適正異世界

sazakiri

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第72話

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「おい」
「なに?」
「まじで寝る気なの?」
これだけは言おう
こいつはおかしい…
理由は簡単だ
なんでこいつ性格が急変したんだ?
明らかに最初はコミュ障キャラだったじゃん…
なのに…いきなりこれ?

「寝るよー」
軽ッ…返事軽ッ
こいつのノリ軽すぎだろ
しかも眠たくなってきたのか、返事が雑だし…

「はぁ…」
そうため息をつき俺は諦めることにした…
もう夜だしな…明日もあるし
こーゆう会話は永久機関だから退いた方がいい

まてよ?
これ実は運がいいのでは?
だってあれだぞ?
こいつ死人って言っても一応女だ
つまり…俺は女子と寝ていると言うことでは?!

まじかよ…
まさかこれはラッキーイベント的なやつでは?

さすがにそろそろくる頃だとは思っていた…
しかし…これがそれとはな…

うんうん!やっぱものは考えようだね!
さっきまでの嫌々が一瞬で吹き飛ぶ感じがあるよ

もう女子と寝るなんて一生ないかと思ってたわ
そう思うとこれが最後説…
ま…まぁまたチャンスはあるよね?

それにしてもラッキーだなぁ!

そんな訳ねぇだろ

こいつの性格も急変したが、俺の情緒もらしい…

いやだってそうだろ?
なんだよ?死人って
そんなやつと寝たところでなんも嬉しくねぇよ
しかも…二重人格並の切り替えだし!
逆に怖くなるタイプのやつだよこいつ

「はぁ…」
もう一度ため息をつく
これは今の状況と俺の一人芝居の二つの意味だ

「寝れないの?」
アリスが話しかけてくる

「お前のせいでな」
「なんで?」
怖い怖い…
言葉選びが強すぎるんだよ
そこは「どうしたの?」とかでいいだろ
そんなヤンデレみたいな要素いいから…

「いやだってさ?」 
「うん」
「急にお前の性格変わるからさ」
「あー」
「なにか心当たりでも?」
「心当たりって訳でもないけど…」
「けど?」
「さっきも言ったけど、私初めてなんだ…」
「自分と同じ人」
「それはまだ確定したわけじゃ…」
そう。俺はこいつに死人仲間認定されている。

「仮にトウマが死人じゃなくても私はこのままだよ」
「えぇ…」
「死人仲間も初めてだけど…話しかけてくれた人も初めてなんだったから」
「へー」
なるほどな
こいつは一応死人だから怖がられてたってことか?
まぁそりゃポルターガイスト扱いだったからな…
姿も見せなかったってとこか…

「寝るぞ」
そう俺は言う。
「一緒でいいの?」
「もう出ていく気ないだろ」
「まぁそうだね!」
「はぁ…」
「じゃあ…おやすみ!」
「あぁ」

そう言って会話が終了する。
俺は明日があるからさすがに寝ないとな…
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