適正異世界

sazakiri

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第51話

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「分かった…一緒に行こう」
「最初からそうすればいいのよ」
桜川が返事をする。
「じゃあ行きましょう!」
とルナが言う。
「ただし…ルナはここでお別れだぞ」
「え?」
驚いた表情を見せるルナ。
「なんでルナちゃんと別れないといけないの?」
桜川が聞いてくる。
「だってあれだろ?」
「なんですか?」
「ルナはここに仕事をしに来てるんだろ?」
「そうですけど…」
俺たちの目的は現世へ帰ることだ。
そんな簡単に解決できる内容とは到底思えない。
そのためには長い時間が必要なはずだ。

「ほら、親とかが心配するだろ?」
「まぁ…そうですね」
「仕事もあるし」
「はい…」
「じゃあ!ルナ」
「なんですか?」
「元気でな」
俺は正しい判断をしたはずだ。
確かに行きたいってやつに断るのには気が引ける。
しかし、ルナには生活がある。
俺や桜川みたいなもう一つの世界があるわけじゃない。
これはルナのためだ。

「待ってください!」
「…なんだ?」
なにやらルナにも言い分があるらしいが…
「実は…今回の仕事は家出みたいなものなんです」
「どうゆうことだ?」
「さっき私の家の話をしましたよね?」
「あぁ」
「先ほど言ったように…私の家は狩りもしています」
「それは聞いたぞ」
「私は武器の能力を使えないんです」
「能力?さっき言ってた閃光ってやつか?」
「はい…家の皆は使えるんですが…」
「お前だけ使えないのか?」
「はい…」
「それは珍しいことなのか?」
「そうですね…普通は閃光ぐらいの能力なら誰でも使えるぐらいのレベルなはずなんですが…」

なるほど。
能力にもレベルがあるのか。
これは多分強い能力ほど発動させるのが難しいやつだな

「でもお前は小麦を運ぶって言う仕事があるだろ?」
「そうなんですが…」
暗い表情を見せるルナ。
「なにかあるのか?」
「小麦もそろそろ作れないんですよね…」
「作れないだと?」
「はい…」
「この世界でこう作物が作れないとかあるのか?」
「これは説明すると長くなりますね」
「一応聞いておく」
「じゃあ…説明します」

俺の予想だが…これは天候とかいう感じじゃないな…
しかしなにやら問題があるのは確からしい。
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