだろう。
しかし、俺は覚えていない。
つまりだ。聞き流していた可能性が高い。

「ほら!世界のレベルの話をしたでしょ?」
「……あ」
「思い出した?」
「あぁ」
レベルっていう単語で思い出した。
そう言えばこの世界はレベル10だった…
これはまだ確定じゃないとして…
まぁ桜川のやつが言ってたことだしな…
でもあいつは嘘はつかなそうだし…

まぁそんなことはどうでもいい。
何が言いたいかというと、この世界はレベル10らしい。

桜川が言っていたように、レベルが高くなるほど、魔物の数と強さが上がっている。
そしてここはレベル10の世界。
つまり他の世界があるとしてだ。
結果論的にはここが魔物としては一流ってわけになる。

魔物としては一流だが、逆に作物とかはダメらしい。
地底のエネルギー的に毎年下がり傾向にあるのも納得だ

本当になんで俺はこの世界に送られてきたんだ?
最初はあいつのことは信用していなかったが
ルナの話を聞く感じは本当なのかもしれない。

「理解した」
俺は桜川にいう。
「それは良かったわね」
「なにが分かったんですか?」
ルナが聞いてくる。
「いや、お前には関係ないことだ」
「そうですか…?」
「あぁ」

「ルナ?」
「なんですか?」
「つまり…お前の仕事がなくなるってことか?」
取りあえずまとめるとこうだよな?
小麦が育たなくなると運ぶ仕事もなくなる。
狩りが出来ないルナは仕事が失くなるってとだな。

「そうです…」
「だから…家出してきたと?」
「はい…」
「でも、家出してきても何も変わらないだろ?」
「まぁ…そうですね」
「じゃあなんでだ?」
「さっき魔術の話をしましたよね?」
「あぁ」
「その話はおじいちゃんに聞いたんです」
「そうなのか」
「はい…その時に他にも聞いたことがあって…」
「なんだ?」
「私にも使える能力があるかもしれないって…」
「なるほど…」
つまりは能力探しの旅ってわけか。

「おじいさんはどうしたんだ?」
「この前亡くなりました」
「そうか…」

「ほら!理由は聞いたでしょ?」
桜川が言う。
「まぁ…そうだが」
「私たちはこの世界のこと知らないんだからさ?」
「道案内役ってことか?」
「そーゆうこと!」
「なんか可哀想じゃね?」
「道案内役でも立派な仲間でしょ?」
「まぁそうだな」
確かにこの世界のことならルナの方が知っている。
目的は重なる部分もある。
連れていくには条件が揃っている。

「じゃあ…ルナ」
「はい?」
「お前が良いなら一緒にいくか?」
「もちろんです!」
ルナが笑顔で言う。

「じゃあまず俺の武器を回収しに行くぞ」
「分かったわ」
「そうですね!」

なんやかんや仲間的なやつらができた。
ひとり旅を考えていたが、これはしょうがない。
安全的にもこっちの方が良いかもしれないし
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