適正異世界

第73話

「トウマ！」
「うぅ…」
「トウマー」
「あ…？」
「やっと起きたか」
誰かの声が聞こえて俺は目が覚める。
「おはよー」
するとそこには例の死人がいた。
夢じゃなかったのか…
ワンチャン疲れて寝落ちっていうパターンでは？
そんなことはなかったってことだ

「おはよう」
「グッスリ寝てたねぇ」
「あぁ…昨日は疲れてたからな」
「へぇ…なにかあったの？」
「色々あった」
「へー」
興味ないなら聞くなよ…
しかも、この疲れの一部はお前のせいなんだけどな

「さてと…」
俺はベッドから立ち上がり、着替えを探す。

「おい」
俺はアリスのあることに気がついてしまった
「なにかね？」
「お前…服、着替えねぇの？」
「そうだよ？」
アリスは部屋にあったパジャマを着替えようとしない
正気かこいつ？
「着替えろ」
「なんで？」
「いや…常識的にさ？」
「でも…」
「なんだよ？」
どうやらアリスにも反論の余地があるらしい。

「前の服がボロボロなんだ」　
「えぇ…」
そうだ。
俺は重要なことを忘れていた。
それはこいつが死人だってことだ。
つまりアリスは着替えと言う概念を忘れていた訳だ

「分かった」
「なにがだ？」
「お前の服は後から買ってやるから」
「ほんと？」
「あぁ」
まぁさすがにホテルの物を着ていく訳にはいかない

「じゃあ替えるー」
そう言ってアリスは着替えだす。
こいつ自分が女ってこと忘れてないか？

「なぁ…トウマ？」
アリスが声をかけてくる。
「なんだ？」
「さすがに…着替えを同じ部屋ってのは…どう？」
「えぇ…」
お前がそれ言うのかよ…
てか最初に着替えだしたのは俺なんだが？
「なんだ？その呆れた顔は！」
「なんでもねぇよ」
とりあいずアリスの身なり問題は解決した。

「よし！行くぞ」
「はーい」
そう言ってアリスと俺は部屋を出ようとする。
荷物も確認したし、忘れ物はない。

「まて…」
俺は今までなんで勘違いしていたんだ？
俺は冷静に考えた結果、そもそもの疑問が生まれた

「なんでお前と一緒に行く感じになってんの？」
「へ？」
アリスから間抜けな声が漏れる。
アリスも気がついてなかったらしい。
いやだってそうだろ？
昨日合って今日から一緒に行動？
そんなことあるのか？

しかも…無意識に服買うって言っちゃってるし…
まぁこれもなにかの縁って感じか？
一人増えた所で誤差みたいなもんだしな

「聞いてなかったけど…アリスも来るのか？」
「もちろん！トウマに着いていくよー」
「えぇ…まぁ改めてよろしく」
「こちらこそー」
アリスが答える。

こんな感じで俺にはまた仲間が増えた。
まぁアリスとは上手くやっていけそうな感じだな