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第82話
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「おい、お前ら」
「なに?」
「そろそろ引き上げるぞ」
「なにその強盗感」
「うるせぇ」
「はいはーい」
もうこの店を出ねぇとそろそろヤバイ
アリスの洗脳も限界がありそうだし…
てか、俺なにも盗んでないんだけど…
まぁ盗まないのが普通のことなんだけど
「トウマ…」
アリスが話しかけてくる。
「なんだ?アリス」
「限界…」
「は?」
なになに?
限界ってまさか、洗脳のことじゃないよね?
「お前ら、なにしてる?」
親方が桜川達に聞く。
「な、なにもしてない!」
桜川が言う。
いやそれ無理がありすぎるだろ
しかし、このタイミングなのかよ
これはもう終わり以外の何者でもない。
「ちょっとまってな」
親方が言う。
え?
もしかして、優しい方ですか?
実は最初から親方のこと信じてたんだよね
「おーい」
親方が店の外に出て、誰かと話し出す。
「憲兵を呼んでくれー」
あ…これはアウトなやつです
希望の光を一瞬でねじ伏せられる。
てか、これに関しては時間をかけすぎたろ
「おい…桜川」
「ん?」
桜川に話をしようと思ったんだが…
あいつらいないんだけど!?
え?どゆこと?
逃走したってことか?
そんなことある?
しかも、俺らを置いて逃げてるし
あいつやっぱ性格悪かったんだな…
ってそんなこと言ってる場合じゃないんだが
「あれ?兄ちゃん」
「な、なんです?」
「あの、二人は?」
「俺もさっき見たらいなくて」
「まじか」
「どこかあてはあるのか?」
「ないと思います…」
「そうか」
「これってどうなるんです?」
「なにがだ?」
「ほら、親方も見てたと思いますが…」
「あぁ…盗みのことか?」
「はい」
「そりゃ憲兵に捕まえて貰わないとな」
「なるほど」
「憲兵の探索にかかれば一瞬よ」
「へ、へぇ…」
ヤバイ…
冷や汗止まらないんだけど
そんなヤバイ集団なのかよ
しかもだ。仮に逃げていたとする。
まぁこれは確実なんだけども…
ルナはともかく桜川のやつはこの街に慣れていない。
つまり憲兵の方が圧倒的有利なのである。
こんなゲームみたいな話をしてるけど、普通に今俺達のパーティーは壊滅状態に陥っている。
「兄ちゃん」
「は、はい!」
「一応、鞄見せてくれるか?」
「ど、どうぞ」
一応持ち物検査的なものが始まったわけだが
これは俺にとってはチャンスなのである。
さっきの親方の言い方的に持ってなかったら無罪だ。
そして俺は何も盗んでいない。
つまり無罪ってわけだ。
「よし、何も盗んでないな」
「でしょ?」
「ところで兄ちゃん、本好きなのか?」
「まぁ…はい!」
俺が武器を盗めなかったのには理由がある。
それは俺の鞄には本のせいで空きがないからである。
「しかし、兄ちゃんが盗んでなくて良かったよ!」
「盗みなんてするわけないじゃないですか!」
まぁ空きがあったらしてたかもしれないけど…
「そうだよな!」
親方が笑って言ってくる。
これは勝ち確演出!
まじで死ぬかと思ったわ…
「じゃあ、そっちのお嬢さんは?」
「私…荷物ない…」
アリスが答える。
「そうか!じゃあもういいぞ!」
「お、お邪魔しました」
「おう!またこいよ!」
「はい!」
そう言って俺達は店を出る。
さっき親方にはああ言ったが、俺は二度と行きたくない
まぁ俺達まで捕まらなくて良かった。
「トウマ」
「なんだ?」
「私のせいで」
「なに言ってるんだ、アリスは悪くないぞ」
「でも」
「そもそも盗むってことがおかしいからな…」
「それはそうだね!」
「ん?」
アリスのテンションがまた変わった気がするのだが…
しかし、また問題が生まれたな…
これからどうやって合流するんだ?
