適正異世界

sazakiri

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第74話

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「一階だな」
俺たちは今エレベーターに乗ろうとしている
「はーい!」
そう言ってアリスが一階行きのボタンを押す。
えらくテンション高いなこいつ…
「ところで…トウマ?」
「なんだ?」
「今から待ち合わせなの?」
「あぁ」
「へー」
毎回思うがなんで興味ないのに聞くの?

「とうちゃーく!」
そうアリスが言うと同時にドアが開く。
「さて…あいつらどこだ?」
約束の時間は丁度よいはずだ
とりあいず回りを見渡してみる。

「あ…いたわ」
ソファに座っている二人を見つけた。
昨日半分騙されたが、一応仲間だ。
「いたの?」
「あぁ」
そう言って俺たちは二人の方に向かう。

「あ!トウマさん!」
ルナが歓迎の意を示してくれる。
「うす」
「あんた遅かったわね」
「丁度いいだろ…」
まじでこいつは時間の鬼なのか?
てかルナと桜川の当たりの強さが違いすぎる…

「あれ?トウマさん」
「なんだ?」
ルナが何かに気がついたようだ。
「その子は誰ですか?」
「あぁ…お前らには言ってなかったな」
どうやらアリスのことを言っているらしい。
そりゃこいつらが知るはずがないか…
「え…」
なにやら桜川が驚いた表情を見せる。
「なんだ?」 
「あんた…誘拐したの?」
「するわけねぇだろ」
逆になんで第一声がそれなんだよ…
もっと他にもあっただろ

「ほら!アリス、自己紹介しなさい」
「「アリス?」」
二人が口を揃えて言う。
「そう、アリスだ」
なんか、これ俺がアリスみたいな文章になってね?

「あの…おはようございます…アリスです」
小さな声でアリスが言う。
あれ?さっきまでのテンションどこに行ったの?
これあれか?
極度の人見知りみたいな感じが?
でもそれなら…俺も昨日、初めて会ったんですけど

「アリスちゃんって言うのね!」
桜川が話を続ける。
「はい…」
「トウマさん?」
ルナが声をかけてくる。
「アリスさんとは何処で知り合ったんです?」
「部屋」
「部屋?」
「正式には部屋の前」
「そ…そうなんですね!」
あれ?なんか勘違いしてない?
俺は別に嘘なんて言ってないんだが…

「ところでトウマ?」
桜川が話しかけてくる。
「なんだ?」
「アリスちゃんとは一緒に行く気なの?」
「そうだが」
「へぇ…」
なんだよその意味深な返事。
こいつまさか俺のことロリコンだと思ってないか?
別にアリスの見た目はそんなに幼くはないと思うが…
でも、桜川のやつは決めつけが酷いからからなぁ

「じゃあ皆行くわよ」
桜川が言う。
「チェックアウトは?」
「もう済ませてあるわ」
「あざす」
そして俺たちは正面玄関へと向かった。

色々あったが、無事に一夜を乗り越えた。
今日こそは武器を回収しなくては…
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