てか、もう見捨てて良いんじゃね?
「なに?」
「そろそろ引き上げるぞ」
「なにその強盗感」
「うるせぇ」
「はいはーい」
もうこの店を出ねぇとそろそろヤバイ
アリスの洗脳も限界がありそうだし…
てか、俺なにも盗んでないんだけど…
まぁ盗まないのが普通のことなんだけど
「トウマ…」
アリスが話しかけてくる。
「なんだ?アリス」
「限界…」
「は?」
なになに?
限界ってまさか、洗脳のことじゃないよね?
「お前ら、なにしてる?」
親方が桜川達に聞く。
「な、なにもしてない!」
桜川が言う。
いやそれ無理がありすぎるだろ
しかし、このタイミングなのかよ
これはもう終わり以外の何者でもない。
「ちょっとまってな」
親方が言う。
え?
もしかして、優しい方ですか?
実は最初から親方のこと信じてたんだよね
「おーい」
親方が店の外に出て、誰かと話し出す。
「憲兵を呼んでくれー」
あ…これはアウトなやつです
希望の光を一瞬でねじ伏せられる。
てか、これに関しては時間をかけすぎたろ
「おい…桜川」
「ん?」
桜川に話をしようと思ったんだが…
あいつらいないんだけど!?
え?どゆこと?
逃走したってことか?
そんなことある?
しかも、俺らを置いて逃げてるし
あいつやっぱ性格悪かったんだな…
ってそんなこと言ってる場合じゃないんだが
「あれ?兄ちゃん」
「な、なんです?」
「あの、二人は?」
「俺もさっき見たらいなくて」
「まじか」
「どこかあてはあるのか?」
「ないと思います…」
「そうか」
「これってどうなるんです?」
「なにがだ?」
「ほら、親方も見てたと思いますが…」
「あぁ…盗みのことか?」
「はい」
「そりゃ憲兵に捕まえて貰わないとな」
「なるほど」
「憲兵の探索にかかれば一瞬よ」
「へ、へぇ…」
ヤバイ…
冷や汗止まらないんだけど
そんなヤバイ集団なのかよ
しかもだ。仮に逃げていたとする。
まぁこれは確実なんだけども…
ルナはともかく桜川のやつはこの街に慣れていない。
つまり憲兵の方が圧倒的有利なのである。
こんなゲームみたいな話をしてるけど、普通に今俺達のパーティーは壊滅状態に陥っている。
「兄ちゃん」
「は、はい!」
「一応、鞄見せてくれるか?」
「ど、どうぞ」
一応持ち物検査的なものが始まったわけだが
これは俺にとってはチャンスなのである。
さっきの親方の言い方的に持ってなかったら無罪だ。
そして俺は何も盗んでいない。
つまり無罪ってわけだ。
「よし、何も盗んでないな」
「でしょ?」
「ところで兄ちゃん、本好きなのか?」
「まぁ…はい!」
俺が武器を盗めなかったのには理由がある。
それは俺の鞄には本のせいで空きがないからである。
「しかし、兄ちゃんが盗んでなくて良かったよ!」
「盗みなんてするわけないじゃないですか!」
まぁ空きがあったらしてたかもしれないけど…
「そうだよな!」
親方が笑って言ってくる。
これは勝ち確演出!
まじで死ぬかと思ったわ…
「じゃあ、そっちのお嬢さんは?」
「私…荷物ない…」
アリスが答える。
「そうか!じゃあもういいぞ!」
「お、お邪魔しました」
「おう!またこいよ!」
「はい!」
そう言って俺達は店を出る。
さっき親方にはああ言ったが、俺は二度と行きたくない
まぁ俺達まで捕まらなくて良かった。
「トウマ」
「なんだ?」
「私のせいで」
「なに言ってるんだ、アリスは悪くないぞ」
「でも」
「そもそも盗むってことがおかしいからな…」
「それはそうだね!」
「ん?」
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しかし、また問題が生まれたな…
これからどうやって合流するんだ?
てか、もう見捨てて良いんじゃね?
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